齋藤ジンの作品一覧
「齋藤ジン」の「世界秩序が変わるとき 新自由主義からのゲームチェンジ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「齋藤ジン」の「世界秩序が変わるとき 新自由主義からのゲームチェンジ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
アメリカで政治に近いところで働いている筆者が日本人の脳に直接語りかけてくる形式の導入となっていて、よくある悲観的な始まりではなく惹かれやすかった。
また、地政学がアイデアの根底にはあり社会部部長の書籍を読んでそのコンセプトを理解したあとに読むと、アメリカが考えていることがとてもスムーズに理解できた。
ただ、氷河期が何かの恣意により発生したと想像すると、自分がもし今40代半ば以降でこの本を読んでいたら、怒りの遣り場がないのではないか…と感じる気がした。
結局のところ、WWI以降の覇権国はアメリカであり、海洋国家であるアメリカは自国領土を増やすのではなく緩衝国や協力国を、自国を脅かさない程度の経済・軍事力の規模に留めさせることで覇権国としてのポジションを確立しているということを再理解した。
中東情勢に関しては大きく触れられていないので、その点は自学が必要。
15万部売れるだけあってシンプルに面白かった。24年12月に第1刷ということで、その頃に出会っていれば色々行動が変わっていただろうな…
Posted by ブクログ
本書は2021年頃を世界秩序の大きな転換点と捉え、冷戦後の世界を支配してきた新自由主義的なシステムが終わりつつあると論じる。
もっとも、その兆候はかなり以前からあった。オバマ大統領は2013年に「アメリカは世界の警察ではない」と発言した。私自身が何かがおかしいと感じ始めたのは2018年前後である。北朝鮮の核・ミサイル開発が進み、韓国海軍艦艇による自衛隊機へのレーダー照射問題まで起きた。その後、コロナ禍によって中国と西側諸国の社会体制の違いが露わになり、2022年にはロシアによるウクライナ侵攻が起きた。
ただ当時私は、これらの現象を法による国際秩序に対する揺さぶりと捉えていた。つまり秩序そのものは健在であり、それをこれらの国々が破壊していると考えていたのである。この世界観が決定的に揺らいだのは第2次トランプ政権だ。既存秩序への挑戦者はロシアや中国だけではない。その秩序を作り、支えてきたアメリカ自身が自由貿易やグローバリズムから距離を取り、自国の産業、安全保障、国益を優先し始めたのである。
本書を読んでさらに興味深く感じたのは、この変化が経済だけにとどまるのかという問題である。冷戦後の新自由主義は、資本や商品の自由な移動を求める一方、文化的には個人を性別、人種、家族、国家など既存の枠組みから解放する進歩主義と奇妙な共存を遂げてきた。いわゆる進歩的新自由主義である。市場における自由と生き方における自由は、本来別の思想でありながら、グローバル企業、大学、専門職などのエリート層を中心に一つの時代精神を形成した。
ところが現在、自由貿易から経済安全保障へ、市場から国家へという反転と並行して、DEIなど欧米の進歩主義的価値観にも強い揺り戻しが起きている。もちろん両者は論理的に不可分ではない。しかし、冷戦後の30年間に一つのパッケージとして成立していたものが、いま解体され、再編されつつあるのではないか。本書は経済と投資について書かれた本だが、私にはむしろ冷戦後という時代そのものが終わりつつあることを考えさせられた。
Posted by ブクログ
ダイヤモンドで評価されていた経済書。
感想。
とても面白かった。あまりこのテーマの本は読まないのだが。とても視野が広がった。
備忘録。
・冷戦の終結で、戦後最大の敵を葬り去ったアメリカには、これ以上日本を特別扱いする理由がなくなる。それどころかアメリカの矛先は完全に日本に向く。プラザ合意により日本の輸出関連産業は打撃を受けたり、各種の輸出規制や日米構造協議などで日本経済の成長を封じ込めてきた。
・デフレを自ら選んだ日本。経済効率を犠牲にして雇用を守ったことで失業率の上昇は止まったものの、賃金が下がり、デフレマインドが強化された。失われた30年は日本が自ら選択した。
・世界が新自由主義のもとで、市場原理で物事が決まっている中で、雇用を守るという選択肢を取った。それでも事業を維持するために、人や設備への投資を抑制した。
・飢饉に陥ったムラで、全員が我慢して過ごすことを選択した。
・日本の代わりにアメリカが下駄を履かせてきたのが中国。カジノのオーナーであるアメリカはなんでも自由にゲームのルールを決められる。
・そして今、アメリカの矛先は中国に向かう。アメリカは中国の弱体化が目的なので、弱体化するまで止めることはないから、逃れられない。アメリカのその目的を果たすために、再び日本は下駄を履かせてもらえる機会がある。
・ルイスの転換点。労働力が不足すれば値段が上がる。
・新自由主義の終焉。大きな政府が自国のために動く。
・ヘッジファンドの人を駆り立てる何か。「生きている感」ではないか。極限状態で勝負することで多くのアドレナリンが出て、今、この瞬間を生きていると感じ、それが快感になるのではないか。その裏返しとして、ギリギリの勝負をしていない時に感じる虚無感があり、その恐怖から逃げているようにも見える。勝負をしていないと自分の存在意義がわからなくなる。
・日本で最初にアベノミクス・トレードに本気で賭けたのは三井住友銀行の高橋精一郎副頭取(当時)。