坂崎かおるの作品一覧

「坂崎かおる」の「海岸通り」「嘘つき姫」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 海岸通り
    3.7
    1巻1,500円 (税込)
    【第171回芥川賞候補作】 踊る、それがわたしたちの自由 海辺の老人ホームに集う女たちのゆるやかなつながり。 いま最も注目される新鋭の最新作。 「これってフツー?」 「わたしの中じゃね」 「クズミさんのフツー、ちょっとヘン」(本文より) 海辺の老人ホーム「雲母園」で派遣の清掃員として働くわたし、クズミ。 ウガンダから来た同僚マリアさん。 サボりぐせのある元同僚の神崎さん。 ニセモノのバス停で来ないバスを毎日待っている入居者のサトウさん。 さまざまな人物が、正しさとまちがい、本物とニセモノの境をこえて踊る、静かな物語。
  • 嘘つき姫
    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    戦争の中で嘘が姉妹を繋ぐ「嘘つき姫」、電気椅子ショーに挑む魔女と技師「ニューヨークの魔女」ほか、書き下ろし2篇を含む全9篇。小説が待ち焦がれた才能、正真正銘「待望」の初作品集。 この本は、まるで鍵束だ。一つ読むたびに何かが解き放たれ、そして迷宮への扉が開く。 ――岸本佐知子氏(翻訳家) 過去未来大小遠近あらゆる世界を鮮やかに的確に語りながら精緻な余白を残し、読者にその余白をこそ玩味させる。手練れの技だと思う。 ――小山田浩子氏(作家) この想像力が世界の有り様を拡張する。少し広くなった世界で、感情が、愛が息づく。 ――斜線堂有紀氏(作家) ◎装幀=名和田耕平デザイン事務所(名和田耕平+小原果穂) ◎装画=はむメロン
  • 水都眩光 幻想短篇アンソロジー
    5.0
    1巻2,400円 (税込)
    彼方は遠く、記憶になかったことばかり思われる 仰げば彼方は鏡のようにある。記憶になかったことばかり思われる。――「ラサンドーハ手稿」 蜃気楼のように現れる塔。ざぶんざぶんと波の音。へそから出てくるうなぎたち。母がクリーニング店に預けたもの。画家が描く瓜二つの妹たち。ある日、人類に備わった特殊能力…… 九人の実力派作家が紡ぐ幻想アンソロジー。 【目次】 ラサンドーハ手稿 高原英理 串 マーサ・ナカムラ うなぎ 大木芙沙子 マルギット・Kの鏡像 石沢麻依 茶会 沼田真佑 いぬ 坂崎かおる 開花 大濱普美子 ニトロシンドローム 吉村萬壱 天の岩戸ごっこ 谷崎由依
  • 箱庭クロニクル
    3.8
    1巻1,980円 (税込)
    『嘘つき姫』で鮮烈デビュー、2作目『海岸通り』で芥川賞候補。 ファンタジックな世界観と異国情緒ただよう文体で読者を魅了する、2024年最大の新人が、文芸界に風穴を開ける。 次世代の「本物」を探すみなさま、この「才能」を、見つけてください。 ~~~~~~ 手のひらのミクロコスモス。地獄の口に何度でも出くわす人生、でも私だけの天国に続く糸も確かに光り、ここにある。この物語の中に。 ーー 一穂ミチ とびきり美しい物語群の中に暗さや裏切りがあって、人間の光と影を同時に見せてくる…才能って“これ”のことね!? ーー佐伯ポインティ 孤立と連帯のあわいを揺れる不器用な人間の心。その迷宮の出口は、意外なところに開いている。 ーー千街晶之 注目作家の変幻自在っぷりが炸裂。一編一編異なる魂を持つ、驚異的な短編集。  ーー瀧井朝世 坂崎さんの紡ぐ、宝石箱がきらめくような言葉づかいに、もう、夢中です!!! ーー三宅香帆 ~~~~~~ ★収録作品★ 「ベルを鳴らして」(日本推理作家協会賞短編部門受賞作) そこにひとつの戯画がある。家一軒ほどの大きさのタイプライターだ。 「イン・ザ・ヘブン」 地獄はどこにでもある。内とか外とか関係ない。 「名前をつけてやる」 これは「バッグ・クロージャ―」これは「ランチャーム」これは「ポイ」 「あしながおばさん」 拝啓 盛夏の候、時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 「あたたかくもやわらかくもないそれ」 ゾンビは治る。マツモトキヨシに薬が売ってる。 「渦とコリオリ」 水流は左に渦を巻いている。 邦文タイピストの少女がついた歴史を変える嘘や、禁書運動家の母親を持つ少女の始祖サンドで繋がれた絆、流行り病「ゾンビ」で親友を亡くした女性の不思議な一晩etc. 人生ベストの一編が、ここに。

