五十嵐大の作品一覧
「五十嵐大」の「エフィラは泳ぎ出せない」「聴こえない母に訊きにいく」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「五十嵐大」の「エフィラは泳ぎ出せない」「聴こえない母に訊きにいく」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
故人を取り巻く人々はそのひとりひとりが故人を思い、案じ、何が故人にとって幸せなのかを自分なりに考えていた。
その思いだけに着目すれば、それは愛情と表現して差し支えないものだと思う。
ただ、自覚の有無にかかわらず彼らの取った行動はそれぞれに利己的に歪んでいて、それらの歪みの積み重ねが故人を傷つけ、苦しめた。
一切利己的でない人間なんてこの社会では生きられないから、彼らのあり方は自分と地続きだ。
愛情のつもりで、手助けのつもりで、選択肢を奪う。
障害福祉に関わっていたって(勿論全く無縁でも)、この落とし穴は常に薄皮一枚隔ててすぐ隣に存在している。
選択肢を奪われ傷ついている人に提示された自分の
Posted by ブクログ
この小説はフィクションのはずなのに生々しい。
生きていくってひとつひとつをこなしていくというより、いろんな問題が解決しないまま連なっていく感じで、この小説に終わりがないという点もリアルを感じさせるひとつの要素なのかなと思う。何が正解かもわからないまま生活は続いていく。
この小説にはいわゆる「悪い人」は出てこない。
それぞれの少しづつの感覚の差異がひとつの事件に発展してしまうわけなんだけど、たぶんなにかが悪いとしたら「タイミング」なんだろうなって思う。そういう感じもまた実にリアルで。
また、子ども支援に携わる身としてもこの小説は「今」にマッチしていて秀逸と感じている。「子どもの最善の利益」に