作品一覧

  • 全体主義の起原1 新版――反ユダヤ主義
    4.0
    1~3巻4,950~5,280円 (税込)
    〈反ユダヤ主義(たんなるユダヤ人憎悪ではなく)、帝国主義(たんなる征服ではなく)、全体主義(たんなる独裁ではなく)が――次から次へと、より残酷なかたちで――示したのは、人間の尊厳が、新しい政治原理、新しい地上の法においてのみ見出されうる新しい保証を必要とするということである。その有効性は今度こそは人類全体を包括する一方で、その力は厳密に限定され、新しく定義された領域的なものに根をおろし、それによって制御されなければならない〉20世紀の中心に生じた「伝統の崩壊」、すなわち強制収容所・絶滅収容所という「地獄」という現実の出来事を、どうすれば理解することができるのか。厖大な文献を読み込み、じっくり考え、理解しようとする営為から、本書は生まれた。国家や法という伝統、さらには人間の本質まで破壊した全体主義への道筋とシステムを描いた20世紀の記念碑的大著の新版を、最新の研究成果を反映し、より正確かつ読みやすくして、ここにおくる。〈理解とは、現実に予断をくだすことなく注意深く向き合い、それに負けないことなのだ〉
  • 新版 噓、秘密、沈黙。
    -
    1巻4,400円 (税込)
    創立65周年記念、アドリエンヌ・リッチ三部作待望の復刊! 教育、仕事、倫理――沈黙を強いられてきた女たちが自分の言葉を語るために。現代アメリカを代表する詩人/フェミニスト批評家の60-70年代論集 女とは何か。女として生きるとはどういうことか。一人の女として、母として、詩人としての自らの経験を深く堀りさげ、母性神話について、異性愛について、女の教育と仕事についてラディカルに問う。そして、男によってつくられてきた歴史や文化のなかで、女の生きかたを解放する視点を明らかにする。つねにフェミニズムの原点にたちもどりつつ、その最前線を歩んできた詩人の論考を紹介。 教えることに私が興味をひかれるのは、たまさかの天才の出現のためであるよりも、言語をもたなかった人びと、言語をもてないほどに利用され虐待されてきた人びとによる、全面的な言語の発見のためなのである。(本文より)
  • 新版 血、パン、詩。
    -
    1巻3,080円 (税込)
    女性を無力化する一つの政治的制度としての異性愛―― 女たちは何を強いられ、何を求めてきたのか。「すべての女」の連帯は、どのように可能か。 現代アメリカを代表する詩人/フェミニスト批評家、アドリエンヌ・リッチ論集三部作、待望の復刊&完結! 女は、女であることによってのみ抑圧されるのではない。 おどろくべき高まりとひろがりをみせた70年代アメリカのフェミニズム。 しかしそのなかでなお、黒人および少数民族の女性とレズビアンたちは、人種主義と異性愛制度のもとで沈黙を強いられてきた。 アイデンティティをつきつめ、「私」と「あなた」をへだてているものと両者が共有しているものをひとつひとつ吟味しながら、新たなフェミニズムへの道を探る。シャープでしなやかな思考に貫かれた79-85年論集。 「強制的異性愛とレズビアン存在」所載。 解説、イリナ・グリゴレ(『優しい地獄』、『みえないもの』著者) 「あなた、ユダヤ人でしょう?」 十八年間の同化訓練がたちどころに反射作用をひきおこして、私は首をふり、彼女を拒み、「いいえ」と言っていた。 ほんとうは何に対して「いいえ」と言っていたのだろう? (本文より)
  • くるみ割り人形とねずみの王さま/ブランビラ王女
    3.4
    1巻1,386円 (税込)
    クリスマス・イヴに贈られたくるみ割り人形。その導きで、マリーは不思議の国の扉を開ける……珠玉のメールヘン「くるみ割り人形とねずみの王さま」。役者ジーリオとお針子ジアチンタの恋を軸にして巻き起こる騒動。奔放な想像力が炸裂する「ブランビラ王女」。ホフマン円熟期の傑作2篇を収録。(解説・識名章喜)
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ
    3.9
    1巻1,034円 (税込)
    美しい金緑色の蛇に恋した大学生アンゼルムスは非現実の世界に足を踏み入れていくが……代表的メールヘン「黄金の壺」。17世紀のパリで、天才的な職人が手がけた宝石を所有する貴族たちがつぎつぎと襲われる事件。ようやく逮捕された犯人は意外な人物だった。推理小説の嚆矢ともいえる「マドモワゼル・ド・スキュデリ」。画家で音楽家でもある鬼才ホフマンの多面的な魅力が味わえる4篇を収録。
  • 砂男/クレスペル顧問官
    3.9
    1巻968円 (税込)
    サイコ・ホラーの元祖と呼ばれる、恐怖と戦慄に満ちた傑作「砂男」。芸術の圧倒的な力とそれゆえの悲劇を幻想的に綴った「クレスペル顧問官」。魔的な美女に魅入られ、鏡像を失う男を描く「大晦日の夜の冒険」。E・A・ポー、バルザック、ボードレール、ドストエフスキーなど後世の作家に幅広い影響を与えたホフマン。怪奇と幻想、そして諧謔に満ちた作品群は、200年の時を超え、いまなお読者を魅了してやまない。
  • モモ
    4.4
    1巻880円 (税込)
    時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子モモのふしぎな物語。人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に〈時間〉の真の意味を問う、エンデの名作。

