作品一覧

  • ダック・コール

    ダック・コール

    小説・文芸

    4.0
    1巻814円 (税込)
    石に鳥の絵を描く不思議な男に河原で出会った青年は、微睡むうち鳥と男たちについての六つの夢を見る―。絶滅する鳥たち、少年のパチンコ名人と中年男の密猟の冒険、脱獄囚を追っての山中のマンハント、人と鳥と亀との漂流譚、デコイと少年の友情などを。ブラッドベリの『刺青の男』にヒントをえた、ハードボイルドと幻想が交差する異色作品集。“まれに見る美しさを持った小説”と絶賛された第四回山本周五郎賞受賞作。
  • 遺作集 花見川のハック

    遺作集 花見川のハック

    小説・文芸

    4.4
    1巻462円 (税込)
    俺はもうまもなく死ぬだろう…ガン宣告を受けてから覚悟の10年、残された日時に刻みつけるように小説を書いた作家・稲見一良。男らしいやさしさを追い求め、花見川の自然を呼吸し、ときに少年の憧憬さえ甦る。本作品集は、腹水がたまり、半身になりながら、虫の息で、原稿用紙に鉛筆をなでるように書いた遺作の数々である。死を目前にして、透徹したまなざしで、人生を見つめた珠玉の物語。人は、こうやって生き、こうやって死ぬ……。
  • 男は旗

    男は旗

    小説・文芸

    4.0
    1巻440円 (税込)
    大海原を制覇し、その優雅な姿は“七つの海の白い女王”と嘔われたシリウス号も今は海に浮かぶホテルとして第二の人生を送っていた。ところが折からの経営難で悪辣なギャングに買収されてしまう羽目に。しかし! シリウス号に集う心優しきアウトローどもが唯々諾々と従う筈はない。買収の当日、朝まだきの海を密かに船は出航した。謎の古地図に記された黄金の在り処を求めて……。
  • セント・メリーのリボン

    セント・メリーのリボン

    小説・文芸

    4.5
    1巻440円 (税込)
    都会暮らしからレイドバックして、大阪西北端の山林に暮らす竜門卓。彼の生業は行方不明になった猟犬を探すことだった。そんな彼のところへ失踪した盲導犬の行方を突き止める仕事が舞い込んだ。目の不自由な少女にとって唯一の心の支えだった犬だ……。感動的なラストシーンが用意された表題作ほか、「焚火」「花見川の要塞」「麦畑のミッション」「終着駅」の“男の贈りもの”をテーマにした5編を収録。
  • セント・メリーのリボン 新装版

    セント・メリーのリボン 新装版

    小説・文芸

    4.0
    1巻748円 (税込)
    失踪した猟犬探しを生業とする探偵・竜門卓の事務所に、盲導犬の行方を突き止めてほしいという仕事が舞い込んだ。依頼者は資産家の令嬢。相棒の猟犬ジョーとともに調査を進めるうちに、薄幸な、ひとりの目の不自由な少女のもとに行きつくが……。胸を打つラストシーンが待つ表題作を始め、限りなく優しく誇り高い男たちの人間模様を描き出す永遠の感動作!
  • ソー・ザップ!

    ソー・ザップ!

    小説・文芸

    3.5
    1巻539円 (税込)
    人を撃てる、こんな機会を誰が断るか――。「パブ・パピヨン」の広い店内で、自分の命に3000万円もの賞金をかけたレッドムーン・シバと名乗る謎の男。挑戦をうけたのは、素手の格闘では無敵の元レスラーのベアキル、手裏剣と小太刀の名人ハヤ、大型獣のハンターのブル、元警察官の金久木。そして――5人の男は、舞台として指定されたK山脈系の山野に分け入り、最も危険なゲーム“マンハント”をはじめる。
  • ダブルオー・バック

    ダブルオー・バック

    小説・文芸

    4.5
    1巻440円 (税込)
    シャクリと呼ばれるポンプ・アクション6連発銃、ウィンチェスター・M12。その銃を手にした男たちのそれぞれの生き方――自分の射撃スタイルに最後まで固執した選手、一人前の男として生きる姿勢を身をもって息子に教えた父、悪徳養豚業者と闘う陽気なマスター、スパイらしき男と闘争を余儀なくされた老人。銃が人を巡り、生みだされた四つの切ない物語。ハードボイルド連作短編。
  • 猟犬探偵 1 セント・メリーのリボン
    完結

