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Posted by ブクログ
・AIがどうやって言語処理を行なっているか、そもそも人間はどうやって言葉を操っているか等について書かれた本だった。
・言語処理に使われている機械学習と深層学習について一番初歩的な理解はすることができた。
機械は人間とは全く異なる方法によって翻訳、要約、対話等を行なっていて、人間にもその過程は分からない。なぜならニューラルネットワークという無数のパラメーターを持つ関数をAIが作り出しているから。
・言語AIが人間にとってブラックボックスになる以上、その使い方には細心の注意を払う必要がある。また、AIが出した結果が正しいかどうかの判断は人間が行う必要がある。
・現在の言語AIがWebサイト等にある言語のみを入力データとして使っているならば、人間は言語以外の五感などからも情報を受け取っているのだから、まだまだAIと人間が同じような言語処理が出来るようになるには時間がかかるだろうと思った。
Posted by ブクログ
AIが「言葉を理解する」ということの意味を、平易な言葉で説明している。最終的には人が言葉を理解するとはどういうことなのか、言葉の意味とは何か、という問題に行きつく。人が言葉を判断する時は、辞書にある意味だけでなく、常識や文脈、状況やその言葉を発している相手が属している文化などを全体として理解しているから、言葉の単独の意味が分かることだけでは人間と同様の理解にはならない。
AIの中身がブラックボックスである以上、その性能は「振る舞い」で評価するしかない、と著者。チューリングテストと同じだ。受け手が「人間だ」と感じる程の振る舞いをすること。中身を「理解しているか」とは別問題だ。でもそれは人間同士にも言えることだ。言葉を尽くしているつもりでも、理解してもらえないということがあるわけだから。そう考えると、なかなか話が通じない、空気を読めないなどと言われる場合の”人間世界”のコミュニケーションは、AI程度、と形容できそうな気もしてちょっと面白い。
Posted by ブクログ
人間と自然な言葉のやりとりができるAIが登場していますが、「果たしてAIは言葉の意味を理解しているのかどうか?」という疑問について深掘りした1冊です。
現在のAIは「こういう単語や語句の後には、このような語句が続くことが多い」といったように統計的に解析して言葉を発しているようです。これを「言葉の意味を理解している」と言って良いかどうか、微妙な問題です。
その辺りの議論を正確に進めるために、本書は「言葉の意味とはどういうことか」という点、「人が言葉の意味を理解するとはどういうことか」などAIの議論をする前に一歩下がって、まずは「人間が言葉をどう理解しているのか」という点について言語学者の著者が分かりやすく述べています。
「意味→単語や文そのものが表す内容」、「意図→話し手が聞き手に伝えたい内容」といった定義づけや、子供の言語習得に際して文法などの知識をいかに習得していくのか、といった言語学の興味深いトピックスも登場しています。
私たちが日常会話でスムーズにコミュニケーションができている背景には、言葉の意味だけではなく文化や常識といった広い共通認識がベースになっていて(例えばある文脈で”あがる”という動詞について、「上昇する」のか「緊張する」のかどちらの意味か)、無意識のうちに瞬時に様々な情報を取捨選択したり推測したりしながら(”水を下さい”と言われた時、飲み水なのか、その量はどれぐらいか、熱いのか冷たいのか等)会話をしているという指摘は”なるほど”と思いました。そういう言葉の背景全てを処理できて初めて「言葉を理解できた」と言うのならば、”AIが言葉を理解する”というのはまだまだ先のように思います。
AIの性能が日々向上している今こそ、人間のこういった能力について改めて考えなおすのは非常に重要だと感じます。そのようなきっかけとして、大変分かりやすい文章で書かれている本書はおすすめの1冊と感じました。
Posted by ブクログ
外国語を勉強するのにchat GPTと会話練習ができるという話を聞くようになり(自分ではやりたいとは思いませんが)、『「人工知能と話す」以前の言語学』という副題に興味を持ちました。
ただ、川添さんの本では私は「物語形式」のほうが面白く読めるので、「物語だと読めない」という意見をもとに書かれたというこの本は苦手な方。特に第一章はちんぷんかんぷん。
第二章と第三章も、新鮮味はありませんでしたが、第四章の「コミュニケーションを可能にするもの」が一番私の興味に合うものでした。
「言葉を扱うAIを開発する上でも、『人間と適切にコミュニケーションを取れるようにすること』が大きな目的となっています。」
今は、外国人に日本語を教える上で、「『日本人とコミュニケーションを取れるようにすること』が大きな目的となっている」ので、語学を教える仕事をしている人、外国人とコミュニケーションを取らなければならない、うまく取れない、と思っている人は読んでみるといいと思います。
「私たち人間は『言葉そのものについての知識』だけでなく、多様な知識を考慮に入れながら他者とコミュニケーションを取っています。つまりコミュニケーションがうまくいくためには、言語以外の情報も適切に扱えなければなりません。」
言葉の理解には、歴史的文化的背景の知識も必要だと思います。
また、コミュニーケーションとは意味の理解だけでなく、意図の理解が必要、とのことで
「言われたとおりに行動することの難しさの一つは、『言葉に表れていること以外にもさまざまなことを考慮しなければ、言われたことを適切に実行できない』という点にあります。」
これは、他人だけでなく、家族間でも起こりうることだと思います。
今までの川添さんの本に書かれていたことをまとめたようなものだったので、他の本を読んでいない人に特におすすめ。
Posted by ブクログ
今現在の技術で実装されている「機械の言葉」は「ヒトの言葉」とは全く違ったものであるということが分かりやすく説明されている。
「第五章 機械の言葉とどう向き合うか」で書かれているように、現時点において「機械が言葉を理解している」という表現が指すのは「①機械が私たち人間と完全に同じ仕方で言葉を理解している。」ではなく、「②機械による言葉の扱いが、実用的な面から見て十分に信頼できる。」ということであるということを、AIの研究成果やニュースを見る時には常に心に留めておくべきだと思う。
AI関連の本を読めば読むほど、本当の意味で人間の言葉を完全に理解し、仕事をこなす汎用AIの誕生はかなり先のことになるのだろうと思う。
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