作品一覧

  • 茶の湯 わび茶の心とかたち
    4.0
    第一章 わび茶の創造  特異なる文化   孤独な茶の湯 日本文化の特殊性 日本と朝鮮 千利休の位置  にじり口と廻しのみ   にじり口の誕生 廻しのみ 第二章 中世からの離脱  茶会の構造   『喫茶往来』 切りすてられた後段  茶会の空間   市中の山居 露地のふるまい 籠る  なぜ点前か   点前か手前か 亭主と客の空間 茶立人から亭主へ 第三章 茶人のふるまい  あぐらから正坐へ   混みあう茶会 片膝とかしこまる  あるきかたの源流   あるく文化 練りあるく 地に足がつく  茶人のすがた   客の心得 新シキガヨシ  茶名と十徳   仮りの名前 十徳とは何か 第四章 茶会の趣向  趣向の成立   ハプニング 淋間茶湯 『祭礼草紙』の問題 風呂のあがりや  風流・やつし・見立て   風流 やつしの美 利休の趣向 付合と見立て  季節感の登場   時候のあいさつ 茶会のなかの季節 ばせを忌に薄茶手向くる寒さ哉 第五章 わび茶の周辺  茶筅の歴史   茶筅のおいたち 王服茶筌由来記 茶筅の民俗性  茶屋の歴史   煎じ物売り 檜垣茶屋 利休亡魂 史料による茶の歴史
  • 小堀遠州茶友録
    3.5
    1巻1,100円 (税込)
    幕府奉行職にして多くの建築・庭造りに参画。 当時のデザイン感覚をリードした茶の宗匠・遠州は、「綺麗さび」「遠州好み」という言葉をも生み出した。 本書は将軍をはじめ、大名、公家、僧侶、町衆に至るまで各界50人との幅広い交流とその行方を描く。 寛永文化を代表する数寄大名・マルチアーティストを多角的な観点から研究した稀なる外伝。図版多数。
  • 後水尾天皇
    3.0
    1巻1,026円 (税込)
    朝幕対立の時代に即位した青年天皇は、徳川和子を妃に迎え学問と芸道を究める。 幕府の莫大な資金を引き出しながら宮中の諸儀式を復させ、修学院離宮を造営する。 〈葵〉の権力から〈菊〉の威厳を巧みに守りつつ、自ら宮中サロンを主宰。池坊専好、千宗旦、本阿弥光悦らを輩出した、雅と風流の寛永文化を花開かせた帝の、波瀾の生涯を描く評伝の決定版!
  • 日本料理文化史 懐石を中心に
    値引きあり
    3.0
    茶道の美と精進の思想―和の食、かくして極まれり。 「懐石」と「会席」は何が違うのか。 利休の「一汁二菜」「一汁三菜」はなぜ正統となったのか。 「乾杯」の日本的起源とは。 茶道から生まれた様式がいかにして日本料理の伝統を形づくったのかを、資料から丹念に考察する。 和の食、その精髄たる懐石料理の誕生から完成、そして後世への継承という歴史の中に、 日本文化のエッセンスを見いだす類稀なる論考。 【本書より】 何故、懐石という新しい料理の様式が生まれたのか。その歴史的前提を明らかにしなければならない。料理に限らず、文化は一つの様式に固定してしまうと、それを内部から突き破る革新が起こって、また新しい創造的な歩みがはじまる。いわば本膳料理の行き詰まりを打破する革新であったと、さきに懐石を位置づけたのだが、では、本膳料理とは何か― 【本書の内容】 唐菓子と柏餅―序にかえて 第一部 懐石誕生  懐石の誕生  近世公家の懐石  千家茶会記にみる懐石  茶書にみる懐石の心得 第二部 懐石以前  大饗料理  本膳料理  精進料理 第三部 料理文化の背景  中世の食文化点描―大工・荘園・都市  日本の食事文化における外来の食
  • 日本人のこころの言葉 千利休
    3.0
    1巻1,320円 (税込)
    わび茶を大成した千利休は、下克上の世を成り上がって天下人になった豊臣秀吉に命じられて切腹する。利休が自刃にいたるその劇的な終焉は有名であるが、利休が生涯をかけて到達したわび茶の本質についてはあまり論じられることはない。利休の茶の湯とは何か、どのようにしてわび茶を確立していったのか、そして秀吉と対立するにいたったか。本書は日本人の美意識の原型といえる「わびの世界」を生活文化史の視点から明らかにする。

ユーザーレビュー

  • 茶の湯 わび茶の心とかたち

    Posted by ブクログ

    1977年に書かれた本が文庫版になった。
    茶人たちにとっては「そういうものだから」といったようなことも掘り下げてみるという試みと理解した。にじり口は芝居小屋のねずみ木戸や胎内潜りがあるのでは。茶の廻し飲みは一体感の情勢のためと、利休の生きた下克上の時代にふさわしい儀礼であったこと。茶会が五段まであったのが切り詰められた。茶立人が別にいたのが亭主が茶を立てるようになった。もともと片膝や安坐だったのが正座になった。摺り足なのは地に足がつくという考えから。風呂と茶。俳諧の影響で季節感が茶にも取り込まれたことなど。

    0
    2022年12月12日
  • 小堀遠州茶友録

    Posted by ブクログ

    小堀遠州の茶友の人物伝から戦国江戸時代の
    お茶文化の形成を語る本。

    なんていうか今とは違うお茶文化が理解できてよい。

    0
    2014年03月12日
  • 日本人のこころの言葉 千利休

    Posted by ブクログ

    今まで知らなかった茶の世界。もっと早く知れたらよかった。
    人に尽くしていることで、自分自身が成長していく。一方的ではなく、互いに豊かになることが、本当のもてなし。
    今日ただ今、今を逃したら、その時間は、もう二度と帰ってこない。

    0
    2024年08月27日
  • 後水尾天皇

    Posted by ブクログ

     家康による全国統一が成った時期に、父後陽成天皇の譲位により1611(慶長16)年16歳にて即位、1629(寛永6)年突然譲位し院に、1680(延宝8)年崩御。徳川秀忠の息女和子の入内問題、紫衣事件など朝幕の対立・軋轢の中で苦労した天皇というイメージだった。
     本書はそうした事項についても筆を割いているが、主たる問題関心は、林家辰三郎氏が唱えた、「寛永文化論」、すなわち、後水尾院の時代を文化史的に、桃山文化とも元禄文化とも性格の異なる寛永文化と捉える考え方にある。

     後水尾院自身若い頃から学問に励んでいたとのことだが、さらに院の主宰するサロンでの和歌、立花、茶などの催しの様子や様々な文化人等

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    2024年09月23日
  • 後水尾天皇

    Posted by ブクログ

     歴代天皇のなかでも、特に日本文化の発展に寄与した人物といっていい。幕府が制定した禁中並公家法度に忠実に従い、独自の文化サロンを開拓した。本書を読んで知ったが、立花様式を確立した池坊専好が、後水尾天皇による支援で誕生した。本書にあるように、当時の芸能とは、現代のように狭義的な意味合いではなく、広く教養を指す。そのため、後水尾天皇は、日本人が長年引継ぎ伝統文化と新しく誕生した文化両方を、後世の人たちに残した。

    0
    2023年10月26日

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