    猟犬探偵

    少年・青年マンガ

    4.0
    全2巻814円 (税込)
    竜門卓は失踪した猟犬探しを生業とするアウトロー探偵。5年程前に、祖父の死によって膨大な山地を相続し、人里離れた山奥で相棒のジョーとともにつつましやかな生活を送っている。猟犬探しの謝礼は、自分が決めた額しか受け取らず探す犬の種類も限定するような、自分のポリシーを頑なに貫く、ひと筋縄ではいかない男。そんな竜門のもとに、その腕の良さを聞きつけ、また新たな仕事が舞い込んで来た……。
  • 猟犬探偵

    猟犬探偵

    小説・文芸

    3.9
    1巻550円 (税込)
    〈竜門猟犬探偵舎〉に奇妙な依頼が舞いこんだ。動物プロダクションから傷ついた一頭のトナカイとともに一人の少年が失踪、その行方を追ってほしいというものだった。竜門卓(たく)は相棒の猟犬ジョーを連れ、その臭跡を辿りながら有馬の山中へと分け入るが……(「トカチン、カラチン」)。心優しきアウトローたち。自らの信念に従い行動する男の美学。感動の連作短編集!

ユーザーレビュー

  • 遺作集 花見川のハック

    Posted by ブクログ

    これはとても良かったです!
    10の短編小説と、最後に詩のような1篇と、本人による「まえがき」と、当時の編集者による「あとがき」という、計13編すべてが良かったです。

    「遺作集」と書かれているとおり、亡くなる直前まで書いていた作品たちだそうです。
    病気だから…といった手抜き感や妥協は感じられません。
    1994年に書かれたという古さもあまり感じなかったです。

    元々がハードボイルド作家だそうなので、あちこちで銃を撃つシーンがあり、日本ではあり得ないなぁと思いつつ、全体的にドラマや映画を見ているような雰囲気に包まれました。
    子どもが出てくる作品が多めなので、「スタンド・バイ・ミー」とか「レオン」みたいな感じかな?(そこまでではないかも?)

    編集者による「あとがき」が素晴らしいので、それを先に読んでから本編を読んでも良いと思います。
    満点!

    0
    2025年12月07日
  • セント・メリーのリボン 新装版

    Posted by ブクログ

    クリスマスが迫ってくると、無性に読みたくなる「セントメリーのリボン」。
    これで四度目かと思います。
    いろんな面白い小説を今年も読んだけど、他では味わうことのできない読後感に再びページをめくりました。そして久々にウィスキーを買ってしまった。
    ハードボイルドな気分でロックで飲みたいと思います。

    0
    2024年12月11日
  • ダック・コール

    Posted by ブクログ

    信頼のおける読友さんからのおすすめされ読みました。読書スランプの中、時間をかけ読みました。自然と鳥、そしてそこに登場してくるいろいろな人物の思いや人生、モヤモヤしたものはなく、どれも一本筋が通っており、読んでいて心地よかったです。特に密猟者と少年が交流する『密猟志願』源三爺の美しい回想『波の枕』贋作鴨と口の聞けない少年の冒険『デコイとブンタ』にとても惹かれました。どの章もラスト一文に余韻があり、美しさが散りばめられていると感じました。作者の言葉選び、言葉遣いは物語の語り手として完璧です。素晴らしい。感謝。

    0
    2017年09月21日
  • ダブルオー・バック

    Posted by ブクログ

    ポンプ・アクション6連発銃、ウィンチェスターM12。通称“シャクリ”と呼ばれる一丁の銃が人から人へ渡る。その銃を手にした者たちの物語を綴った連作短編集。
    これが稲見氏の小説で一冊の本として纏められた実質上のデビュー作となる。

    その端緒となる第一話「オープン・シーズン」は腰だめで撃つ自分の射撃スタイルにこだわった男が落ちていくさまを描いた哀しい物語。これを筆頭に、収められた4つの物語は何がしか魂を震えさせるものを感じさせてくれる。

    「斧という字の中に父がいる、ということに今頃気づいた」
    という印象的な一文から始まる「斧」は離別し、山に篭って生活する父の許に息子が訪ね、大自然で生きていく術を教えていく、親子の交流を描いた作品。

