あらすじ
ソウルでの生活に疲れ切ったヘウォンは、ひと冬を故郷で過ごそうと、山と湖に囲まれた片田舎のバス停に降り立った。隣の空き家は、いつの間にか小さな本屋になっていた。「グッドナイト書店」。店主のウンソプにとってヘウォンは、初恋の人だった。彼女が戻ってきたことで、静かな冬の生活が変わっていく……。
外は冷たい銀世界が広がり、グッドナイト書店の中は温かく穏やかな時間が流れる。ふたりの間には、雪の結晶のように、ひとつふたつと少しの重たさも感じさせずに、愛情が舞い落ちていく。ゆっくりと溶けていく痛みと孤独。やがて明らかになる過去の秘密とは――。
傷つくことを恐れる人、傷つくことに疲れた人。それぞれが再び人生を歩み始めるまでの、心温まる愛の物語。
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Posted by ブクログ
もう一度観たいと思っていたドラマの邦訳本があると知って。
「グッドナイト書店」を舞台に、登場人物たちのあたたかい言葉や思いやり、そして静かな愛が描かれる。
書きとめたい素敵な文章がたくさんあり、ゆっくりと時間をかけて読んだ。ゆっくり読みたいと思える本は、いい本だなって思う。
『よく目が覚めて、よく食べて、よく働いて、
休んで、そしたよく眠れたら、それが素敵な人生』
Posted by ブクログ
読み始めから心が暖かくなる、お気に入りの本になりました。たくさんの短い章で構成されていますが、特にその終わりにあるフレーズや文が印象的で、たくさん書き留めておきました。また冬から春にかけて読み返したくなる一冊です。
Posted by ブクログ
ソウルでの生活に疲れ切ったヘウォンは、ひと冬を故郷で過ごそうと、山と湖に囲まれた片田舎のバス停に降り立った。隣の空き家は、いつの間にか「グットナイト書店」という名の小さな本屋になっていた。店主は幼なじみのウンソプ。彼にとってヘウォンは、初恋の人だった。彼女が戻ってきたことで、静かな冬の生活が変わっていく・
傷つくことに疲れた人と傷つくことを恐れる人…
ふたりが背負ってきた過去を、温かい言葉と静かな愛で分かち合いそれぞれが再び人生を歩み始めるまでの、ひと冬のラブストーリー
とってももすきな作品でした。
Posted by ブクログ
都会に疲れてひと冬を過ごす為に田舎に戻ってきたへウォンとその町でグッドナイト書店を営むウンソプとのラブストーリー。
寝る前に布団でのんびり読んだ冬にピッタリの物語。
グッドナイト書店でのブッククラブの様子も、ブログでの本紹介も、悪い人は出てこない登場人物たちも良くて、ゆったり読めて癒される物語で凄く好き。
先にドラマを観てていいなと思っていたが余計な脚色がない原作の方が自分好みだった。
Posted by ブクログ
ドラマを既に観ていたので、パクミニョンでありソガンジュンの世界ではあるのだけど、ゆったりと時間が流れるグッドナイト書房の世界観はドラマも原作本も同じ。
この世界観がかなり好きで、これからの冬の季節にまさにぴったり。
Posted by ブクログ
余韻がいつまでも残る!心の書棚の本が増えた。
翻訳が、丁寧な表現の原文のひとつひとつを大切に伝えてくれている、至高な作品だ。
物語も、ドラマティックでは無いのに、登場人物ひとりひとりのエピソードが深く染みる。メッセージ性もあり、忘れられない。
作家の人柄が出ているのかも知れない。ひとつひとつ、ひとりひとり、それぞれ、あれこれ…どれも丁寧な、一方的な目線でない表現、荒削りな表現は無く、作家が読み手の側で作品に連れて行ってくれる…そんな読書時間だった。
凄い作家だ!もっと読みたい。
Posted by ブクログ
すごく暖かい小説。メタファーが少ない本でこんなに虜になれるのは久しぶり。著者の感性豊かさから、情景描写がリアルに伝わってくる。韓国行きたくなった。韓国の田舎に行きたい。
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架空の慧川という村を舞台に,グッドナイト書店の店主ウンソプとクルミハウスにやってきたへウォンの二人と周りの人に起こった様々な出来事がユーモラスにそして温もりを持って描かれる.慧川に降る雪,わーと鳴くキロジカ,居座る寒波に凍りつくクルミハウス溢れ出てくる文章の瑞々しさ,目の前に浮かんでくるようだ.
ウンソプのブログ書店日誌がまた面白く,こんな本があれば読んでみたいものばかり.本屋さんの努力も応援したくなる.
とにかく,何もかも素晴らしい本だ.翻訳も表紙も言わずもがなです.そしてウンソプさん,大好きです.