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ユーザーレビュー

  • モモ

    Posted by ブクログ

    わたしたちは現代社会を生きていく上で遭遇する「時間泥棒」とどう対峙していくべきなのか。

    現代はいたるところに灰色の男たちがいて、隙あらば私たちの時間を狙っている。一寸先は致死的退屈症である…と、資本主義への恨みつらみを述べた後に「とかくに人の世は住みにくい。」などと結ぶニヒルな感想が浮かんだがこれではあんまりだ。

    別のアプローチを取ろう。それはそれとして、現代社会を生きるために大切なのは生活に彩りを加える姿勢やそれを見逃さない視線といったものなのではないか。

    すなわち、どうしようもない現代を嘆き悲しんだり、時間の開放に思考を巡らすよりも、むしろ人生における「時間の花」と言える瞬間を見落と

    0
    2025年11月28日
  • モモ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    灰色の男たちは現実にいて、知らぬ間に時間を奪われているとか、そんなことを想像した。時間、効率……技術発展の恩恵を受けて有り難く生活しているわけだが、技術の速さと人間の時間は比例せず、人間を機械は走り去っていく。
    忙しさは日に増して、ニノのレストランのような人たちで溢れかえる。
    そんな社会、都会の歯車の中に入れられている私たちに本当に必要なのは、モモのような存在。
    「モモのところに行ってごらん!」

    0
    2025年11月17日
  • モモ

    Posted by ブクログ

    時間は平等。
    なのに大人は時間が無いと言う。
    子供目線で今で言う学校や習い事が皮肉混じりで書かれている気がして、とても面白かった。
    時間は有限であり、Time is moneyを第1優先にした先に、家族の時間や人と人との繋がりを失ってしまうこともある。
    大切なものの為に今どう動くべきか1度立ち止まって考える大切さを教えてもらった気がします。

    0
    2025年11月14日
  • モモ

    Posted by ブクログ

    35歳にして初めて読み、衝撃を受けてしまった。面白すぎる。
    この世界観どうやって思いついたんだろ。

    文体は読み聞かせしてもらってるような不思議な感覚
    それでいて内容はハッとさせられるようなもので心に深く刺さる部分が多かった。

    自分は大人側になってしまっているのだろうかと怖くなった。
    この本の発行から50年くらい経ち、灰色の男たちによる世界はますます進んでいそうです。

    丁度最近読んだ『暇と退屈の倫理学』にも通じると思った。
    「暇な」時間を大切に生きたい。

    0
    2025年11月12日
  • モモ

    Posted by ブクログ

    当時まだ私が小学生の頃、分厚い単行本をこの本を初めて手に取った。初めは「こんなの読み切れるわけない」と思ったが、気づけば夢中になり、あっという間に読み終えていた。

    内容も当時の私が何を感じたかもすっかり忘れてしまったが、友人の勧めでまた読んでみようと思った。

    物語の大きなテーマは「時間の使い方」
    "時間泥棒"は、人々に時間の節約を迫り、余白をどんどん奪っていく。効率性や意義性に必要以上に囚われると、人は感情を失い、大切にしたかったものすら手放ていく。

    情報にあふれる現代は特に「正しそうなこと」が多く、またSNSの普及により「比較する相手」も増えたことにより、不安を駆り

    0
    2025年11月10日

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