    「アーリィタイムス・ドリーム」はうってかわって洒脱で軽妙な語り口で進むバーのマスターの物語。悪徳業者相手に無手勝流に立ち向かうマスターと彼を慕う若者たちを描いた好編。ハードボイルド調の語りが妄想混じりに挟まれるのが非常に面白い。

    最後「銃執るもののの掟」は北の工作員が出くわした老猟師の話。この老猟師の生きることに対する考え・構えは心が震えるものがある。

    どれも甲乙つけがたい短編集。軽妙さもありつつ、ストイックさも兼ね備えた、「男」による「男」のための短編集。硝煙の匂いが立ち昇ってくるかのようだ。
    ガンに侵されていた著者が生きた証を残そうと著した本作は、まさにこの作者が読みたかった作品を書いたのだという強い思いが行間から立ち上ってくる。

    これらの登場人物の考え、思い、譲れない領域などは全て作者自身の影が色濃く投影されている。
    デビュー作にして人生の酸いも甘いも経験してきた作者の人間としての懐の深さが窺える作品だ。

    これも絶版で手に入らない。全くもって勿体無い話だ。

    0
    2017年06月14日
  • ダック・コール

    Posted by ブクログ

    稲見一良という作家との出会いは『このミス』である。見慣れない作家が過去にもランクインしているのを見て興味を持ったのが最初。寡作家だったので当時その作品は比較的手に入りやすく、文庫化されていた作品は容易に手に入った。
    物語の構成は世俗に疲れて旅に出た若者が出会った男が紡ぐ物語という構成を取っている。その男は石に鳥の絵を描くのを趣味としており、それら石に纏わる、もしくは連想される話という趣向が取られている。

    「望遠」はCM会社に勤める男が撮影用の写真を撮るため、何日も寝ずに待っていたが、そこに稀少種の鳥がいるのを発見するという話。仕事を取るか、己が心底欲する物を取るか、惑う瞬間を描いた作品。

    「パッセンジャー」は危険と知りながらも敵対する村の近くへ狩りに行った男が目の当たりにする鳥の大量虐殺の話。

    「密漁志願」では癌を患って退職した男が狩猟中に出会った少年とのふれ合いを描き、「ホイッパーウィル」ではネイティヴ・アメリカンの脱走兵とそれを捕まえに行った男を描く。

    「波の枕」は老人が若かりし頃、難破した船から辛くも逃れて亀に捕まって漂っていた夢を、「デコイとブンタ」は狩猟用の木彫りの鴨の彫刻と少年の冒険譚といずれもメルヘンチックな話。

    これらに共通するのは自然の恩恵に対する敬意と慈しむ心だ。読書と銃と狩猟を趣味とした作者が人生の晩年に差し掛かって残そうとした自然に対する思いが優しく、また時に厳しい警告を伴って心に染み渡っていく。
    泥臭ささえも感じさせる男の矜持、不器用さ、腕白少年のカッコよさ、自分の主義を愚直なまでに死守する姿勢など、忘れかけていた人間として大切なものを思い出させてくれる。

    便利さが横行した現在ではもはやここに書かれている内容はもう既に一昔前の話、老人の昔語り程度ぐらいにしか感じてくれないかもしれない。でも十人のうち一人でもこの稲見一良という作家が残したかった物を感じ取ってもらえればそれで本望ではないだろうか。
    私はこの作品を手に取るまでにはずい分と時間が掛かった。ずっと積上げたまま、読むその日が来るのを待っていた。その待っている最中に作者の人となりを知る機会があった。彼自身が癌に侵され、闘病生活の末に生き長らえた事。しかしまだ病巣は残っており、いつ再発してもおかしくない事。そんな背景から彼が高齢になって作家に転身した思いが作品に乗り移っていることを知った。

    そしてこの作品に出てくる人物は作者の分身だ。稲見氏の生き様さえも見え隠れして、それまでの歩みを、またはこれからしたいであろう事が語られている。一人の人間として尊敬の念を自然と抱かせてくれる、そんな作品だ。
    男ならば是非とも読んでほしい珠玉の短編集。私は永遠にこの本を手元に置いて決して離さずにいようと思う。

    0
    2017年06月12日

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