作品一覧

  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

    [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

    ビジネス・実用

    4.7
    1巻1,200円 (税込)
    変革栄えて、国滅ぶ。これは230年前に書かれた「現代日本の省察」だ! 18世紀、自由と秩序のバランスを求めて、華麗な弁舌をふるったイギリスの政治家・文人エドマンド・バーク。保守主義のバイブルと呼ばれる代表作について、刊行当時のインパクトを甦らせるべく、最先端・最高峰の名訳で再構成。理想社会の建設を謳ったフランス革命は、以後のあらゆる変革の原型となった。だが高邁な理念は、凄惨な現実と背中合わせだった! 「自由なら何でも良いのか?」「茶番を続ける国民議会」「すべてを変えるのは無能の証拠」「地方は没落、得するのは都市のみ」「『愛国』税制の浅ましさ」「この革命は、とんでもない疫病かもしれない」――三色旗の向こうに、混乱を重ねる日本の姿が見えてくる。文庫化にあたっては、話題の現代貨幣理論(MMT)とフランス革命との関連も詳しく解明、いっそう画期的な内容となった。気鋭の評論家・中野剛志氏による解説も必読。
  • 感染の令和

    感染の令和

    ビジネス・実用

    -
    1巻2,750円 (税込)
    土壇場ですべてが許される! 政治・外交・経済・社会・思想・コロナ 時代の全貌、ここにあり。 衰退・没落の色を日増しに強める令和日本。 「かつては繁栄を謳歌したのに、なぜこうなったのか?」と疑問に思う人も多いはず。 だが戦後日本は、もともと失敗を運命づけられていた。往年の成功は、それがたまたま抑え込まれていた結果にすぎなかったのだ! 七十年以上前から、われわれは「滅び」に感染していたのである。コロナ禍のもと、この病は「現実の否認と解体」という形を取るにいたった…… 時代の全貌をつかみ、現実を再建せよ。本書は復活への道を示す「知の黙示録」だ。 「美しい調和という「令和」本来の意味とは裏腹に、日本は濃霧に包まれている。 コロナウイルス以前に、日本人の精神が何かに感染しているのではないか? 鬼才、佐藤健志氏がタブーを破り、戦後を呪縛する神話を解いて、 われわれを現実発見へと導く。」 ———堀茂樹氏(慶応義塾大学名誉教授)、激賞!!
  • コモン・センス 完全版 アメリカを生んだ「過激な聖書」

    コモン・センス 完全版

    ビジネス・実用

    3.5
    1巻1,699円 (税込)
    1776年の新大陸で、独立戦争の起爆剤となった大ベストセラー『コモン・センス』。アメリカについても戦後日本についても、本書を知らずに語ることはできない。それどころか、本書には面白い特徴が見られる。イギリスに対するアメリカの従属ぶりを批判し「自由のために決起せよ」と叫んだトマス・ペインの議論は、「イギリス」を「アメリカ」に置き換え、「アメリカ」を「日本」に置き換えるだけで、「真の独立のために決起せよ」と叫ぶ日本の反米保守の議論とそっくりなのだ。『コモン・センス』は新大陸の人々に対して「独立アメリカはかくあるべし」というイメージを説いた書だが、そのイメージには「原理主義的な宗教性」「合理主義・啓蒙主義的な虚構性」という二つの大きな柱がある。この二つが結びついた結果、理想と矛盾を孕む国となった……。これまで日本では不完全版でしか読めなかった歴史的名著が、華麗な訳文のもと全面復活!
  • 新自由主義と脱成長をもうやめる

    新自由主義と脱成長をもうやめる

    ビジネス・実用

    3.7
    1巻2,200円 (税込)
    岸田首相が提起した「新自由主義からの脱却」「分配と成長」「新しい資本主義」。 いずれも重要な方向性だが、これらを実現するための条件は何か。 本来であれば格差問題の解決に取り組むべきリベラルが、なぜ「新自由主義」を利するような「脱成長」論の罠にはまるのか。 自由主義の旗手アメリカは、覇権の衰えとともにどこに向かうのか。 グローバリズムとナショナリズムのあるべきバランスはどのようなものか。 コロナ禍を機に、先進諸国がこぞって積極財政に転換、社会主義的ともいえる政策を実施するにいたった状況をどう捉えるべきか。 東洋経済オンラインの人気シリーズ「令和の新教養」などをもとに大幅加筆し書籍化。 気鋭の論客が、2020年代の重要テーマを論じつくす。
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

