作品一覧

  • 秘密な事情
    -
    1巻770円 (税込)
    公正取引委員会の立入り調査で、その大手家電メーカーはマスコミの袋叩きに遭った。会社にとって初めて遭遇する批判であった。…オーナーの命を受けた広報マン・堀川陽一郎は、社の暗黒面をのぞく結果となった。そして、自らの足許が崩れゆくのを知りつつも、社のイメージを守るため、裏工作に徹した。大企業の暗部を守る中堅管理職の苦悩を、赤裸々に描いた傑作。
  • 逆転の歯車
    4.0
    1巻495円 (税込)
    大手総合商社〈山紅〉の四十九歳の専務・井関弘志は、ロッキード事件に関与した疑いで、国会の証人喚問席に立たされていた。事件では使い走りにすぎなかった自分がなぜ?――井関は、順調だったサラリーマン人生の終わりに理不尽さを感じていた。厳しい糾弾の中、実父母の顔さえ知らない井関の胸に去来したのは、会社のために尽くしてきた半生だった……。企業小説の雄が描く、男の栄光と挫折。傑作長篇。

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  • 銀行恐喝
    -
    1巻550円 (税込)
    北九州N県の地銀・西海(さいかい)銀行は、融資の停止などの業務の見直しを進めていた。そして頭取の久慈悟(くじさとる)は、取引先の怨みを買った。その一泊ゴルフは、闇の世界が仕掛けた罠だった。同伴ホステスのマリコと、裸で絡(から)んだ写真。久慈は嵌(は)められた。たった数葉の写真が、巨額の不正融資事件へとつながった。銀行と闇世界の拘(かかわ)り、銀行の旧弊な体質を、白日の下(もと)に晒した傑作。
  • 太く短かく【合本版】1
    完結
    -
    全2巻990円 (税込)
    胆力を唯一の武器に義理と人情の男の世界を駆け抜ける男・野呂半三。 博打と任侠の世界で生きる太く短かく一瞬の火花のような生涯を送る!! 『太く短かく』が合本版として登場! ※こちらの作品は過去に他出版社様より配信していた内容と同様になります。 重複購入にはお気を付けください
  • 悪の公式
    値引きあり
    -
    1巻300円 (税込)
    赤石定造は、香港で人を買った。定価1円。彼はその男に500ポンドの保険をかけ、阿片を吸わせ女を抱かせることによって彼の精力を涸らし、1週間めに殺すことに成功した。保険金で定造は教会を建て、カトリック信者を装いながら、教会を阿片と売春の巣窟に作りあげた。こうして手始めの「銭」を掴んだ定造は、貿易商社を設立して帰朝し、KK赤石を造りあげ、悪の公式、つまり殺人・脱税・不正輸出などなどによって、あくなき「銭」への欲望を果していく。しかし「悪の公式」は、やはり万能の公式ではない……。「銭」を得るために手段を選ばぬ資本主義の公式を鋭くあばく、長編悪漢小説。
  • 一億円の死角
    -
    1巻550円 (税込)
    路上に放置された一億円。拾得者が警察へ届け、大々的な報道がなされたが、落とし主は名乗り出なかった……。日本の基幹産業の一翼を担う巨大企業の内部で、何が起こっている!? T自動車販売株式会社の大功労者、〃販売の神様〃とまで言われたK氏の、不肖の息子に関連した事件らしいという噂。老いてなお煩悩に身を灼く経営者の姿を見事に捉えた経済企業小説。
  • 一億円の死角(電子復刻版)
    -
    1巻550円 (税込)
    ”販売の神様”といわれる田部井彦太郎は、ダイドー自販を日本一の自動車販売会社に育て、名誉会長となっていたが、彼には大きな心痛があった。長男の圭司が乱発した15億円の手形回収のため宗島連合に渡す資金1億円が忽然と消えてしまったからだ。そのころ、トラック運転手の小島正吉は、銀座の歩道で1億円の札束を拾った……。記憶に新しい〈1億円事件〉に材をとり、大企業内に渦巻く野望と謀議を描く力作!

