わぁ、これはいい。逃げていいんだよ、逃げるべき。そして関わるべくして関わったのだろうけど、ちゃんとその後の生活まで書き上げてあるのがすごく心の救いになった。まず休み、ストレス源と距離をとって、体力と気力を回復させる。そして、自分の気の赴くままにやりたいことをやる、これが休むということ。それがものすごーーーくわかりやすく書いてあった。休職する時は診断書と共にこれを渡してほしい…
p.144 優しさにはいろんな種類があると思う。辛い時、悩みを親身になって聞いてくれる。優しさ、反対に何も聞かずに普段通りに接してくれる優しさ。そしてその人に合った優しさはなんだろうと考える。優しさもパンケーキを甘さを噛み締めながら、A子ちゃんとはこれからも友達でいたいと思った。
p.158 なおにゃんさんが時間をかけて、自分を振り返った貴重な「振り返りレポート」は、優しい漫画のタッチになっておりますが、実に壮絶なサバイバル記となっています。そして、ご自身を「コミュ障」と揶揄しておりますが、決してそうではなく、ご自分なりに不調の原因の辻褄の合わない部分を、今も時間をかけて自分を苦しめないように気持ちの整理をしているように思えました。これは「葛藤」と言われ、心の「ケンカ」です。個人ごと、年齢ごとに葛藤できる「体力」は決まっており、また、年齢を重ねるたびに、体力がつくと言われておりますが、いっぺんに対応できる「こころ」の「体力」は限界があります。
なおにゃんさんは、ご自分が燃え尽きないように、そおっとそおっとたくさんの「セルフ・セラピー」を通して、傷ついた自分の「こころ」を修復しており、その過程は、「素晴らしい」としかいいようがないです。
また、家族や友人に気を使わせまいとして、休務していることをうまく伝えられないもどかしさは、不調になった時に多くの人が感じることでもあり、だからといって、周囲がどうやって不調の人に寄り添ったらよいのか、難しいテーマでもあります。題名でもある「うつ逃げ」は、自分から逃げているのではなく「自分を守っている」とお感じになった方も多いのではないでしょうか。「自分」を守ることを、最初から知っている人などいませんが、強いフラストレーションを呼び起こす「職場」から「避難」したことは、とてもよかったことかと思います。
また、その後に自分が何をしたらいいのか。
これもやはり難しいテーマです。なおにゃんさんが、皆中模索していた様子は、みなさまもお読みになりながら、もどかしく感じつつも、だからといってこれをした方がいい、という明確な答えは見つけられなかったと思います。ただただひたすら、なおにゃんさんが苦しみから解放される日が来るようにと、祈るようにお読みになったのではないでしょうか。
そして、「休むって意外と難しい」と、なおにゃんさんのように、休んでいる方の多くが悩むそうですが、なおにゃんさんがおっしゃるように「人それぞれ」「自分にとってよかった」という気持ちで休んでほしいですし、それをうまく周りが支えられるといいのですが、どちらもとても難しいテーマです。
その優しさを優しく、そして、分け隔てなく接してくださった英子さんは、見本のような方ですし、職場を去るときに、そっとメールを送ってくれた方にはホッとさせられ、遥か彼方に出かけた先で出会う人々には、なおにゃんさんは、さりげなく支えられたのではないでしょうか。
「人は人で癒される」といいますが、みなさまも有形無形で、誰かを支えているかもしれません。常に優しさで人と接することができるといいですね。
最後に、専門家から見て、なおにゃんさんが不調になる時も、休む時にも、辞める決断をする時にも、会社には歪んだ「同調圧力」が見受けられました。そして、彼らの対応にはたくさんのNGがありますが、どうにかならないものかと思います。もしも、みなさまが所属している組織に少しでもNGがあったら、誰かと手を取り合って直していく必要があると思いますし、それがまわりまわって自分を守ることにも繋がるでしょう。
なおにゃんさんが、これからもノビノビと人
生を謳歌することを願ってやみません。