八重野統摩の作品一覧
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
小学生の佐倉ハルと
転校生の鳴沢イリスの心が近づくたびに
嬉しくなりました。
ハルくんは本当は宇宙飛行士になりたかった。
しかし現在の規定では
構音障害者は宇宙飛行士にはなれない。
理不尽な理由で夢が閉ざされた時の
絶望の深さを知っているハルくん。
「努力をすれば、夢は叶う」
それはハルくんにとってまやかしにすぎない。
生まれながらにして
宇宙飛行士にはなれないのだから。
人類初の宇宙飛行を成功させたガガーリンは
「地球は青かった」
そして
「神は見当たらなかった」と言った。
だからハルくんは自分の目で
ガガーリンの言葉が真実であったと
確かめたかった。
神様はいないのだと。
「神様がいないのならば
神様が与えたこの障害もきっと
宇宙への想いを阻むものではないのだ」
そう信じることができるから。
ガガーリンの言葉を確かめるために
ハルくんは風船ロケットを作る。
風船ロケット3号の「グッドラック」は
空高く舞い上がり
地球が丸いこと と
静寂に包まれた神秘的で美しい
確かな宇宙を見せてくれた。
それはハルくんに多くのことを教えた。
ガガーリンの言葉は真実だったこと。
「青い地球のどこにも
悲しみを与えるばかりだった神様が
そこにいない」ことを確かめることができた。
「宇宙飛行士になれないから
エンジニアになるんじゃない。
神様の存在を否定したいために
ロケットを飛ばしたいのではなかったのだ」
とも気づくことができた。
この風船ロケット3号が見せてくれた景色は
ハルくんとイリスの心に
いつまでも生き続ける 未来への約束。
「ハルくんの作るロケットに イリスが乗る」
そんな輝かしい未来へと繋がっていると
私は信じたい。
読みながら温かな気持ちに包まれました。