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  • 一瞬の寵児(ちょうじ)
    -
    1巻550円 (税込)
    越後小千谷(えちごおぢや)から名門大学に進学した北原甲平(きたはらこうへい)は、苦学生であった。そして、医者として成功し、不動産業に転向してからも巨額の財をなし、不動産業界の寵児と呼ばれるに至った。その男が今、東京拘置所に収監されようとしている。――一体、彼になにがあったのか。一人の男の流転(るてん)を通して、バブル経済の本質を追究した長編経済小説。
  • 一瞬の寵児
    -
    1巻550円 (税込)
    東京拘置所に収監された男の名は北原甲平。上京し、新聞配達をしながら名門大学へ通う苦学生だった男は、ふとしたことがきっかけで医師として成功する。さらには、不動産業界へ華麗に転身。巨額の財をなし、業界の“寵児”と呼ばれるまでになった男に一体なにが起きたのか? 一人の男の栄光と転落を通してバブル経済の本質を描く長篇経済小説。

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  • 宴かな
    -
    1巻550円 (税込)
    スーパー・ゼネコン小松組。その下請け業者・高村工務店社長の高村敏之(としゆき)は、会長に直訴した。今になって切り捨てるなどと、言われる理由などない……。あの「宴」の時代は去っていった。残ったのは家庭の崩壊、虚栄のハワイの別荘、複数の女たちとの関係、そして会社の危機。日本経済のからくりを鋭いメスで解剖し、バブル時代の本質を抉(えぐ)り取った力作。
  • 器に非ず
    -
    1巻550円 (税込)
    戦中、戦後の厳しい時代を生きぬいた神山竜男は、浜松の発明王と呼ばれ、〃本州モーターズ〃の社長である五十島繁哉を紹介された。神山は営業面で、技術屋の五十島を助け、オートバイの販売からスタートしたこの会社は、二十数年後、大企業にのし上がった。が、神山に最後の試練が……。栄光のNo2と呼ばれ、会社経営に生命を滾らせた男の〃光と影〃を鋭く抉った会心作。
  • 器に非ず
    4.0
    1巻550円 (税込)
    世界に冠たる自動車メーカーの社長・副社長がそろって退陣。引き際の見事さに世間は喝采を送った……。が、その裏によほどの事情が隠されていることを看破した著者が、十五年の取材をもとに〈経営者の器〉とは何かを描きつくした不朽の名作!

