作品一覧

  • まっくら 女坑夫からの聞き書き

    まっくら 女坑夫からの聞き書き

    小説・文芸

    4.6
    1巻1,001円 (税込)
    「女も男と同じごと仕事しよったですばい」「どんなことにでも堂々とむかってやる,こい」.筑豊の炭鉱で働いた女性たちの声を聞き取り,その生き様を記録した一九六一年のデビュー作.意志と誇りを失わず,真っ暗な地の底で過酷な採炭労働に従事した彼女たちの逞しさが,生き生きと描かれている.(解説=水溜真由美)

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  • 新版 慶州は母の呼び声 ――わが原郷

    新版 慶州は母の呼び声 ――わが原郷

    小説・文芸

    4.3
    1巻858円 (税込)
    人間の業を映す独自の作家活動を続けた森崎和江は、日本統治下の朝鮮に生まれた。大邱、慶州、金泉、現地で教師を務める父、温かな母と弟妹、そして「オモニ」たち――歴史的背景を理解せぬまま己を育む山河と町をただひたすら愛した日々に、やがて戦争の影がさす。人びとの傷と痛みを知らずにいた幼い自身を省みながら、忘れてはならぬ時代の記憶を切に綴る傑作自伝。
  • からゆきさん 異国に売られた少女たち

    からゆきさん 異国に売られた少女たち

    小説・文芸

    3.9
    1巻825円 (税込)
    戦前の日本で、貧しさゆえに外国の娼館に売られた少女たちがいた。国外に売られ、狂死したキミ。南方で財をなし、壮絶な自殺を遂げたヨシ。綿密な取材と膨大な資料をもとに、ふたりの からゆきさん の人生を綴った傑作ノンフィクションが復刊。
  • 能登早春紀行

    能登早春紀行

    小説・文芸

    3.0
    1巻1,056円 (税込)
    私にとって能登は、やさしい土地だった――。二月の能登に降り立った作家が出逢ったのは、話したがりで優しい人々と、土地がもつ豊かな歴史。海女、漁師、賑わう朝市。不思議な伝承に彩られた集落の祭り。著者の旅路とともに能登半島に魅了される小さな旅行記。渡島半島から函館を巡る『津軽海峡を越えて』を併録。〈解説〉渡邊英理 【目次】 ○第一部 能登早春紀行 ・第一章 雪雷 能登・志雄町 ・第二章 潮しぶき 能登・羽咋市 ・第三章 風待港 外浦・富来町福浦 ・第四章 千浦の又次 外浦・富来町赤崎 ・第五章 栗ひろい 外浦・富来町富来 ・第六章 アワビ 奥能登・輪島市 ・第七章 民話 奥能登・珠洲市高屋 ・第八章 白い山 奥能登・珠洲市大谷 ・第九章 お山祭り 内浦・能都町 ・能登早春紀行 あとがき ○第二部 津軽海峡を越えて ・第一章 津軽海峡 ・第二章 旅は道連れ ・第三章 少年と姥神 ・第四章 函館旅情 ・津軽海峡を越えて あとがき   ○文庫解説 旅する言葉、海と女の思想圏 渡邊英理
  • 買春王国の女たち

    買春王国の女たち

    小説・文芸

    -
    1巻2,640円 (税込)
    「妻」と「娼婦」をめぐる、藩政末期から売春防止法の成立までの100年の歴史を、聞き書きの手法で明らかにした名著を復刊する。森崎女性史の集大成! 解説は上野千鶴子。

ユーザーレビュー

  • まっくら 女坑夫からの聞き書き

    Posted by ブクログ

    解説によると、底本の初版は1961年。
    筑豊の石炭鉱山で働いた女性からの聞き書き。方言を使って生き生きと語る様子が書かれる。苦労したんだろうが、当時は楽しかったと思い出を語っている。

    1920年代から女性労働者の環境改善という世界情勢から子供や女性の入坑禁止となった炭鉱で、男性に負けず働いた女性がいた。男とも対等に働いたという。
    かつては、大学卒業生の就職先第一志望先だった時代もあるという炭鉱だが、その最前線の現場で働いた女性坑夫(歴史から消えた女性労働者)の存在に焦点を当てる。

    鉱山の中という暗闇の中で働き、夜明け前から夜中まで働き続けて鉱山の外に出ても、まっくら。坑夫の仕事が終わっても、女性には炊事や子育てなどが待ち構える。そんな環境で女性が元気に働いていた時代があった。

    先山(さきやま),後山(あとやま)、スラ、セナなど、炭鉱作業の用語が出てくる。説明を忘れたら、解説文の初めのほうを読めば思い出せた。

    九州の方言で語る言葉も、関西弁で育った私にはほとんどが理解できた。

    宮本常一の「忘れられた日本人」を読んだ時のように、こんな日本もあったのか・・・と。

    0
    2026年09月14日
  • まっくら 女坑夫からの聞き書き

    Posted by ブクログ

    石牟礼道子さんが文体に影響を受けたと聞いてからずっと読みたいと思っていた1冊。上野英信の「追われゆく坑夫たち」と双璧をなす。女性の坑内の作業を禁止されてゆくことを進歩と考えていた自分の浅薄さを痛感した

