森崎和江のレビュー一覧

  • まっくら 女坑夫からの聞き書き
    すごくいい本だと思う
    日本の歴史のことが書かれてて
    でも残念なことに、昔の言葉と九州の方言で
    意味が分からないことも多々…

    現代風に書き換えてくれたら、もっと見やすいのに…

    炭鉱で、採炭作業がまだ機械化される前の大正期頃の話

    スラ(そり状の木箱)やセナ(竹の籠)に石炭を入れて地上へ運ぶ
    これを...続きを読む
  • まっくら 女坑夫からの聞き書き
    米原万里の紹介本である。明治大正昭和の炭鉱で女性がどのように穴に入って働き生活してきたかを聞き書きでかいたものである。1つの話のあとに森崎の説明が入っているが、必要であろうか。
     女工夫についての本はほとんどないので貴重である。
  • まっくら 女坑夫からの聞き書き
    衝撃の一冊。

    おばあさんたちによって、炭鉱での仕事と生活が平易な言葉で語られるけれど、人間とは、歴史とは、労働とは、女性とは、産業とは、と色々な観点で考えさせられる。後を引くおもしろさ。かつ、私の人生を変える予感。

    祖母と同じ語り口。祖母から話を聞いているような、あたたかい気持ちになる。

    ○ま...続きを読む
  • 新版 慶州は母の呼び声 ――わが原郷
    この一年半ほど、
    「まっくら―女坑夫からの聞き書き―」1961、
    ラジオ「にっぽんの子守唄~出稼ぎの女たち(F面)」、
    ラジオドラマ「海鳴り」「いのちの木の方へ」「産湯の里」、
    現代詩文庫の「森崎和江詩集」、
    「からゆきさん」1976、
    とぼちぼち読んでいる。
    本書は1984。
    作者の著作は膨大なの...続きを読む
  • 新版 慶州は母の呼び声 ――わが原郷
     著者のことはサークル村の主要人物の一人ということは知っていたが、その著作で読んだのは『からゆきさん』と『まっくら』の二冊。本書は、著者が自らの原郷とする生まれ育った朝鮮での17年間の生活を回想したもの。
     著者は、理想化肌の朝鮮学校の教師である父と、優しく慈しんでくれる母との間の長女であった。そし...続きを読む
  • からゆきさん 異国に売られた少女たち
    想像していた内容とは少し違っていた。
    けれどもからゆきさんとはどんな人達が何故からゆきさんになったのか。
    それの事に関する時代背景や国、その地域での暮しからからゆきさんを知る事が出来た。
  • まっくら 女坑夫からの聞き書き
    ユリイカ2022年7月号、「スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチ」特集での、佐藤泉氏による寄稿、
    「とばりの向こうの声を集める」のなかで、聞き書きの代表的書き手として、森崎和江氏が、そしてこの「まっくら」が紹介されており、読むに至った。

    明治期後半から昭和初期の、女性坑夫からの聞き書きで構成されたこ...続きを読む
  • からゆきさん 異国に売られた少女たち
    明治時代、外国に売られていった女の子たち、その背景、女の子たちのその後。

    綾さんの養母のキミが精神の異常をきたしている様子が、胸に迫る。

    養子の綾さんに、このいんばいおなご!おまえのいんばいをようしっとるよ。ひとりの男も百人の男も同じこつ、と罵る。それは、おそらくキミさん自身の自己認識で、雇い主...続きを読む
  • からゆきさん 異国に売られた少女たち
    石牟礼道子は読んでいたのだが、サークル村の同志だった森崎和江は読んだことがなかった。
    『からゆきさん』は昔から知っていたのだけど山崎朋子の本や『五番町夕霧楼』みたいな遊郭に娘が売られる話とごっちゃになって、なんだか暗い因習に満ちた救いのない話だと思い込んでいて、手に取っていなかった。しかし石牟礼道子...続きを読む
  • まっくら 女坑夫からの聞き書き
    あまりの面白さに一気に読んでしまった。聞き書きの部分は宮本常一の『土佐源氏』を彷彿とさせるオーラル・ヒストリーであり、こういう形で残さなければ世の中に伝わらなかったであろう地の底の声である。かたや著者の感想としての文章は、読みながら受け取った感想とは全く異なる視点のものもあり、やや違和感が募った。
  • まっくら 女坑夫からの聞き書き
     一昔前福岡に勤務していて、炭鉱自体はとうの昔に閉山していたが、ボタ山や炭鉱跡を見たり、上野英信の『追われゆく坑夫たち』、山本作兵衛の画文集などを読んだりして、多少の知識は持っていたつもりだった。

     今回本書を読んで、聞き書きという形で語られる、かつて炭坑で働いていた女性たちの、それぞれの人生を語...続きを読む
  • からゆきさん 異国に売られた少女たち
    ずっと読みたかった。なんとなく知っているつもりだった「からゆきさん」。思ってたより生々しく強烈に描かれていた。ディテールにいたたまれなくなり、何度も途中で本を置いた。
    12、3歳で売られる子もいて、おそらく今の子供より背丈も小さいだろうと思うと胸が詰まる。そして、二十歳まで生きられなかった子がたくさ...続きを読む
  • まっくら 女坑夫からの聞き書き
    九州の女炭鉱夫への聞き取り本。
    インタビューのまま強烈な方言で書かれており、読みにくいがその分、生々しく体験が伝わる。
    炭鉱は暗く、狭く、陰鬱な恐怖の場所である。ガスへの引火、落盤、トロッコの暴走でいとも簡単に人が死ぬ。
    そのような環境だからこそ、暗闇で蝋燭がひときわ輝くような強烈な生命の発露がイン...続きを読む
  • からゆきさん 異国に売られた少女たち
    なんとなくこういうことなんだろうな、と思っていたことが本当に甘すぎて、いい歳をして我ながら無知すぎていやになる。