【感想・ネタバレ】P+D BOOKS 廃市のレビュー

あらすじ

退廃的な田舎町で過ごした“青年のひと夏”。

誇り高い姉と、快活な妹――いま、この2人の女性の前に横たわっているのは、一人の青年の棺だった。

美しい姉妹に愛されていながら、彼はなぜこの世を去らねばならなかったのか? 卒業論文を書くために「廃墟のような寂しさのある、ひっそりした田舎の町」にやってきた大学生の「僕」は、地所の夫婦、妻の妹の三角関係に巻き込まれる。

古き日本の風情を残しながらも、どこか享楽的な田舎町での青年のひと夏の経験から、人の心をよぎる孤独と悔恨の影を清冽な筆致で描いた表題作「廃市」は、後に大林宣彦監督によって映画化された。ほかに「飛ぶ男」「樹」「風花」「退屈な少年」「沼」の全6編を併録。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

〈それでもいい。彼は人を愛し、人に愛された記憶を持ち、ただ自分ひとりの命をいとおしんで生きて行くだろう、――命のある限りは。風花のようにはかなくても、人は自分の選んだ道を踏んで生きて行く他はないだろう。〉

 特に印象に残ったのが、詩的な味わいと美しい余韻が残る「風花」で、次に印象的だったのが、寂れた街での三角関係の顛末を描く「廃市」でした。どうにもならなくなってしまったものへの諦めにも似たような感情が、ドライな文章の中からただよってきて、とても愛おしくなる作品集でした。

0
2025年05月29日

Posted by ブクログ

最終的に心中を選ぶのはどうなんだろうと思いつつ、
目の前の現実を受け入れた秀には、確かに小さな幸せがあった気がする。
読んだ方、どう感じましたか?

0
2025年05月03日

Posted by ブクログ

福永武彦の短編6話
廃市と退屈な少年は読んでて面白かった
残りはワシの読解力の問題か話がよく分かりませんでした

0
2023年04月12日

「小説」ランキング