作品一覧

  • 言の葉は、残りて
    4.6
    1巻792円 (税込)
    美しい海沿いの景色と裏腹に陰謀、嫉妬、憎しみが渦巻く鎌倉幕府。その若き三代将軍・源実朝のもとに、都から摂関家の姫・信子が嫁いできた。突然の縁談と異国の地に不安を覚える信子は、実朝の優しさと生まれて初めての海の匂いに包まれ、次第に心をゆるしていく。一方、自分のために鎌倉へ来てくれた妻を生涯大切にしようと誓った実朝は、信子の導きで和歌の魅力を知り、武の力ではなく言の葉の力で世を治めたいと願うようになる。しかし、殺戮さえいとわない醜い権力争いが、否応なく二人を悲しみの渦に巻き込んでいくのだった……。悲劇の将軍の葛藤と信念、そして運命に翻弄された夫婦の切実な愛を描く歴史恋愛小説。第32回小説すばる新人賞受賞作。
  • わたしの名店
    3.6
    1巻726円 (税込)
    三浦しをん、西加奈子、道尾秀介、ジェーン・スー、朝井リョウ、瀬尾まいこ、畠中恵、はるな檸檬、小川糸、森見登美彦――全28名が競演する「おいしい」エッセイ集。キラキラとした幸福感が染み入る「鴨ロースト」、憂鬱の原因が汗とともに流れ出ていく「ガパオ」など、自身にとっての「名店」と大好きな一皿をエピソードを交えて綴る。お腹も心も満たされる食エッセイ。エッセイに登場するお店の情報も掲載。
  • さざなみの彼方
    4.0
    1巻913円 (税込)
    時は戦国。茶々(淀殿)は幼い頃、住んでいた城を信長に落とされた。父が自害に追いやられるも、生まれた時から共に育ってきた大野治長に守られ、逃げることができた。治長は茶々を一生守ると誓い、茶々も彼にそばに居てもらいたいと願う。その後、ふたりは柴田勝家の元に身を寄せたが、今度は秀吉に城を攻められ、茶々の母が自害する。そして二度目の落城を経験した茶々は、秀吉に側室になれと言われてしまい・・・・・・。二度の落城。許されぬ裏切り。家康の脅威。運命に翻弄されながらも、互いを思い合う茶々と大野治長の姿を描く、歴史恋愛小説!
  • 残光そこにありて
    4.1
    1巻2,310円 (税込)
    2027年大河ドラマ『逆賊の幕臣』の主人公に決定! 幕末を生きた天才的能吏の壮絶な生涯を描く傑作。 黒船の来航により、あらゆる価値観が変化していく幕末動乱期。 日本に「関税」という概念すら存在しないこの時期に、ひとりその重要性に気付き、諸外国を驚嘆せしめた男がいた。 旗本・小栗忠順。 武士でありながら、政治・経済の才覚を持つこの男は、外国奉行や勘定奉行を歴任。 幕臣たちに忌み嫌われる「上野介」を名乗り、勝海舟や十五代慶喜と対立しながらも、 幕府財政を再建のために、国内外を奔走する。 やがて訪れる戦乱。誰もが保身に奔る中、それでも忠順は、後の世のことを諦めない。 彼を突き動かすのは旗本としての矜恃、そして何より、大切な妻との約束であった。
  • 白蕾記
    3.4
    1巻1,870円 (税込)
    大坂の蘭学塾「適塾」を営む名高い医学者、緒方洪庵の妻となった八重。ぎこちない暮らしの中、次第に二人は心を通わせていく。そんな中、恐るべき疫病の疱瘡が流行の兆しを見せはじめた。洪庵と八重は、人々が疱瘡に苦しむことのない世をつくるため、適塾で学ぶ志士たち――大村益次郎、橋本左内、福沢諭吉らと共に新医術「牛痘種痘」を広めようとする。だが、それは長く困難な闘いの始まりだった。多くの人材を育て、近代医学の礎を築いた夫婦のひたむきな愛と絆を描く感動の歴史小説。
  • 花散るまえに
    4.3
    1巻1,980円 (税込)
    今村翔吾氏 推薦! 「たおやかな筆致で描かれる、苛烈な愛のゆくえ。この作品を書く感性をまぶしく思う」 最初に父親から教えられたのは自害の作法……細川忠興は愛を知らなかった。 玉(ガラシャ)は、妻として忠興に寄り添いたいと思う。 しかし父・明智光秀の謀反により、夫婦の運命は暗転。 謀反人の娘となって幽閉された玉は、やがてキリスト教の愛に惹かれていく。 一方、忠興は玉の心を失う孤独と恐怖から、刃を振り上げ――。 本当に大切にすべきものは何だったのか。 物語は歴史上もっとも美しいラストシーンへ。 細川ガラシャと忠興、日本史上もっとも歪んだ純愛を描いた歴史小説。
  • 行成想歌
    4.7
    1巻1,980円 (税込)
    「我が蔵人頭は、優しいが頼りない……」幼い頃に父を失った藤原行成は、平安貴族としての官位栄達を諦めていた。しかし、行成の姿を見ていた一条天皇は、彼を側近である蔵人頭に任ずる。その行成は、一条天皇の感情の自制と苦悩に満ちた生涯を目の当たりにすることとなった。筆の名手「三蹟」の一人として知られる行成とその妻、一条天皇と中宮定子、そして清少納言。互いを信じて想い合う姿には、愛が溢れていた。

