あらすじ
返り点と送り仮名の発明によって、日本人は、ほんらい外国の詩である漢詩を自らのものとした。その結果、それを鑑賞するにとどまらず、作詩にも通暁する人物が輩出した。本書は、中国人六〇人、日本人四〇人の、古代から現代に及ぶ代表的な漢詩を精選し、詩人独自の読みを附すとともに、詩句の由来や作者の経歴、時代背景などを紹介。外国文化を自家薬篭中のものとした、世界でも稀有な実例を、愉しみとともに通読する。
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Posted by ブクログ
読み下し文のルビの振り方が美しい。
例えば『涙』を「なんだ」『汝』を「なれ」と読ませる。
それぞれ「なみだ」「なんじ」と読んだのでは音の響きがまるで違う。
漢詩とともに日本語の美しさも教えてくれる。
↓ いつか使ってみたい言葉
・玲瓏(もゆらか)
・残んの月
・花の如き人
・花をながむるの人
・自ら去り自ら来り(おのずからさりみずからきたり)
Posted by ブクログ
漢詩百首
日本語を豊かに
中公新書 1891
著:高橋 睦郎
出版社:中央公論新社
漢詩100首のうち、40首は、日本人の漢詩である
論語の子罕編 から始まる。詩経が漢詩の出発点で、詩経を編集したのが、孔子とある。だから、論語の一節が紹介されている。そして、最後は、毛沢東。漢詩と政治というのは、関係が深いようだ。
1詩人に1首という感じで、淡々と紹介が続いていく。自分としては、李白、杜甫の詩が複数あったらいいとは感じた。
日本人の漢詩の中で、とりわけ、目立つのは、乃木静堂(希典)、漢詩とはほとばしる感情を表現するにふさわしい
皇師百万 強虜を征す 野戦攻城 屍山を成す
愧ず我何の顔(かんばせ)もて 父老に看えん 凱歌今日 幾人か還る
目次
はじめに
漢詩百首
漢詩は、日本語の財産
漢詩への感謝
おわりに
ISBN:9784121018915
出版社:中央公論新社
判型:新書
ページ数:264ページ
定価:780円(本体)
2007年03月25日発行
Posted by ブクログ
『201201 詩歌強化月刊』
訳文のルビが斬新で日本語としても美しい。
ただし訳文にまた訳が必要。
個人的には白文を載せて欲しかったのと、作者のことより文法上の解説が読みたかった。