韓国イ・ドウ作家のベストセラー。
初版は2004年だそう。
世間のルールを守り、脱線しないよう真面目に生きている内向的な性格のジンソル(30歳女)はラジオ局の構成作家。
誰に媚びることもなく堂々としていて、仕事もできてユーモアも持っている、だけど実は心に小さなしこり(友人の恋人に10年以上片思い)がある有能ディレクターで詩人のイ・ゴン(33歳男)
二人が出会い、お互い惹かれつつも
ちょっとした誤解や嫉妬ですれ違い、お別れするもやっぱり忘れられずすったもんだの末また結ばれるというドラマみたいな恋愛小説。
30代って、特に女性は自分の将来に漠然とした不安や焦りを抱える時期だと思う。好きな人ができたとき、突っ走っていいのか、踏みとどまるのかすごく悩む。
ジンソルはこれまで恋愛に消極的に生きてきたのに、ゴンにどんどん惹かれていって、なんと自分から告白しちゃうんだけど(大人しそうなのに時として大胆なことするタイプ)逆にゴンは10年以上友人の恋人に片思い中の奥手くんで、新しい恋の一歩が踏み出せない。てか、かなり強引に踏み出してるけど最後の一線を越えられない(笑)
ジンソルはそんなゴンにじれったさを感じていて、その上片思いのエリに対するゴンのある行動を見て、嫉妬と絶望感を抱き離れることを決意。
あっさり会社も辞めて田舎の一軒家に引っ越し(決断力すご)
それからなんだかんだあって、まぁ、結局はくっつくんだけどね。
私が一番印象に残ったのは、ゴンのおじちゃんがジンソルを呼び出していろいろと人生論を語るところ。
このおじいちゃんがものすごくいい味出してて、その後亡くなっちゃったときはマジで泣きました。
友人や同僚たちとのエピソードもよかったし、ゴンが詩集を刊行したときのジンソルへのメッセージがまた素敵で〜。
小説の中には放送局がある汝矣島や、ジンソルのアパートがある麻浦区、ゴンの実家の梨花洞と東大門まで続く城郭。ソヌとエリ(片思いの人)の茶房【雨が降る日は入口が開く】(屋号が好みすぎ〜)がある仁寺洞などなど、馴染みのあるソウルの街並みをまるで自分が一緒に歩いてるみたいに想像しながら読めたのが最高に楽しかったな〜。
次にソウルに行くときは聖地巡りするぞ〜!
余談ですが、イ・ドウさんの前作『天気が良ければ訪ねて行きます』を訳してくださった清水博之さんは麻浦でカフェをされていてその屋号が【雨乃日珈琲店】っていうんです。
雨つながりだ〜〜って勝手にこっそりシンクロニシティを感じニヤついてるw
余談その2 : 訳者さんのあとがきに、ネット上では想定キャストとしてハン・ジミンちゃんとイ・ジュニョク。
ソ・ヒョンジンとコン・ユらの名前が上がっていて、訳者さんはシン・ヘソンちゃんとイ・ドンウクさんを思い浮かべていたそう。
ちなみに私はイム・スジョンちやんとキム・ソノ想定で読んでました(笑)