奥村宏の作品一覧
「奥村宏」の「エンロンの衝撃 : 株式会社の危機」「会社の哲学―会社を変えるために」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「奥村宏」の「エンロンの衝撃 : 株式会社の危機」「会社の哲学―会社を変えるために」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
資本主義について、株式会社とは何かという点から解き明かす。起源のおさらいから理解できるので、断片的な知識も繋がり、本質的理解に有効。何より驚くのは、著者が80歳超えという点。本著を出版して間もなく逝去されるが、流石に歴史を踏まえた重みのある内容だ。
株式会社とは。株主が有限責任で、倒産しても責任を取る必要がない。出資額以上に損する事もない。倒産してしまえば良いのだから,借金踏み倒しで、好き勝手やれそうじゃないか。いや、借金は貸し手がいるから成立するのであって、貸し手も馬鹿じゃない。従い、債権者は、株主が支払った資本で購入された資産を担保に差し押さえる必要がある。つまり、資産状態を公開する義務
Posted by ブクログ
ピケティに欠けている株式会社という視点、という副題がつけられている書籍で、実を言うともしかして、ピケティを読んでいなくても別の意味で役に立つ本かもしれない。株式会社の成り立ちのいきさつや、日本でたどった特異な歴史に触れられているからである。
読み始めると、株式会社について相当にながい記述が続く。また、著者の前身が記者で、そこで取材されたことや、目にしたことが、書かれる。あれ、と思うのだが、それは、もう、続く。株式会社が産声が上げた頃からの話だ。そして、それが実を結ぶのは、株式会社が、一方で株式会社の実質的所有者である株主の有限責任、つまるところ、株主は、買った株に出資した以上に責任を問われる
Posted by ブクログ
エンロン事件、ワールドコム事件、ライブドア事件、プリンシパルエージェンシー問題、村上ファンド事件、利益相反など、近年の資本主義市場において起こった問題の理論的/歴史的背景を概観できる良書である。ある程度知識があった状態で、知識の体系化として読むのが良い。
主な論点は以下の通りである。
【エンロン/ワールドコムを粉飾へ駆り立てた構造】
・所有と経営の分離→プリンシパルエージェンシー問題→ストックオプションの導入による投資家と経営者の利害関係の一致(背景にはインベスターキャピタリズムによる株価上昇圧力の問題)→時価総額経営→粉飾へのインセンティブ増大
【各社の粉飾スキーム】
エンロン→SPE
Posted by ブクログ
「ピィティに欠けている株式会社という視点」という副題がなければ手にしていない本だったかも知れない(笑)。
しかしながら、奥村氏宏氏の経歴を知ることなり、楽しく読めました。
氏が、哲学書青年であった大学時代を過ごし、産経新聞の経済担当記者が「株式会社」をその後研究する市井の学者になっていったという件が面白かった。
また、一貫して「株式会社」の研究を継続されている真摯な態度に共感するものがありました。
機関投資家資本主義、会社が大きくなりすぎている、そして、法人としての会社が自然人を想定している刑法の枠外に位置することの理不尽さが書かれている。
宇沢弘文氏との接点があり、「シンクネット・センター2