作品一覧

  • 百人一句 俳句とは何か
    3.0
    1巻770円 (税込)
    『小倉百人一首』は、万葉時代から新古今時代まで五百年余に作られた和歌から精選された名歌集だが、そののち、古代から当代までを通覧してのアンソロジーは普及しなかった。そのことはわが国の詩歌の中心が短歌から連歌、俳諧へと移っていったことと無縁ではない。本書は『古事記』から現代俳句まで、旋頭歌の片歌や連歌・俳諧の発句を含めた五七五の名作を通時代的に選んで、日本人の美意識の本質と変遷を探ろうとするものである。
  • 百人一首 恋する宮廷
    3.8
    1巻814円 (税込)
    鎌倉時代初期、藤原定家によって編まれた「百人一首」は、カルタとしての普及もあって、私たちが最も親しんでいる和歌のアンソロジーである。時代ごとにさまざまな読まれ方を許容する奥深い世界は、現代においてもまた、今日ならではの社会環境や情報の上に立った読みを可能にするはずである。本書は、現代詩の第一人者が、海外の詩歌にも思いを馳せながら、百首について、豊かな読みの可能性を示すものである。
  • 歳時記百話 季を生きる
    -
    1巻858円 (税込)
    歳時記は俳句を詠む人だけのものではない。季節を知り、人生を生き抜くため、私たちが祖先から受け継いできた知恵が詰まっている。すべての日本人の心情と生活の原点なのだ。本書では四季を彩る花々を中心に、雲雀などの鳥、薫風などの気象、涅槃会や酉の市など年中行事、そして芭蕉忌に至るまで、一年の折々にあらわれる豊富な事物を、古今東西の句歌詩文を通して味わう。巻末に俳人・宇多喜代子氏との対談を収録。
  • 漢詩百首 日本語を豊かに
    3.8
    1巻858円 (税込)
    返り点と送り仮名の発明によって、日本人は、ほんらい外国の詩である漢詩を自らのものとした。その結果、それを鑑賞するにとどまらず、作詩にも通暁する人物が輩出した。本書は、中国人六〇人、日本人四〇人の、古代から現代に及ぶ代表的な漢詩を精選し、詩人独自の読みを附すとともに、詩句の由来や作者の経歴、時代背景などを紹介。外国文化を自家薬篭中のものとした、世界でも稀有な実例を、愉しみとともに通読する。
  • 万葉集の詩性 令和時代の心を読む
    4.0
    「万葉集とはなにか」「万葉集をどう読むか」――国文学はもとより、ロシア文学や中国古典文学、小説、詩歌、編集工学まで。各斯界の第一人者たちが、初心をもって万葉集へ向き合い、その魅力や謎、新時代への展望を提示する。新元号「令和」の典拠となった、日本最古の歌集を鑑賞するための格好の手引き。全編書き下ろしによる「令和」緊急企画。 「三つの詩性」  中西 進 「自伝的万葉の旅」  池内 紀 「詩情と形式、あるいは魂と建築  巻十五「遣新羅使詩篇」を例に」  池澤夏樹 「万葉集とわたし」  亀山郁夫 「山上憶良と中国の詩」   川合康三 「いや重く謎」   高橋睦郎 「ふらふら万葉習養記」  松岡正剛 「万葉集エキサイトメント」  リービ英雄
  • よむ、詠む、読む―古典と仲よく―
    -
    1巻1,408円 (税込)
    六条御息所はなぜ藤壺には祟らない? 伊勢物語の「むかし、をとこ有けり」の一句にこめられた意味は? 芭蕉の俳号・桃青に秘められた壮大な望みとは? 能は生の意味を死の側から照らすのに対して、歌舞伎や人形浄瑠璃は死を生の側から見つめるドラマだ。とっつきにくいという先入観は棚上げにして、古典と楽しく遊ぶエッセイ集。

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  • 日本の近代詩を読む
    -
    1巻1,881円 (税込)
    明治から昭和へ、近代日本社会と新しい日本語が成立する端境期に生まれた近代詩を、日本を代表する詩人・高橋睦郎が選詩・解説する。
  • 三島由紀夫との六十年
    -
    1巻2,178円 (税込)
    三島晩年の6年間身近にいた著者が問う三島由紀夫像。55年にわたり書き続けてきた三島論の集大成に最新論考を加えた増補決定版。

