矢野利裕の作品一覧
「矢野利裕」の「学校するからだ」「今日よりもマシな明日 文学芸能論」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「矢野利裕」の「学校するからだ」「今日よりもマシな明日 文学芸能論」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
タイトルからくる内容のイメージとちょっと違った。
文学と、国語試験の関係を、国語試験出題者自らが
謙虚に分析している本だった。
本の最後に、出題者と、その題材になった著者が対談をして、
その出題を著者が答える、というのはシュール。
御多分に漏れず著者が誤答する、、、
文学が学校教育の国語に矮小化される。
国威発揚、国民の洗脳に使われてきた歴史。
そして今の試験。
こんな試験の正解が大学選別に使われるなんて、
違和感しかない。
文学なんて自由に読めばいいはずなのに。
世の中正解なんてないのに。
著者はそれをわかってあえて出題者にもなっている。
生徒と寄り添い、極力楽しく国語を教えながら。
確
Posted by ブクログ
批評家、国語教師の二足の草鞋を履く筆者は、学校で文学を読むことの限界を見据えつつ、文学を読む意義を見出しています。その問題意識と、国語教育の未来を見据える姿勢に共感しました。
この本の1番の読みどころは、入試問題の出題者である筆者と、問題として選んだ作品の作者(滝口悠生さん)との対談です。「作者に問題を解いてもらえるんだ。こんなこと本当に実現可能なんだ!」と興味津々で読みました。その他、最新教科書事情や文学史を学ぶことの意義についての見解も興味深かったです。
先生の解釈を聞いている高校の現代文の授業は、正直言って退屈でした。しかし、夏目漱石の「こころ」や中島敦の「山月記」など、高校生のとき
Posted by ブクログ
刊行時に話題になっていたことは知っていたが、何となく敬遠してしまっていた。喰わず嫌いを猛省。
評論家としての著者の主張には正直賛成できないところもあるのだが、本書で描き出された学校空間の遊動性と交響性はじつに卓抜で、「これは私の知っている学校だ」という感覚がはじめから最後まで薄れなかった。何より学校という制度、教員という職業、生徒という他者と(斜に構えているようで)正対している様子が伝わってくる。教員を目指す学生たちに薦めてみたい。
「自分が生きられる場所について、しっかりと足もとから考えながら、少しずつ言葉を織り上げ」る姿勢を忘れず、とはいえ、過剰に役割や責任を背負うわけでもない
Posted by ブクログ
序論、町田康論、いとうせいこう論、西加奈子論とこの書籍のメイン部分を読んでいくと文学と芸能、そしてそれらと表裏一体である政治と社会の問題がスムーズに繋がっていくのがよくわかる。それが見事であり、町田康、いとうせいこう、西加奈子を読んでいない人でも問題なく読めるし、たぶん彼らの作品を読んでみたいと思うだろう。
町田康はミュージシャンだった(現在も活動はしている)こともあり、彼の文体や言葉遣いが評価されることは多い。文体が物語を呼び、物語が文体を要請する。そして、その書き手である作家はある種「憑依」されている存在である。そのためには実は言葉を持ち、同時に持たない、という空洞さがいる。
シャーマン的