沼上幹の作品一覧
「沼上幹」の「わかりやすいマーケティング戦略(第3版)」「経営者の〈付加価値〉―理論構築者としてのトップ・マネジメント」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
経営者の付加価値は何か?という経営学の根源的な問いを、GEのウェルチ、日立などを事例に取り上げながら、考察した骨太な一冊。難解ですが、読む価値があります。
【メモ】
・多角化企業の経営者がファイナンスの知識のみで仕事を遂行するなら、資本市場との対話は可能だとしても、その経営者の付加価値がどこにあるのかわからない。資本市場側から要求されていることが何であるのかを理解した上で、それとは別に経営者としての独特の工夫を行って独自の貢献を生み出していなければ、経営者の付加価値は主張できないはずである。
・同じ現場情報を得ても、異なる景色を見ていて、異なる答えを出せる、という点に経営者の付加価値があり、そのような独自の思考を展開していなければ付加価値があるとはいえない、と考えることができるのではないだろうか。
・多角化企業の経営者は、事業部長と頻繁に対話を重ねながら、事業部長とは異なる視点から深い深度の戦略マップを独自に構築していくことができれば、事業部長や単一事業企業の経営者や外部の投資家とは異なる役割を果たしていくことになり、独自の付加価値を主張できると考えられる。
→複数の事業部が共通に活用しているコア・コンピタンスに関する洞察は多角化企業のトップ・マネジメントが行うべき機能であろう。
・事業の生成と閉鎖という新陳代謝のプロセスを創始し、自ら戦略実行管理のための因果理論を構築し続けることが経営者の付加価値を主張する上で不可欠なのである。
・コア・コンピタンスを考え、そこから事業ポートフォリオを創造するところに、多角化企業の経営者の独自の付加価値を主張できるのである。
Posted by ブクログ
組織の基礎から噛み砕いて説明してくれるのには価値がある。全体として易しく筋道が立っている印象。ちょっと乱雑にも思うが、雑誌連載をまとめたものとのことで納得した。
面白かったのは、組織を作るメリット、官僚性が基礎であること、官僚性の中での人材育成は構造的に無理があり相当の努力を必要とすること(ジョブ型雇用であれば矛盾しないが、おそらくジョブ型雇用に現場→ミドル→トップという人材育成の概念はない)、フリーライダーや虎の威を借る狐の話などなど。
我々のような下々の者は構造に従い最適解で動くから、組織の腐敗を正せるのは「トップ・ダウンによる乱暴な現状破壊しかない」とのこと。わかる。せめてトップの時間が資源を投入するべきボトルネックであると認識して、それをサポートできるように雑務を引き受けなければならない。
Posted by ブクログ
市場・マーケットにどう適合していくか、という観点での組織戦略本は沢山あるが、「組織内部」の問題にフォーカスした本は少なく、後者を論じたのが本書。
組織で働いていると、厄介者やフリーライダー、野党的な人材の他、時代に即しないルールや内向きな議論などが蔓延ってくる。
そのような組織を腐らせる「悪害」とどう対峙し、組織の健全性を保ちながら戦略を立て運営していくか、という点に焦点を当てている本である。
組織が腐っていくプロセスをこれまで上手く言語化しながら解明して解決策を明示できるのは凄いの一言。
この本が最も伝えたいのは以下だと捉えた。
「安全な場所から非難するだけの野党になるな。自分からリスクをとって悪害を壊す改革者になれ」ということである。