作品一覧

  • 世界終末戦争(上)
    完結
    -
    全2巻1,507~1,573円 (税込)
    十九世紀末,ブラジル北東部の最貧地帯に現れたキリストの再来をおもわせるコンセリェイロ(「教えを説く人」)およびその使徒たちと,彼らを殲滅しようとする中央政府軍の死闘を描く,円熟の巨篇.ブラジルで実際に起きた「カヌードスの反乱」をモチーフにした,バルガス=リョサ畢生の超大作.(全二冊)

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  • ラ・カテドラルでの対話 (上)
    4.8
    1~2巻1,430~1,573円 (税込)
    独裁者批判,ブルジョアジー批判,父と子の確執,同性愛――.居酒屋ラ・カテドラルにおける二人の人物の会話をとおして,独裁政権下ペルーの腐敗しきった社会の現実を描く初期の代表作.「これまでに書いたすべての作品の中から一冊だけ,火事場から救い出せるのだとしたら,私はこの作品を救い出すだろう」(バルガス=リョサ).(全二冊)

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  • 密林の語り部
    4.1
    1巻1,100円 (税込)
    都会を捨て、アマゾンの密林の中で未開部族の「語り部」として転生する一人のユダヤ人青年……。インディオの生活や信条、文明が侵すことのできない未開の人々の心の砦を描きながら、「物語る」という行為のもっとも始原的な形である語り部の姿を通して、われわれにとって「物語」とはどのような意味を持つのかを問う傑作。

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ユーザーレビュー

  • ラ・カテドラルでの対話 (下)

    Posted by ブクログ

    圧倒的な筆力で書かれた20世紀文学の集大成。下巻では、ペルー社会の腐敗がえぐり出されていく。独裁政権が張り巡らせる権謀術数のもと、勝者と敗者とに分かれていく。そのなかで弱い立場の人間ほど、悲惨な結末をたどっていくし、強い立場の者には、敗れても、それなりの地位が残されている。最後、敗れたあとも、サンティアーゴ/サバリータが採った態度は"一寸の虫にも五分の魂"を示すものであり、そこに微かに人間の気高さに対する期待が残される。

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    2025年11月09日
  • 世界終末戦争(下)

    Posted by ブクログ

    もともとボリュームはあるけども、割と仕事を忙しくしていたこともあり結局上下読み終わるのに2ヶ月かかった。
    私にとっての初バルガス=リョサ。ラテン文学好きで、ノーベル賞作家なのに、初でした。

    ブラジルが帝政から共和国制に切り替わった19世紀末、時代の流れに取り残されたブラジルの内陸部地方エリアで勃発した通称「コンセリェイロ」率いるキリスト狂信者集団(作中ジャグンソと呼ばれる)の反乱と、それを鎮圧すべく向かうブラジル共和国との戦い。史実をベースに、細部がセミフィクション化された物語。
    史実の通り最終的には鎮圧される。鎮圧されるまでの両サイドの思想なり人間模様なりが、群像劇のように視点を変え語られ

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    2025年11月08日
  • ラ・カテドラルでの対話 (上)

    Posted by ブクログ

    長く、複雑で、シーンの数も登場人物の数も多いので、かんたんに理解できる小説ではない。しかし、退屈ではない。おそらくこれがバルガス=リョサがノーベル賞を授かった主な業績なのだろう。そう思うほどに前衛的なやりかたで、社会と政治の腐敗を描いている。話のおもしろさを理解するためには、サンティアーゴ/サバリータを主人公とみなし、父親のドン・フェルミンとの関係がどういうものか、そして彼自身がどういう人生を歩んでいくのかを常に見失わないことが必要だ。そうすれば、すべて人間関係を把握しなくても、本書のテーマが見えてくる。

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    2025年11月04日
  • 世界終末戦争(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    内容についてのレビューではなくなってるので注意

    ■上げて上げて上げて落とす

    カヌードスの反乱を討つべく第三回遠征の指揮官となったモレイラ・セザル大佐。彼への期待はその華々しい登場で描写されている。多くの民衆が駅に駆け付け歓声を上げる、大佐は小柄だが他の有象無象とは違う雰囲気を醸し出し、ただ一人強者の風格を漂わせている。その隊は「常勝連隊」であり、大佐の愛馬である白馬がおろされる。極めつけは第一回遠征と第二回遠征の「敗者」カストロ大尉とフェヘイラ中尉との会話だ。大佐は補佐として連隊に加われという命令を受けた二人をどう扱ったか。ひと握りの盗賊にすら勝てなかった恥晒しなどに用はないと冷たく言い放

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    2025年09月18日
  • ラ・カテドラルでの対話 (下)

    Posted by ブクログ

    「誰かに打ち明けなければならないことがあるんだカルリートス、自分が中から焼かれているんで」とサンティアーゴは言った。「それで気分がよくなるなら、オッケーだぜ」とカルリートスは言った。「でも、よく考えろよ。時々オレも、危機に陥って打ち明け話に走ることがある、それが後になって重くのしかかってきて、自分の弱点を知っちまった人間を恨むことになる。明日になったらオレのことを恨んでいるなんて、ならないようにしてくれよサバリータ」(p.55)

    同じ事件、人物に対しても語られる視点で受ける印象が異なるのが面白かったなー。特にオルテンシア、ムーサに関しては、アマーリアからは優しい奥様だったのが、親友だと思って

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    2025年05月06日

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