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  • 裏  金
    -
    1巻550円 (税込)
    年間五、六十億円の裏金。政治家への成功報酬、受注競争の工作資金はここから捻出される。アイダ建設の柏木はある日、業務企画部長を命ぜられた。それは、本来ないことになっている金、裏金の管理が仕事だった。そして贈賄が発覚、柏木の日常は一変した。逃亡生活、彼を追う殺し屋(ヒットマン)。──現代社会の暗部、ゼネコン汚職の構図を、「裏金」をテーマに鮮やかに描いた傑作。
  • 狼の地図
    -
    1巻550円 (税込)
    「週刊タイム」の記者たちが、鋭い嗅覚と執拗な取材で、企業の暗部に迫る事件簿。博多鉄道の社長が、抱えるプロ球団の赤字の責を負って、辞任に追い込まれそうになった。球団の熱烈ファンで社長を敬愛する運転手が、株主総会に出席し、名演説で大反響を呼ぶ。それを契機に、総会屋になった車掌は……(「私鉄騒乱」)。その他、傑作5編を収録。
  • 大物 相場師の巻
    1.0
    1巻770円 (税込)
    十三人兄弟のちょうど真ん中。菅原忠は、九州の片田舎から、弁護士になるという大望を抱いて上京した。とりあえず警官になった彼は、ひょんなことから米店の一人娘と結婚する羽目に。“大金を儲ける”ことに目標変更。時は日本経済大激動の昭和22年。勉強家で、動物的な勝負カンの持ち主の彼は、相場師としてたちまち名を成してゆく。痛快無比の企業成功小説(ビジネス・サクセス・ストーリー)。
  • 大物(第二部 独眼流の巻)
    -
    1巻770円 (税込)
    〃大物への道〃を目指し、忠は社員わずか三人の紅葉川証券で、兜町人生のスタートを切った。彼のはる株はおもしろいように当たり、〃独眼流〃を名乗って「株式新聞」に書く予想記事も、たちまち兜町の名物となった。酒、女と、男の修行を積む忠に、大物にのし上がるチャンスが来た! 昭和25年朝鮮戦争勃発。売りか、買いか。独眼流、勝負のときである!
  • 俺は大物 1
    -
    1~2巻440円 (税込)
    昭和を代表する経済小説家・清水一行が原作を手掛けた、痛快企業成功ストーリー!! 株の世界で一旗上げようと兜町へ飛び込み、人並外れた 勝負勘と記憶力でのし上がる、生真面目すぎる主人公・忠の 波乱に満ちた人生を、大衆コミックの巨匠・横山まさみちが描く! 本作の主人公の忠は、夜の世界でも相当な絶倫だが、結婚して約7か月の間、 セックス=スマタと勘違いし続けているほど性の知識はない(無頓着)。 子供ができない状況をなんとかしようと、彼の奥さんは一計を案じる…。
  • 追われる男
    4.0
    1巻704円 (税込)
    プレハブ住宅の中国進出の賭けに出た住宅メーカー社長の挫折から、戦後日本経済の縮図を浮き彫りにした長編小説。
  • 女色絵譚
    -
    1巻440円 (税込)
    両性の結合。それは男の征服感を満たし、同時に女性をこの世のものとは思えぬ夢幻(むげん)の世界に導くものだ……一代にして大ラーメン・チェーン店の社長に昇りつめた赤松至朗は、そう考える。男にとって、これ以上の高邁崇高な使命はない! 日夜奮闘、しかし精力絶倫を誇る至朗も、最近の女どもの過度な要求に四苦八苦……。男たちの珍騒動をコミカルに描いた傑作。
  • 女患者
    -
    1巻550円 (税込)
    早朝、草むらのなかで死にかけていた若い娘。発見した老人は娘を気づかい、息子でTV局に勤める畠山修治に、その後の様子を探るように命じた。娘はまったくの身元不明。脳内出血で昏迷状態だった。修治は看護婦の尾形悠子の提案を受け番組で紹介、身元を知る者も現われたのだが……。女患者の謎に満ちた過去を、鮮やかに解きほぐす社会派サスペンス・ミステリー。
  • 女教師
    -
    1巻550円 (税込)
    若い音楽教師・田路節子が校内で暴行された。不良グループの江川らが犯人と思われたが、学校側は事件のもみ消しを図る。さらに同僚の小林により生徒を誘惑したという噂が流れ、節子は失踪。その数日後、江川が誘拐され、小林も殺された!

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  • 女 重 役
    -
    1巻770円 (税込)
    二十八歳の加納市子は、職業人として生きたいという強い意志から、〃女〃〃年齢〃というハンデを乗り越え、老舗・第一屋百貨店に入社した。持ち前の粘り強さで周囲の信頼を得て活躍、取締役広報室長のポストについた。しかし、ここで社内を揺るがす難問が! 男尊女卑のビジネス界で、見事頭角を現わした女性の鮮烈な生き様!
  • 女相場師(電子復刻版)
    -
    1巻605円 (税込)
    元ファッション・モデルの谷川千百里は池袋西口でバーを経営している。店には兜町関係者がよく集った。こんど儲けさせてやる――客が無造作に言った。初めて買わされた二つの銘柄で、千百里は儲けた。株なんて、こんなものかしら、と思った。そのうち、自分の買っている株に酔うようになった。一円でも値上りすると、強い響きが下半身に伝わって濡れてしまう――。独壇の株小説傑作選、表題作ほか五篇収録。

