福永武彦の作品一覧
「福永武彦」の「古事記物語」「現代語訳 日本書紀」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「福永武彦」の「古事記物語」「現代語訳 日本書紀」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
輪廻から脱線したおっさん
一言で言えば、暗い作品。まず何より主人公が暗い。この作品は家族4人の独白談を集めた構成になっており、最初と最後の章を語る男、つまりお父さんが主人公だと読めるのだが、お父さんの性格があまりに暗いために、作品全体がどうしようもなく暗い。
お父さんは、子供が間引きされていた東北の田舎の家で生き残り、東京の家に養子に出されて成人した。若い頃には、恋仲になって妊娠させた看護婦を自殺に追いやってしまい、妻との間に最初にできた子は生後間も死んでしまい、五十半ばの現在になって、堕胎したばかりの女を行きがかりで世話するようになってしまう。いつも意識を過去と交差させているから、自分で
Posted by ブクログ
「私」が療養所で出会った青年、汐見茂思の死、死後「私」に遺された2冊のノートに記された手記を中心に展開される小説である。
読者はまず最初の数ページのうちに、濃縮され練り上げられた死生観に触れることになる。文字がぎっしりと並び、読み飛ばすことも容易ではない。特にハードルが高いと言うほどでもないが、一般的に読みやすいとは言い難いだろう。しかしその文字の薮の中をかき分けることにさえ慣れてしまえば、これほど貴重な小説もない。中盤になって一度穏やかになると見えた流れは終盤で再び勢いを盛り返してくる。作中それほどショッキングと言うべき事柄を扱うわけではないにも関わらず、読後感は凄絶の一言に尽きる。
一貫し
Posted by ブクログ
サナトリウム。
私が生まれた時にはもうなかった施設だから、何かの作品を通して知ったのだろうけれど、それが何だったかは思い出せない。
結核、消毒の匂い、死、孤独、別れ、見送る者と見送られる者。
避けたいものばかりのはずなのに、心の奥底に憧れの気持ちがあるのは何故だろう。
孤独と愛。
孤独への愛。
人は結局孤独なのだから、愛は全て独りよがりのもので。
それなのに人は人と繋がりたいと思ってしまうし、愛について深く考え込み、何がしかの他者への行動の理由に愛を据えてしまう。
人のもつ矛盾は全てここから来ているのではないかと思う。
この小説を読みながら、ずっとBUCK-TICKの櫻井さんのことを思っ