ユーザーレビュー

  • 箱庭クロニクル

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    芥川賞候補作家の短編集。この本の冒頭作は日本推理作家協会賞短編部門受賞作というのだから、才能あふれる人なんだろうとは思ったが、それ以上に面白い小説を書く作家さんでとても気に入った。

    6編の短編が収録されているが、全てテイストが違って、しかも捨て作なし。短編小説の醍醐味が存分に詰まっていて、1作読むごとに満足感が半端ない、それこそ下手な長編小説読むよりよほど密度が濃い。それなのに読みやすいのは文章が上手いんだろうな。

    表紙のイラストも雰囲気が出てて良かった。いや、またしても気になる作家さんを見つけてしまった。
    前2作も読んでみようと思う。

    0
    2025年11月02日
  • 箱庭クロニクル

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    先生に恋するも。実は友達が、先生の娘だったっ言うタイプライターの話が印象的だった。
    あと、ゾンビに効く薬がマツキヨにあるって言うやつが、シュールだったを

    0
    2025年09月04日
  • 箱庭クロニクル

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    短編が6作品載っている。
    どの作品もとても面白かった。主人公の性格や年齢がバラバラなのが読んでいて全く飽きなかった。
    表紙には、それぞれの物語に関係した物が描いてあって、読んだ後や途中にふと目に入ると微笑ましく思った。

    【あらすじ】
    6作品の中の最初のお話を紹介。
    「ベルを鳴らして」
    タイプライターを極める少女(シュウコ)のお話。女性がバリバリ働くのが良しとされない時代。シュウコはタイプライターの学校で「先生」と出会う。先生にライバル意識を持ち勝負を挑むも完敗。シュウコは先生に淡い思いを抱くが、先生が気にかけていたのはシュウコではなく、、、

    【感想】
    「ベルを鳴らして」
    悲しみの優しさの物

    0
    2025年08月29日
  • 箱庭クロニクル

    Posted by ブクログ

    短編集
    とんかつ屋さんでのお話がぶっ刺さりました
    静かに壊れていく日常 を淡々と
    いやあ怖かった 旦那さんについてその後一切触れないのも怖い
    これは当たりでした

    0
    2025年03月07日
  • 箱庭クロニクル

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    まず、不思議で、ちょっと不気味な表紙絵に惹かれた。
    クラゲのような頭を持つおんなのこ。急須の頭に鳥の羽根と足を持つ生きもの。空を飛ぶ飛行機のような魚…。
    ファンタジックな世界観に、ファンタジーだと思う方もいらっしゃると思うが、作者は芥川賞候補作家で、この短編集の中の冒頭の作品『ベルを鳴らして』は、日本推理作家協会賞短編部門受賞作品である。
    6編の短編、いづれも年齢も出自も生きる環境も違う女性が語り手で、女性同士の関係性が重要なテーマとしてある。
    友だちのようなもの、だったり、母と娘だったり、姉と妹だったり、店員と客だったり。
    よく、こんなにカラフルでグラデーションのある関係を微細に書けるなと感

    0
    2025年01月31日

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