齋藤ジンのレビュー一覧
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視座が高いと感じる。
書かれているそれぞれの内容は初耳ではないが、それがどうつながっているか、という視点から考えたことがなかった、ということに気付かされる。
また、何か偏った価値観を支持する表現が感じられない、抑制的な文章であるとも思う。
都銀に就職し、そこを辞めたことを書いている部分。
「1990年代後半になると金融危機が発生し、私の所属していた銀行も大変なことになります。その中で必死に戦った人生も一つの生き方ですし、自分にはできない凄いことだなと思います。ただ私はそれをしたくなかっただけです。」
「必死に戦った人生」
筆者は私の数歳上。似た時代を過ごし、この部分は「戦う」ではなく、「戦っ -
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論理的な言及に厚みを持たせながらも、感情的にも前向きにさせてくれる一冊で、とても良かった。
ご自身の優れた判断力に加え、行動力が伴っており、説得力がある。
いま日本はチャンスであるとの書籍を多く目にするようになったが、失われた30年には意味があったと考えさせてくれる内容。
◉新自由主義とは
①政府の介入小さく②全てはマーケットを通じて最適化され③個人の能力や個性で勝負する
◉マネーが効率的に流れることでビジネスコストが低下する→長期投資に追い風
◉トランプにはどう変革するかの明確なビジョンはない。取り残された者たちの「システムを壊してくれ」の声を聞く耳を持っている
◉どこまで政治による裁量介 -
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1990年代頃から失われた30年を新自由主義の時代だったという。日本は伸び悩み世界でも取り残された。その新自由主義の時代とは何だったのか、というのがこの本の大きなテーマになっている。著者は性的マイノリティとして日本の都市銀行勤務を辞め、自由なアメリカでコンサルタントとして人生を歩むことに賭ける。
新自由主義の時代の前は、経済が重要だった、新自由主義の後に来る時代は政治が重要となる。日本の失われた30年と中国の台頭、アメリカの覇権国家としてのずるさ、しかし日本はこれから復活し、中国は衰退し、アメリカの強さは変わらないという。
著者はコンサルタントとしてジョージ・ソロスを大儲けさせたようだ -
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齋藤ジン。ジョージソロスに10億ドル儲けさせたコンサルだという。日本人で、トランスジェンダーで、ワシントン在住のコンサルという触れ込みは、インパクトがある。
本書を読んで、なるほど、アメリカでナマの政治的潮流のなかで生き抜いているコンサルだと思った。実は、「新自由主義」という正体がよくわからなかった。自由であることはいいことだと思うが、何かがおかしいなぁと思っていた。本書は、実にわかりやすく、歴史的な流れを大づかみにつかむことができる。さすが、著者のさばき方が実に上手いと感心した。
自由放任主義(レッセ・フェール)、自由主義、そして新自由主義と受け継いでいる。
齋藤ジンは、歴史的な潮 -
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30年後に読み返したい。
ここ5年くらいで世界の行方を描く本が多くなった感がありますが、それだけで「見えてきた」もしくは「確度が上がった」ということなのでしょうね。人の世は人が織り成しているということを改めて認識させられる内容でした。
一種の暴露本としても良いのかな?
井の中の蛙状態のジモティータイプの日本人に対する世界の常識についての啓蒙書としても良いのかな?
それとも、ようやく受容、消費できるようになったから出てきた戦略的な教育書でしょうか?
陰謀論的なエンタメ本とは思えませんでした。
私の中のジャンルの仕分けに迷います。
「後悔のない、好きなポジションを取れ!」というメッセージは受け取り -
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ネタバレ「新自由主義の下で、日本はまさに最大の敗者となった。」
日本は失われた30年で敗者だとは思っていたが、最大の敗者であるという筆者の感想にはとても納得がいった。
「現在のグローバル化した社会とはまるで別世界でしたが、ほんの30年前の話です」
テクノロジーの変化が、社会に影響を与える力がどんどん強くなっていっていると思う。私が留学をしていた2014年はスマートフォン、SNSが席巻する時代で、個人が情報を発信することが当たり前の時代になってきた。それにより、グローバル化が進んだと思う。
日本ではコロナ化でビジネス、仕事のビジネス化、DX化が一気に進み出した気がしている。今までは「商慣習」で「リモー -
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ジョージ・ソロスの真骨頂は、転換点に全力を傾注する投資方法であること。
1992年 イングランド銀行にポンド売りを仕掛けたソロス・ファンド
当時の右腕が、スタンレー・ドッケンミラーであり、そのチームの一員にスコット・ベッセントさんが居た。
2011年 ベッセントさんはソロスファンドのCIOになり。
2012年 日本に円売りを仕掛けて大儲けする。その一躍を著者の齊藤ジンさんが担う。
⇒その後、ベッセントさんは日本ファンに!
色々と繋がって見えてきて面白い。
「変な人には人並み外れた離れた能力がある」って思われているというのも、味のある言葉だと思った。 -
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ネタバレ新自由主義の終焉とパラダイムシフト
・新自由主義の限界: 1980年代以降、市場原理主義、規制緩和、民営化を柱としてきた新自由主義は、極端な格差拡大と中間層の没落を招き、社会の分断を決定的なものにした。
・「小さな政府」から「大きな政府」へ: 効率性のみを追求するシステムがパンデミックや地政学リスクに対して脆弱であることが露呈し、国家が経済に強く介入する「産業政策の復活」が世界的な潮流となっている。
・株主資本主義の修正: 利益至上主義から、従業員や地域社会、環境を重視するステークホルダー資本主義への移行が不可欠であると説く。
地政学と経済の融合(ジオエコノミクス)
・グローバル化の変容: