石川明の作品一覧
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Posted by ブクログ
すごい壁打ち
著:石川 明
壁打ちとは、話しながら考えをまとめていく対話術である。
壁打ちの特徴は、目的も具体性も漠然として曖昧なところにある。壁打ちなら相手に具体的な答えを求めるわけではないので、そんなときでも気軽にやっても構わない。
雑談ではもの足らない。だけど相談できるほど具体的に固まっていない。そんなときこそ壁打ちによって、考えを整理し深めていくことができる。
壁打ちが最も力を発揮するのは、誰も正解を知らないような複雑な問題や、まだ誰も経験をしたことのない新しい課題に直面したときである。頭の中にあることを言葉にして話していくうちに、自然と考えがまとまっていく。そうした整理した考えは、次の壁打ちをさらに実りあるものにしてくれる。
本書の構成は以下の6章から成る。
①アイデアがふくらむ、問題解決がうまくいく「壁打ち」
②思考を深める壁打ちの「基本」
③頭の中の解像度が上がる「すごい壁打ち」
④悩みをうまく聴ける「壁」になる
⑤壁打ちの「機会」を増やし、成果に繋げる
⑥壁打ちは「組織」も強くする
「壁打ち」を制するものは、ビジネスを制する。
「壁打ち」を制するものは、コミュニケーションを制する。
と考える。
本書は、そんなすごいコミュニケーション術である、壁打ちのすごい「すごい壁打ち」本である。体系的であり、実践的であり、経験から基づいた今の時代に必須とされる一冊である。
私自身も「壁打ち」については、自身の曖昧な定義で「壁打ち」を「する側」と「される側」を意識して活用してきた。
「する側」については、私自身多くの立場が異なる上司へ報告することが多く、報告する際に、日ごろ忙しい上司達がみせる雑談と報告の間のようなサインで話をしていただく際に、本書でいう「壁打ち」を自分なりに意識的に活用することで、違った立場から視座を高めてもらえるような気づきをいただくことを意識してきた。
「される側」については、お客様とコミュニケーションを取る際に、答えがなかったり、お客様の方が格段にその領域の知識や経験がある際には、「される側」というより、壁打ちを「させていただく側」という観点で臨んでいる。その際は、自分の方が経験知識がないとへりくだることではなく、その中でも自分が提供できる何かがあるはずと、前段階の準備とフルパワーでその面談に挑むようにしている。
「する側」「される側」によってもたらされる、価値については、内容よりも相手方との「信頼関係」の構築の恩恵の方が大きいように感じる。
その「壁打ち」は単発で終わることなく、相手方との共通言語・共通知識として共有されるだけではなく、抽象的な面でも具体的な面でも自身の礎として吸収していく中で循環的に多くの方へと貢献が可能となる。
これを個だけではなく、組織として企業風土・文化として活用することが出来れば、お客様への付加価値の提供を叶えることができる。
難しい「壁打ち」では、あるものの、コミュニケーションのひとつであることは変わらない。自身の当たり前として昇華させていくと共に「楽しい」という感情を忘れずに「正解」を追い求めてくらいついていきたい。
Posted by ブクログ
お世話になっている石川さんの最新著作。「壁打ち」という、起業や起業支援の分野ではわりと一般的な言葉であり、その本質のようなことを深く考えることもなく日常的にも使っているす、やっている。でも、壁打ちのスキルを伸ばそうと思うとちゃんと定義しなければならないし、練習も必要。まず壁打ちは「雑談以上相談未満」であるという。確かに、雑談には目的も具体性も期限もないし、相談のように明確な助言や回答が欲しいものでもない。ただアイディアをぶつけて帰ってきた反応でまた(深いことを)考えるという作業のきっかけであり、行動である。つまり、自分のアイディアを言語化し、整理し、俯瞰したり確認したりして、拡張するもの。なるほど。また、壁打ちの相手とは、雑談でもなく交渉でもない程よい距離感で話すことができる。これにより、「根回し」にもなっているし、「味方を増やしている」ことにもなっている。なるほど。本書では、このように、壁打ちの正体と効能が丁寧に解説されている。壁打ちの技術を身につけることで話し上手に慣れたり、仲間作りがうまく行ったりするので、若い社会人には特におすすめ。壁打ちに慣れている人には少し物足りないかもしれないが、その価値の再定義、再発見にはもってこい。これからは壁打ちしているのだということをもっと意識してやってみよう。