谷村鯛夢の作品一覧
「谷村鯛夢」の「「いき」の構造」「漂巽紀畧 全現代語訳」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
ひょうそんきりゃく、と読む。「巽(南東)の方角に漂流した記録のあらまし」という意味とのこと。ジョンマンから話を聞き取った同時代、同世代の画家が書いた本。大好きな本である吉村昭の「漂流」を人に勧めるにあたってこちらがあると知り、読んでみた。薄い本だけど非常に面白い。以前山本一力が書いたジョンマンも大好きで読んでいたがアレ完結したのか?過酷なサバイバル、壮大な冒険、数え切れないほどたくさんの人々との出会いと別れ。長年にわたる海外渡航生活も知恵と人柄で乗り切ったジョンマン。元々利発な少年だったのか、向学心、吸収力、柔軟性、絵心、全てが素晴らしいし、彼をただ一人引き取って手元で育てたホイットフィールド船長の人を見る目も素晴らしい!今も昔も大抵の人間が人生で得られる範囲を遥かに超えた経験と見聞。これだけの偉業を成し遂げたジョンマンのこと意外とよく知らない人が周りにいるので(泣)いよいよ再来年の大河ドラマに登場するこの数奇な運命を全うしたジョンマンをぜひ知ってほしい。そういう私も日本の開国に尽力したジョンマンの帰国後の後半生を詳しく知りたいのでドラマ本当に楽しみ!
しかしどれだけの船乗りが海で命を落としたことか。運良く救助されてあちこちの国で生活していた日本人が結構いて驚く。船乗り同志の絆にも感動。それなりにいじめや嫌がらせもあったようだが、命懸けの仕事をしている者同士、助け合いの意識が凄い。
身軽にハワイに馴染んで帰国を拒んだ仲間の寅右衛門が面白い。家族とか日本への郷愁はなかったのかな。よっぽど土地柄が気に入ったんだろうな。ハワイってホントいいところだもんなぁ。英語の発音をカタカナにして記述しているがネイティブの発音が耳でこう聴こえるのかと音読すると楽しい。
当時でこれだけの国土と国力を持っていることがわかっていたアメリカとなぜ戦争をしたのか本当に謎。やはり歴史を学ぶべき。
Posted by ブクログ
「漂巽紀畧」は「ひょうそんききゃく」と読む。
「巽(南東)の方角に漂流した記録のあらまし」というほどの意味とのこと。
ジョン万次郎については、漂流してアメリカに暮らし、帰国後身につけた英語を教えて明治の人材育成に貢献したとしか知らなかった。
その漂流からアメリカ暮らしについて生き生きと語った記録。
驚いた点、はじめて知ったこと
・当時漂流した日本人がジョン万次郎一行以外にもたくさんいたこと。
・鎖国していることが、ときに上記の日本人の帰国のハードルになったが、帰国した者もたくさんいたこと。
・無人島や海の上の漂流生活でも年単位で生き延びた人がおり、そのようなことができること。
・アメリカの船で太平洋の島から島へと航海しており、太平洋は一つのつながった世界なのだと感じたこと。また、世界一周も船乗りにとっては特別なことではないのだと感じたこと。
・10年アメリカに住んでも、日本に帰りたいと思い続けていたこと。
・この本が、土佐藩の上層部の必読書となり、他藩にも提供されたこと。
自分がジョン万次郎の立場だったら、できるだけアメリカに馴染んで暮らそうするのではないかと想像した。男女の違いもあるかもしれない。
日本に帰りたいと思い続けた、その心のうちについて聞いてみたいと思った。