パーシヴァル・エヴェレットの作品一覧

「パーシヴァル・エヴェレット」の「赤く染まる木々」「消失」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • ジェイムズ

    ジェイムズ

    小説・文芸

    4.2
    1巻2,750円 (税込)
    逃亡奴隷ジェイムズの過酷な旅路の果てに待つものとは──。「ハックルベリー・フィン」を過激な笑いと皮肉でくつがえした、前代未聞の衝撃作。全米図書賞&ピュリツァー賞受賞。 --------------------------- 全米図書賞&ピュリツァー賞、驚異のW受賞! ブリティッシュ・ブック・アワード、カーネギー賞、カーカス賞受賞! ニューヨーク・タイムス・ベストセラー1位、2024年ベストブック最多選出。 各賞を総なめにした、2024年アメリカ文学最大の話題作。 我が身を売られる運命を知り、生き延びるために逃げ出した黒人奴隷ジェイムズ。 しかし少年ハックをともないミシシッピ川をくだる彼を待ち受けるのは、あまりに過酷な旅路だった。 奴隷主たちを出し抜き、ペテン師を騙し返し、どこまでも逃げていくジェイムズの逃避行の果てに待つものとは──。 黒人奴隷ジムの目から「ハックルベリー・フィン」を語り、痛烈な笑いと皮肉で全世界に衝撃を与えた怪物的話題作。 物語は往々にして誰かの人生を破壊し、利用する。 だが、鮮やかなやり方で新たな命を与えることも出来る。この小説のように。 ───西加奈子 読み始めたが最後、『ハックルベリーの冒険』を愛する私がいかに「白人」であったか、 自分を笑い飛ばして痛快になる。 ───星野智幸 地獄の故郷を抜け出して、いっしょに生きよう。 この小説にそう誘われた気がした。 ───三宅香帆 米文学界の巨人、エヴェレット。 容赦なくも慈悲深く、美しくも残酷で、悲劇であり茶番劇でもあるこの見事な小説は、 文学史を書き換え、長らく抑圧されてきた声を私たちに聞かせてくれる。 ───エルナン・ディアズ 恐ろしくも抱腹絶倒、そして深く胸を打つ。 ──アン・パチェット この小説は読者の心をまっすぐに撃ち抜く。 ──ニューヨーク・タイムズ 恐ろしく、胸をえぐり、そして笑わせる小説。 ──ガーディアン 衝撃的でありながら爽快な結末。 ──ワシントン・ポスト
  • 消失

    消失

    小説・文芸

    4.4
    1巻2,970円 (税込)
    セロニアス・エリスン(通称モンク)はアフリカ系アメリカ人で、大学で教鞭をとりながら小説家として文学的な作品を書いている。彼の目からみると黒人を売りにしたレベルの低い作品が世間ではベストセラーとなっていた。モンクは三年ぶりにロサンゼルスから実家のワシントンに帰り、医師の姉や高齢の母に会う。姉からは母は物忘れが目立つようになり、金銭的にも困りそうだと告げられる。ロサンゼルスに戻ったモンクは教授昇進が決まったことを知るが、小説は十七社から出版を断られていた。エージェントからは「黒人らしさが足りない」などと言われる。  その後、姉が事件に巻き込まれて再度ワシントンに飛んだモンクは、兄が離婚して多額の借金を抱えていることを知った。モンクは母と家政婦が住む家に引っ越して休職する。エージェントに電話をすると、小説はさらに三人の編集者から断られていた。  モンクは亡き父の書斎に入り、父が使っていた古いタイプライターで小説を書き始める。一気に書き上げたその中編小説は、モンクにとって到底発表できないような低俗極まりない作品だった。しかし、別名スタッグ・リーで書いたその原稿をエージェントが大手出版社に送ったところ絶賛され、多額の契約金で出版されることに。モンクは、やりとりは基本的にエージェント経由とし、決してばれないようにスタッグ・R・リーを演じようと考えるが、作品は非常に大きな注目を集めていき・・・・・・。  2024年アカデミー賞脚色賞を受賞した映画『アメリカン・フィクション』原作小説。 (ERASURE by Percival Everett) 【著者略歴】 パーシヴァル・エヴェレット Percival Everett 1956年米国ジョージア州生まれ。アフリカ系アメリカ人作家。南カリフォルニア大学卓越教授。『ジェイムズ』(木原善彦訳、河出書房新社)で2024年全米図書賞、2025年ピューリッツァー賞などを受賞。著書にブッカー賞最終候補作『赤く染まる木々』(上野元美訳、早川書房)、ピューリッツァー賞最終候補作『Telephone』ほか。本書を原作とした映画『アメリカン・フィクション』が2023年に公開され、アカデミー賞脚色賞を受賞。 【訳者略歴】 雨海弘美(あまがい・ひろみ) 翻訳者。訳書にミシェル・ザウナー『Hマートで泣きながら』(集英社クリエイティブ)、クレア・ノース『ハリー・オーガスト、15回目の人生』(角川文庫)などがある。
  • 赤く染まる木々

    赤く染まる木々

    小説・文芸

    4.1
    1巻3,960円 (税込)
    『ジェイムズ』で話題沸騰! 最注目の著者によるブッカー賞最終候補作 二〇一九年、ミシシッピ州で白人男性の遺体が発見された。傍らには七十年前に惨殺された黒人少年エメット・ティルに酷似した遺体が。やがて同様の事件が全米で連鎖する。過去への報復か、新たな反乱の幕開けか。アメリカの黒人リンチの歴史に迫る文芸ミステリ

