密林の語り部

密林の語り部

都会を捨て、アマゾンの密林の中で未開部族の「語り部」として転生する一人のユダヤ人青年……。インディオの生活や信条、文明が侵すことのできない未開の人々の心の砦を描きながら、「物語る」という行為のもっとも始原的な形である語り部の姿を通して、われわれにとって「物語」とはどのような意味を持つのかを問う傑作。

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密林の語り部 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2014年08月13日

    私は怒りを感じる。〈車や大砲や飛行機やコカコーラがないからといって、彼らを滅ぼす権利があるとでもいうのだろうか?〉宣教師たけでなく民俗学者も悪だ。彼らと共に生活し、ジガバチが芋虫に産みつけた卵から孵る幼虫のように彼らの内部から破壊するのだ。マチゲンガ族はロマのように放浪する民。しなやかな強靱さをもつ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年10月27日

    「密林の語り部」(バルガス=リョサ)を読み終わりました。私は静かに目を閉じて密林に差し込む月の光を想い、密林に降る雨を想い、マスカリータを想い、そうして少しだけ悲しくなった。近代化という大きなうねりの中でしだいに失われていく神話や知恵について、痛みに似た喪失感を伴う静かな物語。

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    Posted by ブクログ 2019年01月03日

    2012.7記。

    「チボの狂宴」の著者バルガス・リョサ再読。ペルーの少数民族マチゲンガ族の「語り部」が伝える神話的記憶と、人類学者の考察やドキュメンタリー制作の描写が交互に描かれる。

    「木が血を流した時代」と語り部が呼ぶ、白人の過酷なゴムプランテーション経営による人口の激減、乱開発から滅び行く民...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年05月09日

    バルガス=リョサは最も好きな作家の一人だ。今まで読んできた彼の作品はどれも、近代的社会と前近代的な文化という二つの世界を対位法的に描くことで世界の可能性を暴き出しながら深い感動へと導いてくれる。密林の向こう側から紡がれる物語はかつて語る事が社会そのものであったという事実を私たちに突き付け、それをこち...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年04月30日

    味わったことのない読書体験。物語そのものに引力があって引き込まれた。語り部という存在、語る言葉、その全てが楽しく幸せだった。

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    Posted by ブクログ 2022年12月07日

    真に他者、異文化を理解することと、それと同化することの間に大きな隔たりがある。理解は対象を分析し自身のコードに合わせて再構築すること。同化は自身がそれまでに得た世界観を捨て、生まれ変わること。同化には完全な理解は必要ないのかもしれない。サウルはマチゲンガ族が不具の子供を殺す理由を理解できなかった。
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年08月24日

    ルソーの絵がまた良い。ふと、池澤夏樹のマシアス・ギリの失脚を思い出した。リョサの、楽園への道もおすすめ。

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    Posted by ブクログ 2019年08月16日

    南米文学の「普通」に慣れるにはまだまだ読書量が足りません。。南米文学自体がもはや密林。歩き回ってぐるぐる迷っているような、濁流に豪快に流されるような。

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    Posted by ブクログ 2017年07月19日


    命題は 「宗教やイデオロギーを超える精神的糧、刺激、人生の理由づけ、責務は あるか」

    率直な感想は 「面白かったが、それを伝えるのに 330ページ必要か?220ページまで テーマが 全くわからなかった」

    時間、場所、ストーリーテラーが 章ごと 変わる。視点を変えられるのに 慣れてくると、語り部...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年06月18日

    語り部の物語を何故真実ではないと言える?100年近く前、宇宙が膨張している証拠が見つけられていなければ、ビッグバンは真実ではなかった。
    そういうことだよ。
    ……そういうことではないか。

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