作品一覧

  • チェコを知るための60章
    4.0
    プラハ城をはじめ数々の歴史遺産が現代に息づくチェコ。チェコスロヴァキア独立運動から社会主義化・崩壊への道、EU加盟から現在の政治動向までを明解に描き出し、特に個性あふれるチェコの芸術・文学等に焦点をあて大幅にグレードアップしたチェコ理解の必読書!
  • 誘拐された西欧、あるいは中欧の悲劇
    3.0
    中欧のチェコに生まれたミラン・クンデラは20世紀後半の歴史と文学を「中欧」という視点から体現した作家。2023年の没後、作品の再検証を試みる機運が高まるなか、クンデラが生涯をかけて探求した概念「中欧」と「小民族」を巡る両論考は作家の世界観を理解するための貴重な証言と言える。また、主体的な関与がないまま自国の運命が一変するという「小民族」の置かれている状況は、現在のウクライナやパレスチナの情勢にも援用可能な視点であり、その警鐘は鳴りやむどころか世界中に響き渡っている。
  • もうひとつの街
    4.0
    1巻1,210円 (税込)
    プラハの古書店で見つけた菫色の本に導かれ、〈私〉は〈もうひとつの街〉に迷い込む。魚の祭典、硝子の像の地下儀式、悪魔のような動物たち──哲学的挑発に貫かれた、傑作幻想冒険譚。
  • 白い病
    4.1
    1巻693円 (税込)
    戦争目前の世界で,突如「雪崩のように」流行り始めた未知の疫病.大理石のような白い斑点が体のどこかにできたが最後,人は生きながら腐敗してゆく.そこへ特効薬を発見したという貧しい町医者が現れたのだが――.死に至る病を前に,人びとは何を選ぶのか? 一九三七年刊行の名作SF戯曲が,現代の我々に鋭く問いかける.

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  • ロボット RUR
    3.9
    1巻924円 (税込)
    無限の労働力「ロボット」によって、人類は苦役と貧困から解放され、真の幸福を得るはずだった――。1920年、中欧の小国で発表されたこの戯曲から「ロボット」という言葉が生まれた。今なお多くの問いを投げかける名作を、発表より100年を記念し新訳する。 資料 カレル・チャペックによる記事 「今一度、ロボット(RUR)について」(1921年)ほか 訳者解説 「『ロボット』あるいは世界文学のつくりかた」阿部賢一
  • 湖

    3.3
    1巻2,640円 (税込)
    まだ、いけにえが足りないんだよ――湖から戻らなくなった祖父。そして少年ナミは母を探し旅立つ。気鋭のチェコ女性作家が描く現代の黙示録!マグネジア・リテラ賞、EU文学賞受賞。
  • わたしは英国王に給仕した
    4.2
    1巻1,320円 (税込)
    中欧文学巨匠の奇想天外な語りが炸裂する、悲しくも可笑しいシュールな大傑作。ナチス占領から共産主義へと移行するチェコを舞台に、給仕人から百万長者に出世した主人公の波瀾の人生を描き出す。映画化。
  • 世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今
    値引きあり
    3.7
    1巻880円 (税込)
    芥川賞、直木賞からノーベル文学賞まで。8つの賞から、文学の最先端が見えてくる! 世界中の文学賞は、こうやってできていた! 史上初の世界の文学賞ガイドが登場。『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の翻訳で知られる都甲幸治を中心に、芥川賞作家や翻訳家、書評家たちが集まって、世界の文学賞とその受賞作品について熱く語る1冊。芥川賞、直木賞、ノーベル文学賞といったメジャーなものから、各国の代表的なものまで。歴史あるものや最近設立されたもの、賞金が1億円を超えるものや1500円くらいのもの。世界に数多く存在する文学賞のなかから、とびきりの8つを選びました。受賞作品の解説にとどまらず、受賞作品の傾向分析や、あっと驚く選考の裏話までもが飛び出し、あなたの知的好奇心を大いに刺激します。これ1冊で、文学賞の発表シーズンが何倍も楽しくなる!カバーイラストは『刀剣乱舞』のキャラデザでおなじみの、しきみが担当。
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド
    値引きあり
    3.5
    1巻660円 (税込)
    10人の作家・翻訳家・書評家が、とっておきの本を紹介する読書ガイドが登場!『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の翻訳で知られる都甲幸治を中心に、芥川賞作家や翻訳家、書評家たちが集まって、ヨーロッパやアメリカから日本まで、不朽の名作からベストセラーまで、縦横無尽に語り尽くします。共通点は、読んで面白かったこと、という一点のみ。トールキンなんかのファンタジーからホームズものなどのミステリー、それから、日本近代文学の王者、谷崎潤一郎や太宰治まで。伊坂幸太郎の青春や『不思議の国のアリス』の少女ワールド、そして江國香織から村上春樹まで。大島弓子や萩尾望都についても熱く語ります。

