菊池寛の作品一覧
「菊池寛」の「半自叙伝」「姉川合戦」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「菊池寛」の「半自叙伝」「姉川合戦」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
役になりきる
名優と言われる役者は役に没入するために体型 容貌 言動 そのすべてを役にあわせる と言われるが、作者菊池寛は、その典型例 極端な例を描きこんでいる。作品の最後の部分、女の死を振り切って舞台へ向かう主人公の振る舞いが役者としての「業」を象徴していて大変に印象深い。
祭り上げ
福祉制度が整い心身障害者が比較的まともに生活できるようになったのは、ごく最近のことである。それまでは家族の重い負担になっていたはずである。この物語のような話もきっとあっただろうと、リアル感を持って描きだされている。民衆の間で「義民」と英雄扱いされた人々の中にも、このような例があったのではないかと想像される。
なんとも残念
幕末の最後の動乱期の悲しい話である。生死のあわいに立った人間の判断の困難さ 是非を比較的抑えたタッチで、しかしくっきりと描き出している。残念な結果になったことが、更に読者にとって印象深くしている。きっとフィクションなのであろうが、リアル感に満ちている。題名がイマイチな気がする。
些細なことが
有名な吉田松陰の密航失敗事件を取り上げている。菊池寛の歴史モノには、定説通りのものと斬新な視点から描いたものの二種類があるが、この作品は後者の好例である。もしこの時、密航が成功していたら、松下村塾は開かれず、維新の英雄たちも随分と違ってきただろう と歴史ifを想像して面白い。