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  • 女の時間
    -
    1巻440円 (税込)
    サラリーマン生活に見切りをつけて、学習塾の塾長におさまった可児雄一(かにゆういち)。若くてハンサムな彼を、欲求不満ぎみの母親族が放っておくわけがない。進学相談にことよせて、あの手この手の誘惑合戦。教室ならぬベッドの上で、手とり足とり性教育。……その色模様は少々脱線ぎみ。センセイと女たちの〃授業〃を軽快に描いた、エロチック・ユーモア小説の快作。
  • 女の事情
    -
    1巻616円 (税込)
    若くハンサムな学習塾塾長の雄一は、生徒を集めるために、まずその母親からと早速ベッドの上で契約交渉、また講師志望の女子大生にはその面接で、その他にも古株の女講師とも……。そして雄一をめぐる色模様はますます複雑になってくるが、彼は奥義をきわめたテクニックですべてを強引に解決していく……。色と欲にとりつかれた男と女の姿をユーモアたっぷりに描くエロティック・コメディ。
  • 買占め
    値引きあり
    -
    1巻300円 (税込)
    山協証券営業部長の美川道三は、熱海の旅館業者・大林、山県たちと組んで、北千住に工場をもつ東部ゴムの株の買い集めに狂奔した――。減配をうわさされるような業績のふるわない不良会社の株を、なぜ、美川たち一派は買いまくっていったのであろうか……。地下鉄工事にからむ工場買収で、33億円という大金が手に入るという情報をひそかににぎった大林たちが、東部ゴム乗っ取りのための株集めの先鋒として、美川をもひきこんだのであったが……。資本主義の裏側に仕組まれた巨大企業の利潤追求のカラクリに敢然と挑戦する、一匹狼の物語を巧みに描く野心的長編。
  • 架空集団
    -
    1巻550円 (税込)
    天性の美貌とプロポーションに恵まれた真木珠恵は、大手デパートを取引先にもつギフト用品販売会社の社長である。資本金わずか200万円。しかし彼女は金融業者から3500億円の融資を受け、230億円の債務をつくる。返済を迫られた彼女がとった行動とは? いつでもどこでも誰の身にも起こりうる悲劇。金融業界のからくりに翻弄される人間を描いた経済悪漢小説(ピカレスク)。
  • 影法師
    -
    1巻660円 (税込)
    大手洋酒メーカーの社長が、突然何の関係もないマンションから転落死した。果たして、「自殺」か、「他殺」か?警察の捜査は状況から「自殺」に絞られ、その原因を追求していく。そして、企業トップが関わった事件を隠そうと企業の論理を振りまわす会社関係者の対応や、また典型的な同族企業体質の厚い壁にはばまれながらも、意外な事実が次々に判明し、企業のスキャンダルが露呈してくる……。著者渾身の長篇企業ミステリー
  • 風の神様
    3.0
    1巻550円 (税込)
    秋山正紀は、バイク、小型車を販売するシェイク社の社長。バブル景気で業績が急伸するなか、若く、肉感的なOLを愛人とし、所有する競走馬はダービーを制する。秋山は、ますます愛人と競走馬にのめり込み、至福の時に酔う。しかし、その足もとには、平成不況が迫っていた……。時代の波に翻弄された男の、栄光と挫折を、巨匠が描ききる。
  • 風の神様(電子復刻版)
    -
    1巻605円 (税込)
    秋山正紀はバイク・小型車の販売会社〈シェイク〉の社長。バブル景気で競走馬を所有するまでになった。新たな馬を求めた北海道の牧場で、馬好きのOL矢崎ユカリと知り合う。積極的で肉感的なユカリは秋山の秘書兼愛人におさまり、秋山もユカリに溺れてゆく。さらに北海道で手に入れた馬がダービーを制し、秋山は絶頂の時代に酔う。だが、破滅はその栄光の輝きの中にあった! 巨匠が書下した“天国と地獄”。

