道本美穂の作品一覧
「道本美穂」の「失われた報道の自由」「家父長制の起源 男たちはいかにして支配者になったのか(集英社シリーズ・コモン)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
瀧波ユカリが紹介してたので読んでみた。家父長制を固定的・普遍的な構造としてではなく、「変化し得るもの」として扱っている点が新鮮だった。霊長類社会におけるジェンダー構成の多様性、世界各地における母系社会の存在、DNA解析によるヨーロッパでの家父長制の広がり、さらにはアテネとスパルタの女性像の対比と、それぞれの章が「家父長制はどこにでも自明のように存在していたのか?」という問いに対し、歴史的・文化的・生物学的な反例を積み上げていく構成になっており、読み応えがあった。
特に、女性を「人を生産する資源」として奴隷化したという視点に対して、「それはすでに奴隷が存在していた社会だったからこそ起きた」という指摘は鋭くて、歴史のコンテクストを見落とさない著者の視線はすごくいい。
また、旧共産圏での女性エンジニア比率の高さを紹介し、女性の社会進出が社会主義によってある種「加速された」点に着目するあたりも非常に示唆的だと思う。「壮大な社会実験」としての社会主義が、皮肉にも女性の役割を拡張したという事実は、単に制度や思想だけではなく、実際の社会構造や目的によってジェンダーが変容し得ることを浮き彫りにしてる。
一方で、学者の名前や文献の引用が連続して、どこまでが著者の主張でどこまでが引用か判然としない構成は、読んでてかなりの負荷だった。家父長制における知的な冒険の連続であると同時に、編集的な視点からは「読みやすさの設計」において課題が多いと思う。めんどくさかった。巻末の上野千鶴子氏の解説が最も明快だった。
家父長制は肯定できないが、ある意味では人間社会が成熟していく過程における、ある程度合理的で必然の選択でもあったのではないか?とも考えた。これはとても皮肉なんだけど、現実を直視すると否定はしきれず、思考の余白を残してくれる読後感につながった。
Posted by ブクログ
ビジネス書やリーダーに関する本をいくつか読んできたが、この本はよくあるリーダー論の本とは異なり、仕事に限らず生きる上で身体の感覚やマインドフルネスの考え方を大事にしよう、というところを一貫して教えてくれる本だった
日々いち早く多くのことをこなして自分の理性や脳で判断し続けるだけでなく、日々のペースを落として、自分や相手の感情まで含めて感じるものを大事にして人とのつながりを感じることで、より多くの情報を汲み取って判断できるようにするのが大事であり、それによって絶え間ないプレッシャーや常に時間がないと感じるような感覚から解放される
瞑想やマインドフルネスについて多くのところで書かれているため、人によっては瞑想の本と感じるかもしれないが、仕事の目的が周りの人や社会への貢献だと考える自身としては比較的腑に落としつつ読むことができた
→とはいえリーダーについて、ということよりも、人生における考え方、思考法、精神論的な話が主ではある
金銭や物質的利益をいくら手に入れても、目的意識や意義を理解した上で自分が誰かに貢献していると実感しながら生きる満足感には及ばない
→仕事と目的が合致しているか定期的にチェックしよう
以下、自分用メモ
私たちは、問題を生み出した時と同じ考え方では問題を解決することはできない•••アインシュタイン
癒し手としてのリーダーは、悲しみを認めない限り喜びは感じられないと理解している
恐怖を受け入れない限り真の強さは理解できないとわかっている
感情を無条件に受け入れない限り高いレベルの知性と知見は手に入らないと理解している
物事を頭で処理しているとき、解き明かすことに懸命になり、多くのことを見落としている
重要なことは、かすかな変化も含めてすべてのシグナルとメッセージに心を開くこと
マインドフルネス…感覚に意識を向ける、自分の内面と外の世界に同時に注意を向ける(手の甲をつねってみたり、呼吸をする上で感じること、周りの音など)
私たちの多くは、厄介な感情をしまい込んで生きる術を幼少期に学んでしまっている
人間には、恐怖、怒り、喜び、悲しみという4つの主要な感情がある
感情とのつながりを取り戻すことで、思いやりと共感を持って自分自身の心にも他者の心にも寄り添える
心の弱さは人のありのままの状態、それから逃げることは本質から逃げることでもある、受け入れた上で他者の悲しみへの共感もできる
心と身体が一体化すると感覚が鋭くなる、かすかな兆候を捉えられるようになり直感力が高まる
Posted by ブクログ
インド系イギリス人ジャーナリストの方の書かれた本。
家父長制について歴史をさかのぼって調べていくと、家父長制といってもいろいろあること、
男と女、という2つの性別の関係性は、いろいろあって今も変化しているということ、
それでもやっぱ、どっかからかこの今の家父長制的な関係性がメジャーになってきて、
今でもその勢いが増している場所もあれば、より男性の支配が緩められる傾向にある社会、
あるいはまだまだどっちに転ぶか落ち着かなく不安定な地域、などもある、
とにかく男性優位な社会が全体として広がっている世界に生きている。
『額縁の中の女たち』とも少し重なるところがあった。あの本は、主に欧米の絵を扱っていたけれど、まさに、より平等だったエジプトの文明ではなく、世界がギリシャ文明を選び、男尊女卑の傾向のかなり強いキリスト教とともに世界に広がっていったことが書かれていたのを思い出す。
日本については触れられていなかったように思うけれど、
他のアジアの国、特に著者の出自のインド、あるいは中東、中国、インドネシア、
そしてアフリカ、もちろんギリシャ、他ヨーロッパ、アメリカ、ソ連・ロシア、よりさかのぼるとトルコの辺りやエジプト、北米の先住民族についても、近代はイランの、最近いくつかの本でも読んだ革命後の話。
世界と時代を駆け巡って。