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  • 物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために
    3.8
    1巻1,001円 (税込)
    物語はなぜ苦しいのか?「物語」が過剰に要求される現代社会で、「人生とはかくあるべきだ」という押しつけに抗う。 新進気鋭の美学者による「次世代の哲学」。 【推薦の声、続々!】 〇永井玲衣氏(哲学者・『水中の哲学者たち』『世界の適切な保存』) わたしたちは何のために哲学するのか。 それは、もっと世界に出会うため、もっと広々とした場所に行くため、もっと可能性にめまいをおぼえるためなのかもしれない。難波さんは、考えれば考えるほど、自由になっていくみたいだ。 〇田村正資氏(哲学者・『問いが世界をつくりだす』「あいまいな世界の愛し方」『群像』) ずっと、アイデンティンティを見つけなければと思っていた。 でも、アイデンティティという名の物語に囚われていただけだったのかもしれない。難波さんの本はそんな僕に「世界を見くびるな。そこから出てこい!」と語りかけてくれる。 【抜粋】 清涼飲料水の広告の少女はいつもドラマティックな青春を謳歌しているし、「推し」はファンの期待した筋書きどおりに振る舞うし、就活面接では挫折経験を「美談」として語らねばならない。 私は端的にこう思う。何かがおかしい、と。 人々はあまりにも強い物語の引力に引き寄せられて、もはや物語に支配されつつあるのではないか、と私は危惧し始めた。 だから、私はこれから、物語に対抗したいと思う。何かしらの物語が私たちの幸福を奪うのだとしたら、もはやそんな物語は廃棄されるべきだろう。私はよき物語を愛している。それゆえ、物語を批判したいと思う。愛するということは、支配されるわけでもなく、支配するわけでもなく、独特のバランスのなかで惹かれ合い、反発し合うことなのだと考えている。 第一部の「物語篇」では、物語化の持つ魔力と危うさを論じていく。第二部の「探究篇」では、物語の危険を避け、物語を相対化できるような思考を「遊び」を手がかりに探索していこう。その中で、改めて物語との向き合い方がみえてくるはずだ。 物語化批判、そして、遊びの哲学を始めよう。 【内容紹介】 〇 誤解を生む「自分語り」(第1章 物語批判の哲学) 〇「感情的だ!」という批判をする人こそ、実はもっとも「感情的」(同上) 〇 アイデンティティは服のように「着替えられる」(同上) 〇 人生を「攻略」しようとする人が陥る「視野狭窄」(第2章 ゲーム批判の哲学) 〇 なぜ人は「考察」と「陰謀論」にハマってしまうのか(第3章 パズル批判の哲学) 〇 真のギャンブラーが欲しいのは「お金」ではない(第4章 ギャンブル批判の哲学) 〇 残酷だけど創造的な「おもちゃ的生き方」(第5章 おもちゃ批判の哲学)
  • SFプロトタイピング SFからイノベーションを生み出す新戦略
    3.6
    1巻1,980円 (税込)
    SFを通じて未来をプロトタイプし、そこからの逆算=バックキャストで製品開発や組織変革の突破口を開く――SFプロトタイピングと呼ばれる手法がいま、ビジネス界で熱い注目を浴びている。主要な面々による座談会+論考でその最前線に迫る、本邦初の入門書
  • なぜ人は締め切りを守れないのか
    NEW
    -
    1巻1,980円 (税込)
    「締め切り」から、現代社会に深く埋め込まれたルールを描き出し、豊かな生き方を探る哲学的冒険。仕事の締め切りから、人生の締め切り、「死」まで考える。 ●千葉雅也さん推薦! 私たちは実のところ、「締め切り」のことをよく知らないまま生きている。 ときに私たちを苦め、ときに私たちを奮い立たせる「締め切り」とは何なのか? 「締め切り」から、現代社会に深く埋め込まれたルールを描き出し、豊かな生き方を探る哲学的冒険。 “我々は、いわば「時間的な無理」をさせられている。生きることの柔軟性をどう取り戻すか。この時間論には、哲学の新しい文体がある。すごく良い本だと思った。元気が出る本だ。” ──千葉雅也 時間について:時間とはそもそも何なのか? 計画について:昔の人はもっとのんびり生きていた 仕事について:無理な要求から逃れる方法は? 死について:最大にして最後の締め切りを考える ●締め切りの間を縫って、私たちが〈いい時間〉を手に入れるために “残業によって得られる賃金は計算できる。さまざまな締め切りの集合体である「プロジェクト」は、時間を対価に成果を提示する。いっぽうで、愛する人と過ごす時間、趣味に没頭する時間の価値は計算が難しい。私たちは、〈いい時間〉を計量することができずにいるのだ──。” 【目次】 序章 なぜ人は締め切りを守れないのか 第1章 いい時間とわるい時間──私たちはどんな「今」を生きたいのか? 第2章 プロジェクト──私たちから時間を奪うもの 第3章 生きている時間──私たちはいつも何かに間に合わない 第4章 いろいろな遊びの時間を旅する──時間の遊び論 第5章 いい時間をつくる──時間正義のためのデザイン 第6章 デッドライン──死から締め切りの本性を考える あとがき ブックガイド 新しい時間をデザインするために 参考文献 【著者】 難波優輝 1994年生まれの美学者。専門は、分析美学とポピュラーカルチャーの哲学。他の著作に『物語化批判の哲学〈わたしの人生〉を遊びなおすために』(講談社現代新書、2025年7月発売予定)、『SFプロトタイピング』(共編著、早川書房、2021年)。