ユーザーレビュー

  • 白い病

    Posted by ブクログ

    この作品は戯曲形式で書かれたSFで、ページ数にして文庫本で150頁少々とかなりコンパクトな作品となっています。ですが彼の代表作『ロボット』と同じく、驚くべき濃密さです。物語に引き込まれてあっという間に読み切ってしまいました。この作品もチャペックの魅力がこれでもかと詰まっています。非常におすすめな作品です。

    0
    2024年08月18日
  • ロボット RUR

    Posted by ブクログ

    人間にとって、最も重要な労働力は人間である
    しかし、我々が他人を労働力という単純な商品として捉えたとき、何が起こるであろうか
    それは大量生産と大量消費である
    人間であるのに人間ではなく、労働力の化身として生み出されたのがカレル・チャペックの想像するロボットだ
    発表された時代は1921年。資本主義の暴走に抵抗し、共産主義が台頭し始めた、労働における人間性が問われた時代の一つであった
    人間はどう生き、どう働き、他者とどのような関係性を築くべきだろうか
    彼の神話的回答がこの本にはある

    0
    2023年11月29日
  • 白い病

    Posted by ブクログ

    カレル・チャペックの戯曲「白い病」を一気に読みました。
    作家のチャペックはナチス・ドイツを痛烈に批判したチェコの国民的作家です。
    また、ロボット という言葉を初めて使ったことでも知られています。
    まず、この戯曲を読んで、すぐ頭に浮かんだのがナチス・ドイツまもとより、
    スターリン時代のソ連、軍事政権下の日本でした。
    戦争・侵略を目指したこれらの国々では、軍事拡大を強力に推し進め、
    自国民の優秀さを強調し、敵国を倒すためには一致団結しなければならない
    という全体主義的な考え方を洗脳化してきました。

    この戯曲はそうした状況の下にあるある国で
    「白い病」という疫病が蔓延すというパンデミックが襲ってき

    0
    2023年04月04日
  • 白い病

    Posted by ブクログ

    チャペック1937年作の戯曲。中国発の未知の病が世界中でパンデミックを引き起こすというあまりにも予言的な物語。
    疫病は世界中に深刻なパニックを引き起こし、50歳前後以上の人のみが感染し死に至る疫病は世代間の軋轢をも生む。特効薬を発見したガレーン博士は永久平和を国家に要求し貧乏人以外への薬の提供を拒む。
    国家元帥もクリューク男爵も間違いなく偉大な人物である。国家と自身の信念にとっては。元帥の台詞「...この若者は有能だ、だが分別がありすぎる。偉大なことはなし得んだろう...」は本当に大事なことは「偉大さ」でなく「分別」だと語っている。
    物語はハッピーエンドには終わらない。今現在の世界も永久平和は

    0
    2023年01月26日
  • 白い病

    Posted by ブクログ

    怖かった。
    あまりにも現代と酷似していて、ぞっとした。
    平和は来ない、恒久の平和は人間には来ないのだ。
    誰かに読ませたい、と感じたのは実に久々。

    0
    2022年12月04日

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