    0
    2026年08月12日
  • まっくら 女坑夫からの聞き書き

    Posted by ブクログ

    漆黒の闇が支配する地下深く。
    ぴちょんぴちょん不気味に染み出す水滴を掻き消し、炭坑節が響き渡る。
    立って歩けぬ坑道で、日が昇らぬうちから月夜まで。重いカンテラを噛み締め、満載した函を押し続ける女坑夫たち。
    一日の食い扶持を稼ぐため、男と一緒になって働くしか選択肢はない。
    “女だから”賃金が劣り※職場により差、赤不浄をタブー視される。
    家事全般当たり前、子供が増える。
    死にたい、逃げたいと考える暇もない。
    家族を見捨てず自身をも見失わなかった数十名の魂の聞き書き。
    絶望の極北、筆者は私情を挟まない。ありのままありったけ。

    0
    2026年06月05日
  • からゆきさん 異国に売られた少女たち

    Posted by ブクログ

    『サンダカン八番娼館』の山崎豊子にも大きな影響を与えた本。作者が谷川雁などと一緒に活動していたのは知らなかった。それはさておき、何故、からゆきさんは天草、島原に多かったのか。その理由を歴史的背景から、土地の貧困さ、農村・漁村の貧しさという経済的側面、また鎖国時代に唯一海外に窓を開いていた長崎の近くという地理的理由など、なるほどと思わせる考察が沢山あった。また、国から捨てられたからゆきさんの海外での行動範囲には舌を巻いた。幕末の頃から多数の芸妓が勤王の志士を支援するしたが、明治になって大陸浪人が活動するようになったら、今度はからゆきさん達が支援していたなど知らない歴史もあった。

    しかしこの本の中での読みどころは様々なからゆきさんの人生。もちろん不幸なものがほとんどであるが、その限られた生を自信と誇りを持って生きた人たちの話に感動を受ける。特に島木ヨシの死に様には強い共感を持つと同時に自分には絶対無理だと。そのヨシの言葉で印象に残っているものを列記して終わりたい。

    「がんばらんば。あんたどま、がんばりが足らんばい。日本人ちゅうことを忘れちゃおらんな。あんたどま、なんとも思うとるまいが、いくら日本が強い国でも、外国にいる日本人が笑われるようなら、国はしまいにはなかごとなるばい。‥あんたどま、ひとりひとり生きた日の丸ばい。あんたどんが、じだらくすれば、日の丸をじだらくにしよるのと同じばい」。I am japanなどと大見え切ってる阿保に聞かせてやりたい。さらに「日本はアメリカには勝たんど。日本は三年も持ちきるもんじゃなかっど。えらか人はなんば考えとっとじゃろうか。日の丸のおかげで助かっとる者は外国にどがしこおらすとかわからんとに。ばかなこっばして。外国へ行ってみればわかっとに。こがんこまか国が世界の白眼ばうけて、なんのよかこっがあろうか。日の丸ば、よごして」

    身体一つで海外で働いたからゆきさんの目こそ正しかったのだ。

    0
    2026年04月08日
  • 新版 慶州は母の呼び声 ――わが原郷

    Posted by ブクログ

    とってもいい本だった。
    森崎和江自身の、自分を育んだ土地への心からの愛着と植民2世としてのどうしようもない後ろめたさがびしびしと伝わってきて、心が切なさと哀しさでいっぱいになる。韓国に行きたくなる。
    贖罪に貫かれているけど、少しも説教くさくはないところもすごい。ただ温かく、とても切ない。
    戦後80年であり、私にとっては仕事で思いがけず韓国と関わる機会を得たこの1年の、まさに締めくくりにふさわしい本だった。
    やっぱり人生って自分の生きる日常と本が連動している。こんなに面白く豊かなことはなく、静かに感動する。

    森崎和江の書く朝鮮半島はとても魅力的。
    静かで趣があって伸びやか。
    そういえば私は植民地時代の朝鮮半島のまちや人々の暮らしについてちゃんと読んだことがなかったかもしれない。
    「まちですれ違うオモニが頭をなでてくれた」とか、そんなことがあるんだと意外に思った。もっと人々はいがみ合って交わらず暮らしていたのかと思い込んでいた。
    軒先の道端で寝ているアボジの足先の間を縫って通学していたくだりとかも、意外だった。ちゃんと庶民の生活は存在し続けていたんだなと初めて知った。

    牧歌的な幼少期から、どんどん戦況は悪化していき、それに重なるように母も病床に伏し亡くなった。そんなふうに、時代と個人的な生活が重なっていることにも引き込まれた。
    なんと心細い思春期を過ごしたんだろう。
    母を失ったために、父母の会話に耳をそばだてられることがなくなり、父の内心がわからずおろおろするなんて、そんな感情があると初めて知った。なのにその感情が手に取るようにわかった。
    朝鮮の人々に対して特別な思いを抱き続け、それゆえに不遇も経験したであろう父。
    当時は家父長制の常識ゆえ、父と娘が自分の思想信条を率直に話したり聞いたりできなかったんだろうと思うと、とてももったいない。一読者としても、「この時の父の思いをもっと知りたいな」などと思ってもどかしかった。
    それでもこの父あっての森崎和江なんだなととても腑に落ちた。

    年の暮れにいいものを読んだ。
    私はもちろん戦争を知らない世代だけど、すばらしい本は時代を超えて人を感動させる。
    改めてそう思った。

    0
    2025年12月27日

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