作品一覧

  • わたしは、あなたとわたしの区別がつかない
    4.6
    1巻1,650円 (税込)
    15歳、自閉症当事者が書き下ろす みずみずしくも胸に迫る自伝エッセイ 自閉症者は何を考えているのか? 世界がどういう風に見えているのか? その心の声を真っすぐに書いた渾身のデビュー作の登場! (――五章 中学生編「あなたとわたしの区別がつかない」より) わたしは、あなたとわたしの区別がつかない。 自分と他人の区別がつかないのは赤ん坊だそうだ。赤ん坊が成長して、一歳ごろに自分以外に人間がいることに、気がつく。これを発達と言う。保健の教科書にそう書いてある。二歳ごろになると、他の人は、自分と違うことを考えていると理解する。このあたりで、世界には自分と、自分ではない誰かがいるとわかるのだ。 わたしは精神の一部が、いまも二歳以下であるようだ。わたしの中に二歳児がいる。怖くて、しかし面白い。わたしがわたしであるように、同じように誰かも誰かである。自分でない誰かは、わたしとは違う人間である。別々の心を持っている。ゆえに、わたしが体験したことは、わたしだけのものである。あなたが体験したことは、あなただけのものである。説明されれば理解はする。何度も口に出して言ってみる。だがしかし、ほんとうのところではわからない。わたしが知っていることは、みんなも知っていると思ってしまう。 【著者プロフィール】 4歳の時に自閉スペクトラム症の診断を受け、小学校では支援級に在籍。中学受験を経て現在は私立高校に通う。 中学3年時に夏休みの課題の作文「自閉症を持つ私から見た日常」が文部科学大臣賞を受賞。 自身が経験した、外見や行動が相手に与える誤解、コミュニケーションに生じる不調や、脳の特性による世界の見え方などを綴り、SNSでも大きな話題となった。

ユーザーレビュー

  • わたしは、あなたとわたしの区別がつかない

    Posted by ブクログ

    本人の健気さや明るさも良かったけど、
    お母さんやホストファミリーなど
    周りの大人の懸命さにも泣けてくる。

    ノートの落書きみたいなイラストが
    とても愛らしいし、落書きではなく
    ちゃんとイメージ化してくれるから
    見てる世界がわかりやすい。
    イラストも相まって、自閉症の彼には
    どんな景色が見えてるのかが伝わってきた。
    景色を文字で表すって相当難しいと思うけれど、
    本当に上手な表現で(でもシンプルでわかりやすい)
    素晴らしかった。
    ────────────────
    ・幼稚園の頃のわたしは困っていなかった。代わりに母が困っていた。

    ・羞恥心。これはかなり高度だと考える。理解するには、わたし以外にも心

    0
    2026年02月05日
  • わたしは、あなたとわたしの区別がつかない

    Posted by ブクログ

    十五歳の自閉スペクトラム症当事者の藤田壮眞さんが書いた心に響くエッセイ。

    壮眞さんは四歳の頃にADHD優勢の自閉スペクトラム症と診断されている。

    幼稚園、小学校のつらかったことや、自分がどのように、世界を、他者を理解している(いた)かを、うつくしく読みやすい文章で書かれている。

    書いてくれてよかった。読んでよかった。

    親近感と驚きがほどよく混ざった読書となった。

    御本人はたぶん詩的にしようとは思ってない、詩的な表現にくらくらとする。

    しばしご友人たちに「宇宙人」と言われる、独特な世界の見方に、発見が多い。

    短歌の世界に来てくれないかなー、それとも現代川柳?と夢想する。

    0
    2026年02月03日
  • わたしは、あなたとわたしの区別がつかない

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自閉症の作者によるエッセイで、作者から見える世界が描かれている。
    どう感じているのか?どういった思いをしているのか?など、自分が想像している世界とは全然違っていて興味深かった。
    作者は自閉症のほかにもADHDや成長が止まってしまう病気などを併発している。そのためはじめは「かわいそうだ」と無意識に思ってしまった。
    だが、「かわいそうだと思われたくない。自分は自分だ」といった旨の文がありはっとした。まだまだ自分には偏見があるのだと気づかされた。
    イレギュラーなことがあったり、自分の思い通りにいかないといらいらしたり少しパニックになったりすることは自分にも当てはまる。
    それと作者の母親の愛をすごく感

    0
    2026年01月29日
  • わたしは、あなたとわたしの区別がつかない

    Posted by ブクログ

    自閉症への理解が変わった。

    自閉症の方は、感覚のある一部をとても過敏に、ある一部をとても鈍感にして世界を見ているのかな、と。
    今までは勝手に距離を感じていたのだけれど、その距離が縮まったような気がした。

    印象的だったのは以下

    「わたしは明言されないやりとりは、まったくわからない。

    だから友達になるまでの微妙なやり取りは、なにが起こっているのかわからない。あなたの態度が不愉快なので、やめてくださいと言ってくれる人はなかなかいない。あなたの態度が好きなので一緒にいましょうとも言わない。

    友達関係だけではない。生活面でも海外ではこんなことをしてはいけないとガイドブックに書いてある。言葉の意

    0
    2026年01月28日
  • わたしは、あなたとわたしの区別がつかない

    Posted by ブクログ

    文章が好き ◯
    作品全体の雰囲気が好き ◯
    内容結末に納得がいった ◯
    また読みたい◯
    その他◯

    自閉症の人が見ている世界。
    彼らは「定型発達」の人たちのことを、どう思っているのか。
    周りの人からかけられている言葉をどう受け止めているのか。
    少し、触れられることができた。
    どんな言葉がOKで、どんな言葉がNGなのか、知りたいのです。


    彼自身が、世界が、シンプルな文体で淡々と綴られていく。
    無駄がなくて、とても心地が良い。

    0
    2026年01月26日

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