ユーザーレビュー

  • わたしの名店

    Posted by ブクログ

    これはいいものを読ませていただきました!
    読んでいて幸せになれる本。

    やっぱりおいしい食べ物にまつわるエッセイが大好き。
    28人の著名人が実在する名店の思い入れのあるメニューを紹介してくれていて、すべての作品からその食べ物への愛が感じられて最高でした。

    初めて読む作家さんも何名かいらっしゃって、この方の文章好きだな、他の作品も読みたいなと思える作家さんに出会えるのがアンソロジーの好きなところです。

    同じくポプラ文庫さんから出版されている
    『3時のおやつ』も読みたくなりました!

    0
    2025年11月23日
  • 残光そこにありて

    Posted by ブクログ

    2027年の大河ドラマの主人公、小栗忠順の物語。最後まで幕臣であることを貫き、最後は斬首される。倒幕側からではなく、倒される幕府側にいた者で、なおかつ先の世を見つめ、民のために国のために国益になるものを残そうとした。先見の明があったにも関わらず、旗本としての自分を最後まで貫き通した。疱瘡痕を残した見た目は男前ではなかったかもしれないが、その生き様は、倒幕や大政奉還に巻き込まれながらも、ぶれることなく国としての未来を見つめて、幕臣として闘う男前な生き様だった。
    今風に言うと忠順は、ダメな経営者の下で働く、とびきり財務能力のある部下、かな。
    立場が違うと、こんなにも見え方が違う。そして、矜持を持つ

    0
    2025年10月15日
  • 花散るまえに

    Posted by ブクログ

    途中、忠興の歪んだ愛が苛烈で、読んでいて辛かったけど、最後のあたりで全てが拾い上げられたようで、十字架のところからずっと泣いてしまった
    佐藤雫さんの小説は文章も綺麗で、展開も鮮やかでどんどん読んでしまい、そしてクライマックスはいつもじんとする感動がある…!

    0
    2025年08月11日
  • 残光そこにありて

    Posted by ブクログ

    歴史旬小説は登場人物たちの結末を既に分かっている事に加えて、小説の事案に対する感情は現代人が持つ倫理観であったり常識を基準するので、幕末の小栗上野介に対する読者の思いは切ないものになってしまう。
    歴史的事実を読者の感情を揺さぶるように脚色され、余韻を残してくれた小説だった。

    0
    2025年07月26日
  • 言の葉は、残りて

    Posted by ブクログ

    史実を元に、こんなにきれいにまとめ上げてることに感動!最後ホロリときてしまった…
    登場人物が多い物語は本来苦手なのですが、このお話はそれぞれのキャラクターや心情が丁寧に描かれてるので、どの人物も人物像を描けて物語にぐいぐい引き込まれていきました。
    佐藤雫さんの他の本も読みたいと思います!

    0
    2025年06月30日

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