    [新訳]フランス革命の省察

    ビジネス・実用

    4.3
    1巻1,400円 (税込)
    1789年7月に勃発したフランス革命は、以後のあらゆる革命の基本になった。社会主義はもちろん、いまの日本の「改革」志向も、すべてこの革命に通じている。だが、その真実は何だったのか?「保守主義の父」と呼ばれる著者、エドマンド・バークが喝破したのは、革命による混乱が生じた国家で、急進主義的な改革を推し進めようとすれば、その国の事態は日を追って収拾がつかなくなる、ということだった。挙げ句の果てに、その政府は人々が唖然とするような「トンデモ政策」を打ち出さざるをえなくなる。まさに、2011年の民主党政権の有り様と同じではないか!本書は、バークの思想の現代性を読み取った訳者・佐藤健志氏が、フランス革命が進行するさなかに書かれた名著をバージョンアップしてよみがえらせたものである。21世紀の今日、チュニジアやエジプトの革命はいうに及ばず、日本の「革命政府」が生み出した混乱を理解するうえでも必読の書。
  • 戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する

    戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する

    ビジネス・実用

    -
    1巻1,232円 (税込)
    戦後からの脱却を掲げ、真の独立を目指す安倍政権。だが一方で同政権は、安保法制から構造改革、TPPまで、一層の対米従属路線へと突き進んでいる。なぜ日本では、自主独立を叫ぶほど属国化が強化されていくのか。そこには現実を見ない保守勢力と、それに依存するリベラルによる「キッチュ」(思考停止)という病理が隠されていた! 日本の保革構造からヘイト、カウンターまで、あらゆるところに潜む「キッチュ」の実態を暴き、真の日本の道を問う!
  • 対論 「炎上」日本のメカニズム

    対論 「炎上」日本のメカニズム

    ビジネス・実用

    -
    1巻968円 (税込)
    炎上はネットの中だけで起きているのではない! 「ネット上で非難や誹謗中傷が殺到する」という現象を「炎上」という。 だが、小泉「劇場」、橋下「劇場」、小池「劇場」のように、「劇場」と名のつく政治手法も、また社会の炎上の一形態なのである。演劇や映画がブームとなるのも典型的な炎上だ。 ときとして社会を破壊する危険性のある炎上のメカニズムと対策を、保守の論客二人が対論形式でさぐる。 【著者プロフィール】 <佐藤健志(さとう けんじ)> 評論家・作家。89年、戯曲『ブロークン・ジャパニーズ』で文化庁舞台芸術創作奨励特別賞を受賞。著書に『右の売国、左の亡国』『愛国のパラドックス』『戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する』『ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義』『本格保守宣言』など多数。 <藤井 聡(ふじい さとし)> 京都大学教授。専門は公共政策論、都市社会工学。内閣官房参与(防災・減災ニューディール)。土木学会論文賞、日本社会心理学会奨励論文賞など受賞歴多数。『公共事業が日本を救う』など著書多数。『大阪都構想が日本を破壊する』で橋下徹元大阪府知事・大阪市長を批判して話題に。 【目次】 第一章  現代の「炎上」の基本メカニズム 第二章  ジャン・アヌイの作劇に見る炎上の魅惑と詐術 第三章  炎上における「隠蔽」の構造 第四章  炎上にひそむ「知性のめまい」をさぐる 第五章  炎上のメカニズムへの挑戦 第六章  仮相と炎上の戦後史 第七章  対談 炎上はコントロールできるのか
  • バラバラ殺人の文明論 家族崩壊というポップカルチャー

    バラバラ殺人の文明論

    小説・文芸

    -
    1巻1,600円 (税込)
    2006年12月、東京・渋谷の歯科医師一家・武藤家において、予備校生の次男・勇貴が妹にあたる短大生の亜澄を殺害し、遺体をバラバラにする事件が起きた。一般的に「歯科医師一家殺人事件」と呼ばれる同事件を、著者は亜澄への弔意を込めて「短大生バラバラ殺人事件」と記している。同事件から浮かびあがるのは、「現在の日本では“良さそう”に見える家族にこそ病弊が潜むのではないか」という矛盾、もしくは「家族が新しい世代を育成する場ではなく、新しい世代が圧殺される場と化しているのではないか」という歪みの存在だ――と著者は説く。この矛盾や歪みの淵源を探ると、明治以来の「近代」という文明それ自体に潜む問題点にまで行き着くのだという。映画や演劇といったわが国のポップカルチャー(一般文化)作品において「新しい世代の圧殺に起因する家族崩壊」というモチーフが最近目立つことにも着目しつつ、日本全体の未来への展望を指し示す。
  • 平和主義は貧困への道

