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放課後の誰もいない理科実験室でガラスの割れる音がした。壊れた試験管の液体からただようあまい香り。この匂いをわたしは知っている──そう感じたとき、芳山和子は不意に意識を失い床に倒れてしまった。そして……目を覚ました和子の周囲では、時間と記憶をめぐる奇妙な事件が次々に起こり始める。思春期の少女が体験した不思議な世界と、あまく切ない想い。わたしたちの胸をときめかせる永遠の物語もまた時を超え、未来へと引き継がれる。
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Posted by ブクログ
ずいぶん前に映画を見たため内容をほぼ忘れており、また最近筒井康隆の小説に出会って面白さを体験し、1から読み返そうと思ったのがきっかけです。「見てから読む」派閥です。
本編は3つのストーリーに分かれた短編集で、お馴染みの青春タイムトラベル『時をかける少女』を始め、般若の面、高所恐怖症の苦手を払拭するために、主人公が過去のトラウマを追求していく『悪魔の真相』、主人公の理想が現実になった世界へタイムトラベルする『果てしなき多元の宇宙』の3つが楽しめる。SF小説といえば筒井康隆という言葉を見かけるが、まさに体現するような小説だった。
私はが印象的だったのは『悪魔の真相』だ。苦手な物には過去のトラウマがあり、それが現在も潜在意識として残っている。そのトラウマは案外笑いに変わるものかもしれない。もし大きな事件だったとしても、「10年前のことだから」と分別できるかもしれない。そんなトラウマに対して比較的楽観的な視点で語られていたが、実際現在至る所で過去を掘り返し炎上するような事件が多発している。事件の度合いや考え方にもよるだろうが、現実では何事も綺麗事とはいかないのだろう。誰もが過去の過ちを反省し、いつでもタイムトラベルでいい世界に直せるような、そんな世界がいつかあれば良いなと思う。
Posted by ブクログ
先日、さてさてさん なおなおさんとタイムトラベルの話で盛り上がったことから、懐かしいこの作品を読みたくなった。
いくつも映像化されている作品だが、私は細田守監督のアニメ映画が好き。
この原作もうんと昔に読んだはずだが、こんなにシンプルだったんだと、少し驚いた。
私の頭の中で勝手に上書きされていた感じかな。
そうそう、〝ラベンダーのかおり〟に憧れを抱いたな。
あの頃は、どんな花だろう?って思った。
今読むとセリフの言い回し等に時代を感じ、ちょっと笑える。
でも青春の、胸の奥がつんとする気持ちは昔も今も変わってなくて、やっぱりキュンとしちゃう。
シンプルなストーリーだからこそ色んな作品に生まれ変わり、今も愛され続けているのだろうか。
『時をかける少女』のほか
『悪夢の真相』
『果てしなき多元宇宙』を収録
Posted by ブクログ
「時をかける少女」
原田知世や尾道を思い出すのか、細田守のアニメか、NHKの学園ドラマか。
いずれにしても甘酸っぱいセピア色の風景が、心に広がる。
ラベンダーという植物を知り、北海道の美瑛に憧れ、「ラベンダーの香り」「ラベンダー色」に特別感を抱き、アイスクリームやアロマをありがたくいただく。
この小説以前と以降では、まるでタイムトラベルで別の世界に入り込んだみたい(ちょっと大袈裟)……。
今で言う“ヤングアダルト小説”ではあるが、描かれる現代と未来では、必ずしも未来が良いとは限らない。
人類の進歩がもたらし、失うものはなにか、ちょっと考えるのも良いかも。
Posted by ブクログ
表題作の『時をかける少女』の完成度はすごく高いと思っています。これが、60年代の作品なんかだとは思えない。まだまだ色あせない佳作です。
映画化やテレビドラマ化されてる有名な作品ですね。
原田知世さんが主演した映画は子どもの頃によくわからずテレビでみたと
思いますが、内容はよく覚えていない。主題歌は食玩のCDついてるやつで
当たったのを持ってる。
覚えてるのは、内田有紀さんが主演したドラマと、
こないだテレビで放送された、アニメ映画版のです。
アニメ版のはかなり現代風、かつ内容にも広がりを持ったふうにアレンジされていて
面白かった。
そう、それをみてこの小説を読もうと思ったんですよ。
で、驚いたのが、この小説は1960年代に書かれたものだったということ。
登場人物たちの会話なんかに時代を感じさせるものがあるけれど
(といっても、もしかすると、
その時代でも違和感を感じさせるものだったかもしれない)、
ストーリーには舌をまかされましたねぇ。
まったくもって、現代的。
この時代になってアニメ映画にもされるわって感じ。
文章や文字の使い方なんかは、この小説が中学生や高校生向きの雑誌に
連載されていたということもあってか、読みやすくなっています。
中学・高校の読書感想文なんかにいいかもしれないね。
とはいえ、SFだから、入選とか狙ってる人には向かないかもしれないけど。
やだなぁ、読書感想文、なんて、昔のおいらみたいな人には
ちゃっちゃっと読めていいかもしれないということ。
他、二編が収録されていますが、表題作の「時をかける少女」が秀逸でした。
ちょっと見劣りするね、他のは。
そんなわけで、気晴らしみたいな感じで読書したいなぁという人にはおすすめです。
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