ユーザーレビュー

  • 漢詩百首 日本語を豊かに

    Posted by ブクログ

    読み下し文のルビの振り方が美しい。
    例えば『涙』を「なんだ」『汝』を「なれ」と読ませる。
    それぞれ「なみだ」「なんじ」と読んだのでは音の響きがまるで違う。
    漢詩とともに日本語の美しさも教えてくれる。

    ↓ いつか使ってみたい言葉
    ・玲瓏(もゆらか)
    ・残んの月
    ・花の如き人
    ・花をながむるの人
    ・自ら去り自ら来り(おのずからさりみずからきたり)

    0
    2010年02月16日
  • 漢詩百首 日本語を豊かに

    Posted by ブクログ

    漢詩百首
    日本語を豊かに
    中公新書 1891
    著:高橋 睦郎
    出版社:中央公論新社

    漢詩100首のうち、40首は、日本人の漢詩である

    論語の子罕編 から始まる。詩経が漢詩の出発点で、詩経を編集したのが、孔子とある。だから、論語の一節が紹介されている。そして、最後は、毛沢東。漢詩と政治というのは、関係が深いようだ。

    1詩人に1首という感じで、淡々と紹介が続いていく。自分としては、李白、杜甫の詩が複数あったらいいとは感じた。

    日本人の漢詩の中で、とりわけ、目立つのは、乃木静堂(希典)、漢詩とはほとばしる感情を表現するにふさわしい

     皇師百万 強虜を征す 野戦攻城 屍山を成す
       愧ず我

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    2025年04月15日
  • 万葉集の詩性 令和時代の心を読む

    Posted by ブクログ

    ネットでHeveneseのラストトークを見ていて、本書に言及があったので購入。令和の語源である万葉集をほとんど知らなかったので、とても興味深く読んだ。8人の著者の、改元をきっかけに書かれた万葉集に関するエッセイ集。

    鈴木大拙は「日本人の霊性」の中で万葉集を「稚拙」だとか「幼稚だ」とか、あまり良い評価をしていなかった。しかしながら本書から万葉集の他の歌集との違いがわかり、納得した。
    曰く、万葉集には中近東的な雰囲気がある、とか、万葉集は文字ではなく大和言葉の響きを口にうたうための歌集である、とかなどと言うように書かれていた。また万葉集には代作という表現があるとの事。これについては日本人が原作を

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    2023年02月28日
  • 百人一首 恋する宮廷

    Posted by ブクログ

    百人一首を詩人が独自の解釈で読み直す。静岡新聞の連載コラムが書籍化された異色の百人一首論。

    中学生の子供の正月の行事。百人一首を暗記して大会。映画「ちはやふる」のように、日本独自の風物詩として続く。子供の頃を思い出しつつ、本棚から積ん読本を取り出し少しづつ読み返してみた。

    本書は、教科書的な内容よりも自らも詩人である筆者の独自の解釈のよう。そもそも基礎知識の欠落した自分にはちょっと難しかった。上中級者向け。

    もっと勉強してから再挑戦したい。

    でもどちらかというと技巧をこらした宮廷の歌より万葉集のおおらかさのが性に合うようにも思える。

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    2020年03月28日
  • 万葉集の詩性 令和時代の心を読む

    Posted by ブクログ

    文学や編集に携わる8名の手による万葉集エッセイ集、といえばよいか。
    出だしから中西進氏による『旧約聖書』と『万葉集』のリンクが展開され、度肝を抜かれる。良き文学とはほかの文学と共鳴するものとはいうが、まさかそんなところと響き合うとは。しかも万葉集の第一人者の一人中西進氏からそんな。おみそれしました。
    川合康三氏の「山上憶良と中国の詩」、高橋睦郎氏の「いや重く謎」あたりは若干硬めの印象を受けるかもしれないが、基本的には一流の文化人たちによる平易な万葉集エッセイである。いや平易と言ったが完全に万葉集知りませーん何書いてあるんですかーな人には向かないかもしれない。ちょっとは齧った人向け。だが、ちょっ

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    2019年08月15日

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