【感想・ネタバレ】私書箱110号の郵便物のレビュー

あらすじ

コン・ジンソルはFMラジオ局で働く構成作家。改編にともない、番組の新ディレクターとなったイ・ゴンと仕事をすることに。局内での評判は悪くないが、初顔合わせの段階からペースを狂わされ、人付き合いの苦手な彼女は当惑する……。丁寧な情景描写、人物の内面を繊細に描く文体で「ゆっくり大切に読みたい本」と韓国で評されるイ・ドウの処女作、ついに刊行。ソウルの地名が多数登場し、読むと街を散歩したくなる小説でもある。

★古家正亨氏、推薦
(ふるや・まさゆき MC/DJ/韓国大衆文化ジャーナリスト)
「懐かしいソウルの風景。自然と思い浮かぶ、慌ただしいスタジオでのやりとり。“30代の大人”が繰り返される日常に求めたもの。ラジオ局を舞台に“言葉”の担い手が不器用に、静かに紡ぐ、セピア色にときめくラブストーリーに胸打たれた」

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Posted by ブクログ

ネタバレ

前に読んだ #天気が良ければ訪ねていきます。が良すぎてまたイドウさんの作品を読んでみました。

ちょっと不器用な、大人なのに、青春のような甘酸っぱのある愛の物語

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

韓国イ・ドウ作家のベストセラー。
初版は2004年だそう。

世間のルールを守り、脱線しないよう真面目に生きている内向的な性格のジンソル(30歳女)はラジオ局の構成作家。
誰に媚びることもなく堂々としていて、仕事もできてユーモアも持っている、だけど実は心に小さなしこり(友人の恋人に10年以上片思い)がある有能ディレクターで詩人のイ・ゴン(33歳男)
二人が出会い、お互い惹かれつつも
ちょっとした誤解や嫉妬ですれ違い、お別れするもやっぱり忘れられずすったもんだの末また結ばれるというドラマみたいな恋愛小説。
30代って、特に女性は自分の将来に漠然とした不安や焦りを抱える時期だと思う。好きな人ができたとき、突っ走っていいのか、踏みとどまるのかすごく悩む。
ジンソルはこれまで恋愛に消極的に生きてきたのに、ゴンにどんどん惹かれていって、なんと自分から告白しちゃうんだけど(大人しそうなのに時として大胆なことするタイプ)逆にゴンは10年以上友人の恋人に片思い中の奥手くんで、新しい恋の一歩が踏み出せない。てか、かなり強引に踏み出してるけど最後の一線を越えられない(笑)

ジンソルはそんなゴンにじれったさを感じていて、その上片思いのエリに対するゴンのある行動を見て、嫉妬と絶望感を抱き離れることを決意。
あっさり会社も辞めて田舎の一軒家に引っ越し(決断力すご)
それからなんだかんだあって、まぁ、結局はくっつくんだけどね。
私が一番印象に残ったのは、ゴンのおじちゃんがジンソルを呼び出していろいろと人生論を語るところ。
このおじいちゃんがものすごくいい味出してて、その後亡くなっちゃったときはマジで泣きました。
友人や同僚たちとのエピソードもよかったし、ゴンが詩集を刊行したときのジンソルへのメッセージがまた素敵で〜。
小説の中には放送局がある汝矣島や、ジンソルのアパートがある麻浦区、ゴンの実家の梨花洞と東大門まで続く城郭。ソヌとエリ(片思いの人)の茶房【雨が降る日は入口が開く】(屋号が好みすぎ〜)がある仁寺洞などなど、馴染みのあるソウルの街並みをまるで自分が一緒に歩いてるみたいに想像しながら読めたのが最高に楽しかったな〜。
次にソウルに行くときは聖地巡りするぞ〜!
余談ですが、イ・ドウさんの前作『天気が良ければ訪ねて行きます』を訳してくださった清水博之さんは麻浦でカフェをされていてその屋号が【雨乃日珈琲店】っていうんです。
雨つながりだ〜〜って勝手にこっそりシンクロニシティを感じニヤついてるw