ユーザーレビュー

  • ジェイムズ

    Posted by ブクログ

    マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』を下敷きに、ハックの「友達」である奴隷のジムを主人公にした物語。

    当時のアメリカでは、奴隷は「白人の所有物」とされ、個人としての人格は認められていなかった。だからこそ、ハックがジムを「友達」と認めたことは画期的だったと思う。ただ、マーク・トウェイン自身が、あの時代にどこまで黒人を白人と対等な人間として捉えていたのかは測りかねる。

    『ジェイムズ』のジムは文字も読めるし、書くこともできる。それどころか、ロックやルソーの思想に精通している! 己の置かれた立場を哲学的に考え、自分が生きる世界の矛盾を見つめている。

    『ハックルベリー・フィンの冒険』でも、飲んだくれや暴力、詐欺、上流階級同士の殺し合いなど、ろくでもない白人ばかりが出てくるそうだが、『ジェイムズ』でもそれは同じ。こちらでは奴隷に対するレイプの実態まで描かれる。本当に当時の白人社会というのは……傲慢と偽善に満ちていたのだなと思わずにはいられない。

    『ハック』では主人公が白人だから「冒険譚」になる。でも『ジェイムズ』では、主人公は脱走奴隷で、殺人の疑いまでかけられている。同じ出来事を描いているのに、立場が変わるだけで、こんなにも切迫した「逃避行」になるのかと思った。

    最後までハラハラドキドキしながら読んだ。

    0
    2026年10月05日
  • ジェイムズ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    白人たちが描く黒人像を演じることで優越感を感じさせ、本当に支配していたのはジムたちなのかもしれない。そして最後まで鉛筆とノートを大切にしていたのはこれからは自分の意思を刻み込むんだという感じがして胸に残った。

    0
    2026年09月22日
  • ジェイムズ

    Posted by ブクログ

    「ハックルベリーフィンの冒険」で感じたジムの印象が見事に覆りました

    「ジェイムズ」は奴隷としてのジム(ジェイムズ)自身の目線で描かれた物語です

    優しく思いやりに溢れ家族思い
    ハックにも良き影響を与えるジム
    人間性はそのままに
    奴隷特有の卑屈さ臆病さ愚かさは白人たちに対する黒人たちの強かで賢明な処世術だったことがわかりました

    怒りを抑え
    知的好奇心を抑え
    賢明さを悟られずに
    存在感を消す
    言葉も行動も奴隷仕様に仕立てている黒人たち
    白人たちは実はそんな振る舞いの黒人たちの掌の上で転がされているのでは?と思わせる
    その屈折した思いは、
    奴隷として生きる彼らのささやかで唯一の抵抗のように思えました

    物語を書いた著者はアフリカ系アメリカ人の作家
    奴隷社会の中でも、自由を求める心と尊厳を失わずに
    魂のレベルでは何者にも屈しなかったジェイムズたちへのリスペクトを感じると共に
    奴隷という非人間的な扱いに自らも非人道的にならざるを得ない悲劇を描いた物語でもありました

    アメリカの奴隷制度
    200年を超えて続いていた史実を忘れないように
    ハックフィンの物語とともに
    いつまでも読み継がれていって欲しい名作だと思います

    0
    2026年09月02日
  • ジェイムズ

    Posted by ブクログ

    本屋さんで表紙や帯の書評に惹かれてハードカバーの本を買うのは、自分にとって贅沢なことなので、時々、本によってはがっかりすることがあります。

    そういう意味では、この本は全く安すぎると感じました。

    少し前に、「ある奴隷少女に起こった出来事」を読んで奴隷制度への自分の無知さに恥ずかしくなりましたが、今回はそれ以上。

    日本語への翻訳がまた、すばらしいです。

    0
    2026年08月23日
  • ジェイムズ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    黒人奴隷制は映画や物語の中で見たことはあったが、黒人奴隷の目線で書かれたこの本の内容は衝撃的だった。信じられないほど残酷な白人の奴隷への扱いが、昔実際に行われていたとは、信じたくないが事実なんだろう。暴力だけでなく、黒人奴隷を人間として扱わない行動や思考。なぜそんなことができるのか。人が人を所有するということは絶対にあってはいけない。
    その境遇を主人公ジェイムズや他の黒人の奴隷たちは冷静に見ていて、自分たちが生き延びるためにどうすることがベストなのか見極めて行動している。ただ生き延びるために奴隷らしい行動をし、そして白人を見極めている。俯瞰した白人への評価が痛快なところもあるが、境遇が過酷すぎて、とにかく信じられないというか悲しい。
    内容は過酷だが、文章はとても読みやすくスラスラと読めた。たくさん登場人物がいて、いろいろな人間性が描かれてとても面白かった。
    途中で死んでしまったけれど、ノーマンいう白人に見える黒人が、白人になりすませられるのに自分を奴隷だと言うのはなぜ?と言う質問に「母が黒人だから。妻が黒人だから。自分が白人になりたくないから。俺は白人の仲間になりたくない。」と答えるのが印象的だった。

    0
    2026年08月22日

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