作品一覧

  • がんを抱えて、自分らしく生きたい がんと共に生きた人が緩和ケア医に伝えた10の言葉
    4.5
    医師は患者が知らない世界を知っていて、患者は医師が見えない世界が見えている。絶望の中で生きることを一緒に考えてくれたのは、緩和ケアの医療者だった。――写真家・幡野広志推薦 この本は、がんという病を抱えてどう生きていくのかについて考える本だ。しかし著者は、がんを抱えて、自分らしく生きたいと願うなら、医師に頼るべきではないと言う。何が、あなたの生きる力を高め、そして逆に奪っていくのか――。本書に散らばった、たくさんの言葉とその背景にある物語が、そのことを明らかにしていく。抗がん剤の専門家、そして緩和ケアの専門家として、年間4000件の生と死を見つめてきた医師が試みる魂の伴走の物語。患者たちが医師に遺した「言葉」と「物語」から読み解く、がんを抱えて、自分らしく生きるための要諦がここにある。
  • それでも、安楽死の話をするのなら
    3.5
    1巻1,760円 (税込)
    <わたしは安らかな死を迎えられるだろうか> 臨床経験から導き出された15の論点から、「安楽死」「終末期医療」「緩和ケア」について問い直す。 「日本人は生きる/死ぬをどう考えるべきなのか」という社会的な問題である安楽死制度をわかりやすく、かつ、徹底的に考える。 もし、未来に安楽死制度を作るならば、考えなければならないこととは――。 安楽死制度に対する反対派も賛成派も、どちらもが納得できる議論はどのように可能か。制度の設立・実施に慎重な立場を取る現役の緩和ケア医が、臨床経験と詳細な分析により、錯綜する問題の論点を整理し誰にでもわかりやすく解説する。 いずれは死を迎える、すべての人へ。 【目次】 はじめに:苦しみのすべてをゼロにできるのか 1:「死を選ぶ生き方」は正しい生き方か? 2:安楽死制度を求めていくために必要な3つの要素 3:安楽死と余命の関係 4:安楽死を行うのは誰か 5:個人的信条を安楽死制度の議論に持ち込まない 6:逆算で考える 7:子どもの安楽死は認められるか 8:緩和的鎮静は安楽死の代替となり得るか 9:間接的安楽死と終末期の鎮静 10:人生会議をすれば患者の尊厳は守られるのか 11:認知症と安楽死 12:すべり坂は止められるのか 13:それは実質安楽死の容認なのでは 14:分母を増やすのは無駄にならない 15:安楽死報道のあり方
  • だから、もう眠らせてほしい
    4.0
    オンライン投稿サイト「note」にて、20万PV突破!!! 注目のノンフィクション・ノベル! 僕は医師として、安楽死を世界から無くしたいと思っていた。 安楽死を願った二人の若き患者と過ごし、そして別れたある夏に 何が起こったか――。オランダ、ベルギーを筆頭に世界中で議論 が巻き上がっている「安楽死制度」。その実態とは。 緩和ケア医が全身で患者と向き合い、懸命に言葉を交し合った 「生命(いのち)」の記録。 オランダでは年間七〇〇〇人が安楽死を迎え、日本の世論でも 国民の七割が賛成を表する「安楽死制度」。 スイスに行く手続きを進めながら、それが叶わないなら緩和ケア病棟で 薬を使って眠りたいと望んだ三〇代の女性。そして看護師になることを夢 に、子供たちとの関わりの中で静かに死に向かっていった二〇代の男性。 二人と過ごした日々を通して見えてきたものとは。 写真家で多発性骨髄腫をかかえる幡野広志氏、 世界中の安楽死の事例を取材して紹介した宮下洋一氏、 そして精神科医の松本俊彦氏と、 在宅で緩和ケアを行っている新城拓也氏との対談も収録。 【目次】 プロローグ ・吉田ユカからの電話 1:止まってしまった心――吉田ユカの場合 2:もう一人の安楽死――Yくんの場合 3:暮らしの保健室 ・看護という力 ・死の色と雨 4:スイスに行けない 5:安楽死に対峙する、緩和ケアへの信頼と不信――幡野広志と会う ・幡野広志と吉田ユカ ・緩和ケアを信頼できない理由 ・耐え難い苦痛とは何か 6:安楽死の議論はやめたほうがいい――宮下洋一に会う ・パンクするスイスの現場 ・流れ作業化する安楽死 ・海外の安楽死システムは完全か 7:命ではなく、希望を守りたい ・Yくんの右腕 8:安心して死にたいと言える社会――松本俊彦に会う ・安楽死をしたい人に、安楽死で応えるべきなのか 9:もし未来がわかったなら 10:少し先の未来がつなぐもの ・緩和ケア病棟にて 11:欲望を換金する――新城拓也に会う ・二極化する中での個人責任論 ・鎮静についての考え方と予防的鎮静 ・ノックされたら開けてしまう 12:一〇日間の涙 ・月曜日の憂鬱 ・カンファレンスにて ・ラインを引く ・一〇日間 エピローグ ・釧路の海に
  • がんになった人のそばで、わたしたちにできること
    5.0
    1巻1,980円 (税込)
    がんを患い死に向かう人に、支援者はどうかかわるのか──。気鋭の緩和ケア医が伝える、本人らしい「幸せな生」の支え方。「がんになるとはどういうことか」「がんによる『痛み』とは」「『もう死なせて』と言われたとき」等、知識から心構えまで講義形式でやさしく解説した。 ※本電子書籍は同名出版物(紙版)を底本として作成しました。記載内容は、印刷出版当時のものです。 ※紙版とは異なる表記・表現の場合があります。また、電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。
  • Dr.西&Dr.宮森の高齢者診療はエビデンスだけじゃいかんのです
    -
    1巻4,400円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 高齢者を遊びのない世界に閉じ込める医療ではなく、一緒に「生きる」を楽しむべきではないか。そんな思いを実践した、高齢者診療や緩和ケアの取り組み方を紹介します。 川崎市立井田病院の診療システムは、腫瘍内科・緩和ケア・在宅部門を、ひとつの科(ケアセンター科)で担当します。患者や家族には、「抗癌剤を始めてから最期の時まで、私たちがあなたと最期まで一緒にいますよ」と言える仕組みを作っています。  高齢者診療を楽しみながら行う宮森氏の経験に基く言葉や技術を中心に、この考えを支えるエビデンスを綴ります。