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  • 風の骨(電子復刻版)
    -
    1巻605円 (税込)
    昭和二十七年六月二日、大分県菅生村の駐在所が爆破された。目撃者の証言によると逮捕者は三名。しかし、警察は共産党員二名を逮捕し、もう一名は取り押えたが、逃げられたと発表した。折からのレッドパージで朝日新聞社を追い出され、豊後日日新聞社会部にあって中央マスコミヘの復帰を狙う記者・池島淳一は、消えた容疑者・秋草春雄の行方を追及するうち、事件そのものに疑惑を抱く。傑作長篇。

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  • 金まみれのシマ
    -
    1巻660円 (税込)
    大手証券会社を飛び出し、投資顧問会社、実態は新興の仕手グループを主宰している八島に、立花倉庫の総務部長から、保有する自社株を譲ってほしいとの要請があった。同時に正体不明の男からも同様の申し入れがある。その裏には立花倉庫をめぐる激しい会社乗っ取りの策謀が。八島はその渦に、いやおうなく巻きこまれながらも、投資家としての本能をむき出し、地獄と背中合わせの仕手戦の悦楽に身を侵していく……。
  • 株価操作
    -
    1巻550円 (税込)
    津上修二との結婚を控えた滝沢麻衣子が突然姿を消した。勤務先の極東(きょくとう)製薬には長期休暇届が出されている。行方を探し始めた津上は、怪しげな業界紙で働く旧知の具坂英史(ぐさかえいじ)から「3年前、杉並区で起きた轢(ひ)き逃げ事件を調べろ」と示唆(しさ)された……。また極東製薬は過去に2度、株価操作の疑惑がもたれていた。津上が明らかにする驚くべき事実とは!? 傑作長編経済推理。
  • 兜町(かぶとちょう)物語
    -
    興業証券の危機的な経営を再建するため、もちまえの剛腕を買われて大抜擢をうけた谷川。彼は経営陣を刷新し、首位野村證券の牙城(がじょう)に肉迫した。――ルポライターの安部は、超特ダネ山一證券の経営危機を追ったが、地方紙の報道協定破りで夢破れ、作家への道を狙っていた。2人の男がそのとき出会った。苛烈(かれつ)な競争に明け暮れる兜町の舞台にぶつかりあう、男たちの夢。
  • 株の罠
    -
    1巻616円 (税込)
    東大出のエリートのみが名誉を競い合う舞台、官庁。人生コースを下級官吏として確定づけられてしまった私大出身の村上にとって、唯一の心の支えは妻にも明かしていない窃かな貯金。後輩証券マンのすすめで、株に姿を変えた貯金は短期間で倍になり、村上は株の魔力に魅せられる。しかし、それはささやかな夢が瓦解する序章でもあった――。表題作「株の罠」ほか傑作短編四作を収録。
  • 神は裁かない
    -
    1巻550円 (税込)
    深夜の怪電話に導かれ、夫の情事を目撃した松岡医院院長夫人・柳子は、翌朝自分の隣りのベッドで夫の死体を発見!? 柳子は錯乱状態で夫殺しを認めたが、彼女の弟・徹夫は疑惑を感じた。同じ地区内の医院で起こった誘拐事件と医師の事故死! 外科医・徹夫の推理が冴える。……現代医療の問題点と医師のあり方を、三つのトリックを駆使しながら抉る、社会派推理小説の傑作。
  • 勧奨退職
    3.0
    1巻440円 (税込)
    このまま置いておくと、周りの人にも迷惑で害になる――音響機器のトップメーカー、フロンティアの営業本部長付の相沢は、冷酷な勧奨退職を言い渡された。バブル崩壊で業績悪化にあわてた社長と副社長がとった合理化策だった。相沢は、切り捨てられる三十五人の名前をつかみ、団結して闘うことを決意、マスコミも利用して行動を開始した。が、退職期限の日、相沢は人事部長に呼び出され……。傑作経済小説集。

