「明日まで待てないほど、緊急な仕事はない」という考えのもと、仕事管理・タスク管理を示してくれる本。
「マニャーナ」とはスペイン語で「明日」を意味する。
「マニャーナの法則」とは「新しい仕事は明日やる」の考えを基本とした仕事術のことだ。
「仕事は速さが命」という言葉を他の仕事術の本で読んだことがあ
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それは確か「若いうちは知識・技術、経験も乏しく、時間をかけても価値のあるものを生み出せるとは限らないから、せめて『速く』仕事をこなすことで『この人はすぐにやってくれる人だ』と思ってもらい、仕事人としての価値を高めていこう」というような内容だったと思う。だから「メールは即返信。振られた仕事は〆切よりも前に完了させる」ということを推奨していたかと思う。
確かに、速さを打ち出すことで、それがその人の価値になっていくだろう。自分もそのように仕事をこなしていたときがあった。
しかし、自分の場合それでどうなったかというと、振られた仕事に次々にとびつき、一つのタスクに集中できずに、結果、仕事の山を積み上げることになっていた。
この本は上述したように「明日まで待てないほど、緊急な仕事はない」という考えを示している。だから「今日振られた仕事は明日行う。今日見たメールの返信は明日する」などと言っている。そうすることで、今日の仕事は当初の予定よりも増えずに、集中して取り組めるということだ。
確かにそうすることで、緊急の場合を除けば今日の仕事量は増えずに、残業は避けられる(それでも残業した場合はそもそも最初の計画から破綻していたということである)
これは目からウロコの考え方だった。
また、振られた仕事の取り掛かりを「今すぐやる」「今日中にやる」「明日やる」に分けようとも言っている。
多くの人が仕事を振られた場合「今すぐやるか」「後でやる」の分け方になっていないだろうか。「今すぐやる」場合、その前の仕事は脇に追いやられる。「後でやる」場合、「その後」がいつくるかは不明確で、「あの仕事をやるのを忘れていた」となってしまうこともある。
上記の3パターンのいずれかに分けることで、目の前の仕事に飛びつくことを防ぐことができる。さらに「明日やる」に入れることは仕事をし忘れるということも防げる。
3パターンで「今すぐやる」の仕事が多ければ、自身の計画性のなさか、今すぐやらなければいけない仕事ばかり振ってくる上司や会社の仕組みが悪いということになる。
これは自分の仕事の取り掛かりに役に立つだけではなく、自分が同僚に仕事をお願いしたときに「今すぐやる」「今日中にやる」の仕事になっていないか、振るタイミングは適切かを反省するきっかけになった。
仕事はやっているはずなのに、時間に追われて徒労感だけ溜まっている。そう感じているビジネスマンにおすすめの一冊。