ユーザーレビュー

  • 物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために

    Posted by ブクログ

    わかりやすくてすいすい読めるが、よくよく考えるとよくわからない。
    流石哲学だ。
    物語=ナラティブの魔力と危うさを論じた後、
    物語のオルタナティブ【代替?】、危うさを避ける遊びとして、
    ゲーム、パズル、ギャンブル、おもちゃを論じる。

    一つ一つはすごくわかりやすい。
    でも、この新書を通して、著者が何を言いたいのか、
    まだわかってない。

    229頁の表はわかりやすい。
    しかしこれは何なんだ。


    遊び方 時間のあり方 遊びの構造 カテゴリ 美的特徴

    物語 通時的 理由と関係 物語 理解と情動
    (小説、演劇、エッセイ、映画、悲劇、喜劇)

    ゲーム ゲームごとの反復と連なり
    課題と挑戦 ゲームプレ

    0
    2025年10月14日
  • 物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために

    Posted by ブクログ

    生身の推しがいるオタクたちは、「4、キャラクターをアニメートする」を読んでくれ〜!己の加害性に向き合おう!

    推しが自分の理想とは違う動きをしたとき/または期待した行動をしてくれなかったとき、「裏切られた」がっかりしてしまうのはなぜか。オタクは他者を勝手に規定することの暴力性を自覚したほうがいい。

    0
    2025年10月05日
  • 物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために

    Posted by ブクログ

    ◎人生を解釈しすぎるから心身に不調が訪れるのではないか
    ◎私は自分の人生の作者ではない(ハンナ・アレント)

    かなり興味深い。ただ、文章が難しくて内容の反復も多いので、目が滑って読むのに時間がかかった。引用している論文や思想については最近発表されたものも多く、内容的にも現代思想の最先端だと思う。しかし単なる思想の列挙というより、現代人の感情や欲求を認めつつ、否定よりもやわらかい表現でそこに潜む危険性を教えてくれる本だった。

    気になった箇所のメモ

    ・自己語りがまともなものになるためには、人は自己の一貫性を危険に曝すこと(=批判的で率直な友人や家族に自己の歴史を語ること)を喜ばなければならない

    0
    2025年10月04日
  • 物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために

    Posted by ブクログ

    なぜ私たちは物語を物語以上に使ってしまうのか。例えば就活での自己PR、MBTIや推しなどのキャラクター性、自分語りなどのこと。これらは当てはめることで、診断どおりに動いてしまうなど視野狭窄になるリスクを背負ってしまう。そしてこの本では物語以外にも遊びを考えており、ゲームもゲーミフィケーションなど資本主義に結びつけて使われてしまっていることも批判している(レベルアップなど)。パズル的主体、ギャンブル的主体、そしておもちゃ的主体と、遊びから脱却の方法を考えていく。多趣味ですでに実践しているが、自分では言語化できなかったところも指摘していて興味深い本だった。

    0
    2025年08月16日
  • 物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために

    Posted by ブクログ

    本書の第1章を読んで、なぜ自分がSNSを苦手なのかが少しわかった気がする。

    SNSの記事にするためには、大なり小なり自分のことを物語化する必要があり、それに対する心理的な抵抗感があるからのようだ。

    自分に起こった出来事や感じたことの中から、わかりやすく伝わりやすい物語を作るために、あるものは捨てて、あるものは少しだけ改変することへの罪悪感のようなものがその抵抗感の源だと思う。

    だったら、SNSに書くときに、物語化などせずに、起こったことや感じたことをそのまま書けば良いではないか、という反論が自分に対して浮かんでくる。

    ただ、そんな事実の羅列では、本人でさえ読むに耐えないような退屈な代物

    0
    2025年08月13日

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