宮地尚子の作品一覧
「宮地尚子」の「傷を愛せるか 増補新版」「傷つきのこころ学」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「宮地尚子」の「傷を愛せるか 増補新版」「傷つきのこころ学」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて購入したけどとても良かった。
本棚に閉まって疲れたときにそっと開きたいと思える本だった。
誰もが傷を抱えて生きてるもの。傷ついた心を癒す薬はない。だからこそ強がる必要もなくて、傷を受け入れて心に閉まって生きていけるのが魅力的な人。
痛みをそっとなぞって受け入れて、恥じずに労わることがどれほど難しいことか。特に男性は難しいらしいから全てを受け止められる包容力がほしい。
誰も関心をしないけど自分が不思議と思ったら突き詰めるって言葉も沁みたなあ。
最後の「傷を愛せないわたしを、あなたを、愛してみたい。傷を愛せないあなたを、わたしを、愛してみたい」って文章には涙が出てきた。
Posted by ブクログ
トラウマ研究の第一人者である著者が綴る日常エッセイ集である。著者の人となりが垣間見えるとても静謐で実直な文体が、読者を追い詰めることなく優しく認めてくれる感覚を味合える。
トラウマ臨床の研究者で医師という肩書きからは、トラウマに関する事象全てを掌握しているプロフェッショナルという姿が想起される。そこには、一切の失敗や妥協を許されない姿勢が求められるプレッシャーがあるだろう。切羽詰まっている患者からすれば、簡単に改善してくれるだろうと縋るのも当然と想像に難くない。
しかし、著者は当事者としてプロフェッショナルにも当然あるはずである人間性を吐露する。一発で症状を改善させるようなことはできないし、常日頃心に傷を負った患者と接することで精神がすり減っている現実があるのだ。
ではプロフェッショナル、ひいては他人としての私たちは傷を負った人々に対して無力なのだろうか。著者は、傷ついた人に寄り添うこと、何もできないがただ見ていることの重要性を示す。傷を傷のままに認め受容しながらその上で人生を続けていくこと。このような態度で自他ともに接することが大切なのだろう。
著者の日常の些細な出来事からより抽象的なテーマへと話題を転換させる思考の独自性が、おもしろい。様々なテーマの根底には、読者の経験する日常の歯がゆさや無力さを優しく包み込んでくれる、そのような優しさがある。