作品一覧

  • 能登早春紀行
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    1巻1,056円 (税込)
    私にとって能登は、やさしい土地だった――。二月の能登に降り立った作家が出逢ったのは、話したがりで優しい人々と、土地がもつ豊かな歴史。海女、漁師、賑わう朝市。不思議な伝承に彩られた集落の祭り。著者の旅路とともに能登半島に魅了される小さな旅行記。渡島半島から函館を巡る『津軽海峡を越えて』を併録。〈解説〉渡邊英理 【目次】 ○第一部 能登早春紀行 ・第一章 雪雷 能登・志雄町 ・第二章 潮しぶき 能登・羽咋市 ・第三章 風待港 外浦・富来町福浦 ・第四章 千浦の又次 外浦・富来町赤崎 ・第五章 栗ひろい 外浦・富来町富来 ・第六章 アワビ 奥能登・輪島市 ・第七章 民話 奥能登・珠洲市高屋 ・第八章 白い山 奥能登・珠洲市大谷 ・第九章 お山祭り 内浦・能都町 ・能登早春紀行 あとがき ○第二部 津軽海峡を越えて ・第一章 津軽海峡 ・第二章 旅は道連れ ・第三章 少年と姥神 ・第四章 函館旅情 ・津軽海峡を越えて あとがき   ○文庫解説 旅する言葉、海と女の思想圏 渡邊英理
  • 買春王国の女たち
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    「妻」と「娼婦」をめぐる、藩政末期から売春防止法の成立までの100年の歴史を、聞き書きの手法で明らかにした名著を復刊する。森崎女性史の集大成! 解説は上野千鶴子。
  • 新版 慶州は母の呼び声 ――わが原郷
    4.3
    1巻825円 (税込)
    人間の業を映す独自の作家活動を続けた森崎和江は、日本統治下の朝鮮に生まれた。大邱、慶州、金泉、現地で教師を務める父、温かな母と弟妹、そして「オモニ」たち――歴史的背景を理解せぬまま己を育む山河と町をただひたすら愛した日々に、やがて戦争の影がさす。人びとの傷と痛みを知らずにいた幼い自身を省みながら、忘れてはならぬ時代の記憶を切に綴る傑作自伝。
  • まっくら 女坑夫からの聞き書き
    -
    「女も男と同じごと仕事しよったですばい」「どんなことにでも堂々とむかってやる,こい」.筑豊の炭鉱で働いた女性たちの声を聞き取り,その生き様を記録した一九六一年のデビュー作.意志と誇りを失わず,真っ暗な地の底で過酷な採炭労働に従事した彼女たちの逞しさが,生き生きと描かれている.(解説=水溜真由美)

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  • からゆきさん 異国に売られた少女たち
    3.7
    戦前の日本で、貧しさゆえに外国の娼館に売られた少女たちがいた。国外に売られ、狂死したキミ。南方で財をなし、壮絶な自殺を遂げたヨシ。綿密な取材と膨大な資料をもとに、ふたりの からゆきさん の人生を綴った傑作ノンフィクションが復刊。

ユーザーレビュー

  • 新版 慶州は母の呼び声 ――わが原郷

    Posted by ブクログ

    「私たちの生活がそのまま侵略なのであった」
    植民二世からの立場で書かれた本を初めて読みました。読んで良かったです。「書こうと心にきめたのは、ただただ、鬼の子ともいうべき日本人の子らを、人の子ゆえに否定せず守ってくれたオモニへの、ことばにならぬ想いによります。」と書かれていて、胸が痛くなりました。そして弟さんの弁論「敗戦の得物」は1人でも多くの人に読んでもらいたいです。

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    2024年09月29日
  • 新版 慶州は母の呼び声 ――わが原郷

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この一年半ほど、
    「まっくら―女坑夫からの聞き書き―」1961、
    ラジオ「にっぽんの子守唄~出稼ぎの女たち(F面)」、
    ラジオドラマ「海鳴り」「いのちの木の方へ」「産湯の里」、
    現代詩文庫の「森崎和江詩集」、
    「からゆきさん」1976、
    とぼちぼち読んでいる。
    本書は1984。
    作者の著作は膨大なので全容を把握するのは難しそうだが、本書は作者にとっての根っこを描いているので、読んでよかった。
    まずは朝鮮植民二世としての、原罪意識。
    これだけなら辛さ一辺倒になりかねないが、さらに、生きて在ることのエロスを文章の端々から感じる。
    これは例えばこうの史代と片渕須直の「この世界の片隅に」や、おざわゆき

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    2024年01月13日
  • 新版 慶州は母の呼び声 ――わが原郷

    Posted by ブクログ

     著者のことはサークル村の主要人物の一人ということは知っていたが、その著作で読んだのは『からゆきさん』と『まっくら』の二冊。本書は、著者が自らの原郷とする生まれ育った朝鮮での17年間の生活を回想したもの。
     著者は、理想化肌の朝鮮学校の教師である父と、優しく慈しんでくれる母との間の長女であった。そして父の学校異動の関係で、慶尚北道の大邱、慶州そして金泉に住んだ。 

     幼き日の思い出から著者は朝鮮での生活を細部まできめ細かく描いていく。朝鮮人のアブジやオモニの姿も自らの見たままに生き生きと描かれる。こんなにも瑞々しく記憶にとどめ文章として表現できるというのは本当にすごい。

     愛情を注いでくれ

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    2023年11月27日
  • からゆきさん 異国に売られた少女たち

    Posted by ブクログ

    想像していた内容とは少し違っていた。
    けれどもからゆきさんとはどんな人達が何故からゆきさんになったのか。
    それの事に関する時代背景や国、その地域での暮しからからゆきさんを知る事が出来た。

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    2023年01月22日
  • からゆきさん 異国に売られた少女たち

    Posted by ブクログ

    明治時代、外国に売られていった女の子たち、その背景、女の子たちのその後。

    綾さんの養母のキミが精神の異常をきたしている様子が、胸に迫る。

    養子の綾さんに、このいんばいおなご!おまえのいんばいをようしっとるよ。ひとりの男も百人の男も同じこつ、と罵る。それは、おそらくキミさん自身の自己認識で、雇い主や客や故郷や社会からそう言われてきて、それが彼女の中に刷り込まれてしまったのだろうと想像できる。

    炭坑夫を描いた「まっくら」の女たちは、まずしくてももっと、なんというか、正常だった。本来の人間の強さを持っているように読めた。それは貧しくても人間の暮らしだったからたみろう。

    が、からゆきさんたちは

    1
    2022年07月18日

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