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  • 官能文学電子選集 清水一行『姦触時代』
    -
    1巻660円 (税込)
    鍬原は銀行員。上司の命令で預金獲得のノルマを達成するために、有閑マダムたちの性の欲求を満たすことに・・・・・・。 鍬原賴三(らいさん)は京王銀行中野支店の預金係副長。33歳、独身。身長179センチ、体重79キロの頑丈な体つきに好色な女たちは舌なめずりするほどだ。上司の命令で預金獲得のノルマが課せられているのだが、よりによってかつて鍬原が担当していた団地の有閑マダムたちが集団で定期預金を解約すると騒ぎ始めた。それを阻止するために身体を張った「営業」に精を出すことになる。「レターフレンド」という呼び名の“マン拓交信”など奇想天外なものばかり。さらに艶福家の父親に複数の愛人がいたのだが、そのうちの一人である銀美には父に内緒で高校生のときに筆下ろしをしてもらった経験を持つ。そして十数年後、今度は銀美の娘・佳津子が「1000万円預けてもいい」と言い出しついに関係を持つことになる。つまり親子どんぶりだ。この他にも、銀行の同僚の美人妻を寝取ったり、父親の別の愛人から「便秘解消のため」にセックスをせがまれるなど、まさにパンツを穿く暇がないほどの享楽人生を送るのだった。城山三郎や高杉良と並ぶ経済小説の大家が官能小説に挑んだ意欲作。
  • 官能文学電子選集 清水一行『SEXコンサルタント』
    -
    1巻660円 (税込)
    姫島羊祐は31歳でSEXコンサルタントのアシスタントとして活躍中。クライアントをはじめとした女性たちからの誘惑がひっきりなしなのだが・・・・。 多忙な院長に代わり、獅子奮迅の活躍をするSEXコンサルタントのアシスタントである羊祐の仕事は、他人の悩みを聞き、解消してやることだ。ところが彼は175センチの長身に加え、イチモツは円周14センチとかなり太い。そんなこともあり、クライアントの女性相談者や行きずりの若い女、院長夫人にその姪である看護師のみつ子とひっきりなしに誘惑の声がかかる。時にはカウンセラーを受けに来た若夫婦に頼まれて、ラブホテルに入っての「診察」なんてことも・・・・。とにかく欲求不満な女たちの要求が激しくてモテて仕方ないのだが、一戦交えた後に女たちはこぞって不満な顔をする。そう、羊祐のものは円周こそ大きいが長さが足りなかったのである。短小コンプレックスを抱えた男の、珍無類の奮闘を描く経済小説の名手・清水一行によるエロティックコメディー。
  • 官能文学電子選集 清水一行『会社の女』
    -
    1巻660円 (税込)
    食品会社の課長・宮地は妻子持ちの地味な44歳。ひょんなことから20歳以上年の離れた社内の部下と関係を持ってしまったことから心は千々に乱れていく・・・・・・。 食品会社の調査課長である宮地孝雄は44歳、妻と2人の子どもを持つごく平凡なサラリーマンだ。身長も162センチの痩せ型で最近は頭に白いものが目立つようになってきた。真面目さが取り柄のような宮地だが、唯一の楽しみは月に1~2度行きつけのバーで若い女性客を眺めることだった。その日もビールの小瓶を2本空けて、店を出ようとしたところ入れ違いに入ってきた若い女に声をかけられた。赤っぽいセミロングな髪の毛、色白で丸顔、はっとするほど目が大きい。短いスカートから、半ばむき出しにした形のいい太腿がのぞいている。気を取られていると彼女が言った。「課長さん・・・・・・」 彼女は同じ会社の文書課に勤める岡本汐美だった。年は20歳以上も離れている。バーで杯を交わして店を出ると汐美は積極的になり、宮地をラブホテルに誘う。そして宮地も夢中になって若い汐美の体を貪った。宮地は、この数年来、味わったことがないくらいの、まさに目のくらむような快感だった。その日から、すっかり宮地は汐美の虜となってしまう。暇さえあれば、汐美を誘うようになるが、あれほど積極的だった汐美はつれなく断り続ける。宮地は責任を取って、妻子を捨ててもいいとまで考え込んでしまうが、一方の汐美は迷惑そうな顔をするばかり・・・・・・。真面目過ぎる中年男と遊び慣れた若い女の考え方はどんどんすれ違っていく。表題作含め6作の短編集。
  • 機密文書
    -