余談その2 : 訳者さんのあとがきに、ネット上では想定キャストとしてハン・ジミンちゃんとイ・ジュニョク。
ソ・ヒョンジンとコン・ユらの名前が上がっていて、訳者さんはシン・ヘソンちゃんとイ・ドンウクさんを思い浮かべていたそう。
ちなみに私はイム・スジョンちやんとキム・ソノ想定で読んでました(笑)

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2025年01月31日

Posted by ブクログ

すごく好きな本に出会ってしまった。
古家さんは韓国らしくも韓ドラ的でないと評していたけど、私にとっては韓ドラ的で、視覚でこのお話を確認したくて、どうかドラマ化が実現してほしいと思った。
言葉ひとつひとつが身に沁みて、自分でもわからないうちに、どういうわけなのかわからない涙が何度も滲み出て、読んでいて本当に気分がよかった。
私が韓ドラに求めているそれだった。

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2024年06月24日

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ドラマ化にもなった田舎の小さな書店の店主と初恋相手との再会を綴った2018年「天気が良ければ訪ねて行きます」は原作もドラマもとても良かったので、その著者が2004年デビューした作品が翻訳されたというので、忙しい合間に読むため電子書籍を購入しました。

「韓国らしい、でも韓国ドラマ的ではない、主人公たち」と帯に古家正亨氏が推薦しておられるのですが、まさにこの作品を的確に表現されています。

「冬のソナタ」によってもたらされた韓国ドラマブームから私もずっと韓国ドラマを追っかけているおばあさんです。

日本の戦前を思わせるような韓国の家族体系への反骨精神、そして性開放に戸惑う私たち世代に、まだまだ恥じらいのある男女間の恋愛模様を描く韓国ドラマに魅力を感じる私ですが、この作品も、そんな私を満足させてくれた作品でした。相手を大事にするがゆえ、一歩踏み出すのをためらう男性と、そんな関係に不安を感じる女主人公の心模様が丁寧に、著者お得意の季節の移ろいと絡ませながら物語が進むところが特に魅力です。

本作は著者のデビュー作品ですが、今もなお人気のあるロングセラーだそうです。2020年にはエッセイが本国では発売されているそうなので、その作品も翻訳されないかなと密かに待ち望んでいます。

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2023年11月26日

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「天気が良ければ訪ねて行きます」に引き続き、文章がとても綺麗。気付いたらすっかり感情移入していて、読書で久しぶりに胸がズキュンとした。後半読む手止まらず。ヘビーリスナーのお爺さんがチャーミング!

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2023年11月07日

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本の帯に書いてあった通り…
韓国ドラマよりもリアルで、胸が苦しくなって、暖かくなって、最高にキュンキュンした。
恋愛したくなるお話。

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

中盤まではよくある関係性のラブストーリーで、恋愛の現役を過ぎた私には懐かしくも少し退屈に感じられましたが、起承転結の転のあたりでググっと面白くなり、最後まで駆け抜けることができました。読後感が温かく、いつかまた丁寧に読み返したくなるような心に残るフレーズがいくつもありました。およそ20年前の作品ですがあまり違和感もないので、孤独感だっり平穏を求めるあまりなかなか恋愛に踏み出せない感覚は変わっていないか、益々強くなっているのかなと思いました。

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2025年05月25日

Posted by ブクログ

ラジオ局で働く30代男女の不器用な恋愛模様。
著者の本は「ゆっくり大切に読みたい本」と言われていて本作は韓国で20年以上前に出版されたが今も愛されているというのに納得。
夜眠る前にゆったりと読んだ。
文章が美しく登場人物それぞれの感情が心にそっと静かに響く。

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2025年02月22日

Posted by ブクログ

「天気が良ければ訪ねて行きます」から。
トレンディドラマのようなオシャレな恋愛小説。
ラジオ局・構成作家など馴染みのないもので入り込みにくかったけれど、少しずつ愛を育む感じは良かった。

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2024年10月31日

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