Posted by ブクログ
なんだろう、文字を追っているうちに気づいたらその街の景色や情景が浮かんでくる。
そして、登場人物の表情や心境が胸に突き刺さってくる。
読んでいて心が温まる小説だ。文章が優しい。
こんな本屋があったらなあ。
そしてこんな隣人が現れたらなあ。
人はその言葉と表情が一致せず、だからこそ、言葉を聞かず表情を読まなければならない。
ひとりでいるときのほうがよく見えるものがあり、寂しさから学ぶことは思うより悪くない。期待するものが少ないほど、生活は穏やかに流れていくから、心から望むものが生まれるのはつらいことだ。
人生はそんなに長くない。今から苦労しなくても、いずれ僕たちもこの世を去ることになる。だからそれまでは、どうか幸せでありますように。
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ゆっくり丁寧に物語が進んでいって、とてもゆったりとした読後感。
時間かけて読み終えたので、へウォンや、ウソンプの日常を作中にもある、「グッドナイト書店の会員」になって垣間見ているような気分。
恋愛ものとは知らずに読んだが、話はロマンチックになりすぎず、恋愛小説の甘々表現が苦手な私も難なく読めた。
現代の韓国の文化も所々描写されて、分かりやすく注釈のもあるので、すんなり受け入れ読み進めることができ、翻訳も丁寧で読みやすい。
作中に、
「人生はそんなに長くない。今から苦労しなくても、いずれ僕たちもこの世を去ることになる。だからそれまでは、どうか幸せでありますように。」
とあるが、とても優しく印象的で、この作品の象徴のように感じた。
日本は営利目的の書店が大多数である中、グッドナイト書店のようなサードプレイス的な書店が日本にもあったらいいのに、と思いながら読んだ。
Posted by ブクログ
敬遠している翻訳物だが、比較的自然に読めた。
日本語はいつも二人称がむずかしい。文中の「君」のニュアンスに違和感があるが、韓国の世界観ではどうなんだろうと、今でも考えている。多くは「あなた」でいくところだが、「あなた」が日常的かと言われればそうでもないし
全体の人と人との関わりが優しい
実はドラマを先に見て、なぜ好きなのに別れを決めたのか理解できなかったので原作を読んでみた。
結局はっきりはわからなかった。
Posted by ブクログ
誰かの日常を覗いているような感覚。
ずっと雪景色の中にある「グッドナイトブックス」の情景を思い描いて読んでいた。
どこにでもあるだろう
だれにでも起きている
日常にみかける出来事が
なんでこんなに大切な物語に感じるんだろう。
ドラマや音楽でのKエンタメのメロドラマ的なイメージやショーアップされた印象が強くて
今まで手に取る機会がなかったけど
初めての小説がこの本でよかった。
Posted by ブクログ
途中まではなかなか面白くならないな~と思っていたけど、段々と話にハマっていった♪江原道彗川の北峴里の叔母の家に帰ってきたヘウォンは隣の家が書店になっているのに気が付いた。「グッドナイト書店」。こんな田舎に書店なんて、ソウルでさえ小さな書店は長続きしないものだ。ウンソプは田んぼスケート場からヘウォンの姿を見つけた。今年も帰ってこないのだろうなと思っていたが。ペンション「クルミハウス」への道をヘウォンは登っていく。彼女が叔母に引き取られて来たのは十五歳の時だった。昔祖母が運営していた時の名前は「北峴民泊」だったが、叔母の茶色の犬の名前のクルミがそのままペンションの名前になった。
Posted by ブクログ
ソウルでの生活に疲れ切ったヘウォンは、ひと冬を故郷で過ごそうと戻ってきた。隣の空き家は、いつの間にか小さな本屋になっていたーー「グットナイト書店」。店主のウンソプにとってヘウォンは、初恋の人だった。彼女が戻ってきたことで、静かな冬の生活が変わっていく……。
本を読むことでその人の心が救われるなんて、そんなのは傲慢だ。本や物語にそんな力なんてない。でも人生で立ち止まった時、なぜか手に取ってしまうのは本だった。救われなくても、今抱えている嫌な気持ちを変えるきっかけをくれるから。
この本を読んだ後、なぜだかそう思った。
へウォンにとってウンソプはそんな本のような存在だったのではないかという気がする。ウンソプはへウォンのことがずっと好きなのもあって、常に優しいし。
お互いに抱えているものがあって、お互いに救う力はないし、救いを求めてもいないけれど、一緒に居るだけでその重荷を少しでも軽くできるのなら、それでいいんじゃないだろうかと思った。
タイトルの「天気が良ければ〜」は会う気なんかないのにはっきり「会いたくない」とは言わない曖昧な言葉。それをどう受け取るか、この本を読んだ人に聞いてみたいと思った。私は保身というよりは相手に対する遠回しな優しさなんじゃないかと思っている。