    1巻704円 (税込)
    臨時雇いの女性社員に、ふとしたきっかけでのめりこみ、あげくの果てに、会社憎さに機密文書を漏えいする中年ノンキャリアの屈折した心情を描く表題作ほか、薬害問題に悩む製薬会社の弱みにつけこみ、株のカラ売りで一儲けを企む男女の愛憎を描く「悪念の剣」、余命一年の胃癌だと思い込んだ真面目一方の銀行員が、サラリーマンの保身のための習性を崩し、新聞社に情報を流してまで正義をとおそうとするが皮肉な結果を招く「癌の斧」など、企業社会の様々な人間ドラマをリアルにとらえた傑作小説集。
  • 虚業集団
    -
    1巻550円 (税込)
    戦後の混乱期に戸籍を消された上条(かみじょう)健策は、自らを“硬派金融”と称して日本経済界の裏街道を歩いていた。その商売は金融業といっても月並みな高利貸とは違い、金利を稼ぐより相手をそっくり食ってしまうのが狙いであった。上条のもとには経済犯罪のスペシャリストたちが集(つど)っていたが、そこへある融資話が……。権謀術数入り乱れる裏金融界の実態を抉る異色作。
  • きんぐさいず 1
    -
    1~5巻440円 (税込)
    ゾウアザラシ級の大きさのアレと豪運を武器に成り上がる男・石川豊太。 上京後、豊太のアレ欲しさに群がる女と「性交」するほど「成功」する彼の姿を、 昭和を代表する経済小説家・清水一行と、大衆コミックの巨匠・横山まさみちが描く! ひょんなことから巨大なイチモツの持ち主となった豊太は、無類の女好き。 好いて好かれての華麗な女性遍歴もさることながら、田舎の小学校の代用教員から 身を起こして、やがて上京した「キングサイズ」な男のサクセスストーリー!!
  • 逆転の歯車
    5.0
    1巻770円 (税込)
    航空機疑惑のため国会の証人喚問に立たされた井関弘志は放心状態にあった。糾弾を受けるなか、総合商社・山紅の専務取締役まで翔け昇った自分の半生をふと振り返っていた。入社十年目の春に到来した一大チャンス……。航空機疑惑の渦中で翻弄されるエリート商社マンの栄光と挫折を鋭く抉った、長編企業小説の衝撃作!
  • 銀 行 員
    -
    1巻550円 (税込)
    堀友銀行得意先係の吉川は、隣りの丸和銀行窓口から現金を強奪し、それを新規開拓の口座として入金した。その異常行為を本人は全く記憶していなかった。……巨大企業による吸収合併の波にのみこまれる地方銀行。その中で神経を蝕まれていく行員の悲哀。――現代社会を懸命に生き抜く人間群を鋭く描き尽くす傑作集。
  • 銀行取付
    -
    1巻550円 (税込)
    稲荷銀行は規模は小さいが、その地方に競合する大手の支店がないため、経営基盤は安定していた。ところが突然、潰(つぶ)れるらしいという流言蜚語(ひご)が拡がった。群集心理による取付騒動は、収拾のつかない事態へ発展した。噂の発信源は? どんな意図が秘匿(ひとく)されていたのか?(表題作)。経済企業小説の傑作集。
  • 君  臨
    -
    1巻550円 (税込)
    杉友銀行会長・鹿島正勝は、なぜ13年間も君臨していられたのか? 経済評論家の岩沼満之は、その鹿島の訃報に接して自殺ではないかと疑った。低迷する杉友を最強の戦闘集団に変え、都市銀行のトップに返り咲かせた鹿島。彼はその後の独断専行と相次ぐ不祥事で、銀行を追われたのだった。一人の男の姿を通じて、バブル崩壊、金融業界の内幕を鮮烈に描く傑作。
  • 偶像本部
    -
    1巻550円 (税込)
    巨大メーカー・ホウトク自動車の労連会長・大宮英樹は、社長の人事を左右するほどの絶大な権力と、大邸宅や大型ヨットまで持つ労働貴族であった。若き労連書記・山脇徹夫はある日、大宮からシンガポール新婚旅行をプレゼントされたが、ハネムーン中に東京で殺人事件が!……ここには恐るべき陰謀が隠されていた。巨大労組の実態に鋭く迫った企業推理小説の傑作。
  • 系列
    -
    1巻550円 (税込)
    年商三兆円の日本を代表する自動車メーカー・東京自動車。その系列会社、大成照明器のオーナー社長・浜岡は、一方的に社長交代を宣告された。経営権を奪い、完全な管理下に置こうというのだ。水面下での激しい攻防。浜岡は会社を守れるか─