ユーザーレビュー

  • それでも、安楽死の話をするのなら

    Posted by ブクログ

    自分の中では明確になっている安楽死制度。
    定期的に知識のアップデートをと思い手に取りました。

    内容については、筆者の言わんとする事は理解できますが、筆者自身が「個人レベルから社会レベルへの議論を」と言いながら、やはり個人レベルの問題に収斂されるのが気にはなります。

    私自身は、法制度化に反対。理由を列挙する。(ただし、安楽死自体否定するのではなく、何らかの形でこれを可能とするスキームには期待したい。)

    ・安楽死を望む患者本人が、空気に流され安楽死を選択してしまう可能性が排除できないこと。
    ・患者本人が、わざわざ生か死の選択の余地を与えられてしまうこと。
    ・法制度を悪用する犯罪が発生す

    0
    2025年08月23日
  • だから、もう眠らせてほしい

    Posted by ブクログ

    読書記録76.
    #だからもう眠らせてほしい
    緩和ケア内科医である医師のノンフィクション作品
    (個人情報的観点からの仮名などは含む)

    安楽死と尊厳死
    知ってるようで理解していないその違い
    緩和ケア
    生きる事、生かされる事
    持続的な深い鎮静という初めて聞く処置

    痛み、苦痛の程度は誰が決めるのか?
    心の痛み、肉体の痛み苦しみの基準
    その本人にしかはかれないものを汲み取る医師の苦悩

    安楽死という選択についての意見が医師、当事者である患者だけでなく様々な立場の人が語るところに見方の違いを知る事ができ、重いテーマでありながら偏りのない主張に読む力をもらえた

    0
    2024年11月01日
  • だから、もう眠らせてほしい

    Posted by ブクログ

    末期患者のQOLをなるべく良いものにしようとする“緩和ケア”の専門医による著書。ある2人の癌患者との出会い(と別れ)を軸に、緩和ケアの在り方、安楽死制度の是非についての考え方が書かれている。
    タイトルは、病気の耐え難い苦痛に襲われた患者が、鎮静剤による醒めない眠り=緩やかな安楽死を求めて発した言葉。

    少し前に『“最悪”の医療の歴史』という本を読んだ時に、過去の医学が現代から見て如何に的外れだったかに驚くと同時に、「現代医学も未来から見ればまた未熟に映るのかもしれない」という感想を抱いた。
    ガンや感染症、難病等の治療についてもそうだが、医学以外の領域も絡んだりして、現代では判断がグレーだったり

    0
    2024年10月20日
  • がんになった人のそばで、わたしたちにできること

    Posted by ブクログ

    緩和ケアについて10回の講義録で、分かりやすく読みやすいです。特にACP (Advance Care Planning人生会議)については漠然とした知識しかありませんでしたが、人生を振り返り、最期をどう過ごすかを医療や家族と話し合うプロセスと知りました。胃瘻をどうするか、最期をどこで過ごすかと最終決定ばかりに目が向きがちでしたが、お互いの丁寧なコミュニケーションが大切とあり、話し合いの結果が変わっても良いこと、終末について話し合える関係作りが大切と改めて考えさせられました。終末期に関わる場合に手元に置いて時折開きたくなる本です。

    0
    2024年02月18日
  • だから、もう眠らせてほしい

    Posted by ブクログ

    「生への同調圧力」に対する抵抗のため安楽死を肯定する立場と「死への同調圧力」に対する危惧のため安楽死を否定する立場があるとして、その両方を包括できるようなしくみを作ることは果たして可能なのだろうか…と感じました。

    0
    2021年05月08日

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