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  • 公開株殺人事件
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    1巻880円 (税込)
    先端技術で超優良企業にのし上がったモリオ精機の常任監査役・原田省吾が不可解な死を遂げた。若い後妻の也寸子、彼女より歳上の娘・純子と良子。相続する遺産はなんと九十九億円だった! 金融資本による会社乗取り、社長追放劇、人間の欲望と煩悩……策謀渦巻く株の世界を、第一人者が書下ろした企業推理の決定版!
  • 毒煙都市(電子復刻版)

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     1932年7月7日に勃発した盧溝橋事件の直後の、9月25日にM市の弾薬や肥料等を作る化学工場で2度の爆発事故が起こり、黄白煙が市内に流れ込む。直後より近隣の子供たちを中心として消化器症状や咽頭痛を訴え、症状のある子どもを連れた親たちが開業医の元に殺到する。事故直後より、赤痢と決めつけて対処を始める行政機関。臨床を知る医師達は、検便検査等を行わず連日徹夜で治療に奔走する。あまりの惨劇に、医学部や行政が動き出し対処にあたる。原因は赤痢か。赤痢であるなら上水道が原因だ。しかし、上水道は治水の悪いM市より遠く8キロ離れた水源から運ばれ、特許も持つ当時としてはほぼ完璧の濾過浄水機能を備えており、治水担

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    2022年11月13日
  • 敵対的買収

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    会社法で取得制限株式の制度が定められる以前の、実際の事案がベースになっていると思われる小説。

    驚いたのは、TOBに関すると言うよりも、単身赴任サラリーマンの悲哀に関する描写が、事案のそれを上回っていた事だろうか。

    どちらかというと、そっちが面白かった☆5つ!

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    2014年05月21日
  • 小説 兜町

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    この時代の良くも悪くもダイナミックさを随所に感じる作品である。現在の日常と較べて生きている実感、喜怒哀楽、浮き沈みをより感じることができる。

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    2022年11月20日
  • 追われる男

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    プレハブ住宅メーカーのワンマン経営者多河久雄の物語
    北九州で社員3人で創業、ブームの乗り業績を伸ばし
    東京進出、東証2部上場するがバブル崩壊、中国進出するが中国の政治社会風土に苦戦、阪神大震災で作業員の手配にヤクザを使いまたその縁で粉飾を理由に恐喝され・・・などで多額の借金を背負うはめに・・・
    最後は富士の樹海で白骨遺体で発見される。
    自殺か殺されたのか?????
    第一章の中国に借金を取り返しに行き現地で行方不明に・・・
    これにつながるのか。

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    2013年02月12日
  • 乗 取 り

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    昭和48年のオイルショック後の物不足パニック(トイレットペーパー洗剤)を背景に洗剤会社が巧妙な罠で乗っ取られる「乗っ取り」
    企業ぐるみ選挙、まさかの落選、選挙運動に携わった者が責任をとらされ左遷「企業爆破」賭けゴルフで何千円と動く「餌食」遠い昔の光クラブ事件を題材にした「遠い金脈」他

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    2013年01月07日

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