    平和主義は貧困への道

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻2,200円 (税込)
    「バカをやるのは利口者! やはりブルース・リーは正しかった。 “考えるな、感じろ”さあ、目を開け。」 ―――――――評論家・中野剛志氏、絶賛! だけど、日本は大丈夫! わが国の平和主義が、非現実的な観念論に終始しがちなことは、よく知られている。 それにより、戦争の危険がかえって高まりかねないことも、しばしば指摘されてきた。 「平和主義は戦争への道」というわけだが・・・ 誰も気づかない事実を明かそう。 平和のもとで、国はたいがい繁栄する。 ところが戦後日本の平和主義は、貧困を不可避的にもたらすのだ! 平和主義、それは貧困への道なのである!! さらに、誰も気づかない事実を明かそう。 わが国の保守は、平和主義の非現実性を長らく批判してきた。 ところが、ほかならぬ保守も、自覚しないまま平和主義を信奉しているのだ! 右も左も貧困が好き! 日本が落ちぶれてきたのも、当然の話ではないか?! こうしてわが国は、誇りと絶望のはざまで対米従属の経路を歩む。 そのことを批判する主張も、決して珍しくはない。 しかし、誰も気づかない事実を明かそう。 従属が深まり、行き詰まれば行き詰まるほど、日本人は爽快になってくるのだ! 対米従属の末路、それは爽快なものなのである!! 「何だって、そんなバカな! どうしてそんな話になるんだ?!」 あなたの疑問はもっともである。何かがおかしいのは明らかだ。とはいえ、おかしいのは何なのか? 日本の低迷や没落の陰にひそむ、7つの真実をさぐることで、 「利口な者ほどバカをやらかし、国の方向性を誤る」現状を脱却し、未来にいたる道を示す。 序章  賢いほどのバカはなし 第一章 平和主義は貧困への道 第二章 平和主義は少子化への道 第三章 愛国は虚妄か、さもなければ売国だ 第四章 経世済民のために経世済民を放棄せよ 第五章 従属徹底で自立をめざせ! 第六章 政治は口先と言い訳がすべて 終章  不真面目こそ未来を拓く パターン化された発想を捨てろ。 考えるな、感じろ。 そして、目を開け。 もう一度、カバーの美女を見つめるのだ・・・ だけど、日本は大丈夫! ──ということにしておこう。 著者略歴 佐藤健志(さとう・けんじ) 1966年東京都生まれ。評論家・作家。東京大学教養学部卒。1989年、戯曲「ブロークン・ジャパニーズ」で文化庁舞台芸術創作奨励特別賞受賞。 主著に『右の売国、左の亡国』『戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する』『僕たちは戦後史を知らない』『夢見られた近代』『バラバラ殺人の文明論』『震災ゴジラ!』『本格保守宣言』『チングー・韓国の友人』など。 共著に『国家のツジツマ』『対論「炎上」日本のメカニズム』、訳書に『〈新訳〉フランス革命の省察』、『コモン・センス完全版』がある。 ラジオのコメンテーターはじめ、各種メディアでも活躍。2009年~2011年の「Soundtrax INTERZONE」(インターFM)では、構成・選曲・DJの三役を務めた。
  • 本格保守宣言

    本格保守宣言

    ビジネス・実用

    -
    1巻660円 (税込)
    本格保守、それは混迷の未来を切り拓く指針だ──。改憲や改革にばかりこだわる保守は、左翼的な進歩主義の影響を受けて生まれた「公式保守」、つまりニセモノにすぎない。「世の中はどこまでも良くなる」という近代的理性の限界を悟り、より深い叡智にめざめることこそ、社会や国家、いや世界をベストの状態に保つ鍵となる。フランス革命以後の保守の歴史をふまえ、明日への大胆な提案を行う画期的宣言。
  • 夢見られた近代

    夢見られた近代

    ビジネス・実用

    -
    1巻2,288円 (税込)
    「欧米の夢に適応するための努力を強いられてきた過程」である「近代」を、映画分析を通して、これからどう考えたらいいのかを問う。

ユーザーレビュー

  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

    Posted by ブクログ

    『フランス革命の省察』 エドマンド・バーク

    「保守の父」と呼ばれるエドマンド・バークによる古典。フランス革命を礼賛する当時の風潮に対し、人間の理性の限界と、歴史や伝統の中で育まれた制度や慣習の重要性を説いている。

    難解な内容だったが、現代の政治や社会の変化と重ね合わせながら読むことで、非常に多くの示唆を得ることができた。

    バークは改革そのものを否定したのではなく、抽象的な理念だけで既存の秩序を急激に変えようとすることの危険性を指摘している。自由や権利もまた、先人から受け継ぎ、次の世代へ受け渡していくべき「相続財産」のようなものだという考え方が印象に残った。

    保守主義とは単なる現状維持ではなく、人間の理性の限界を自覚しながら、伝統や歴史の中に蓄積された知恵を尊重し、必要な改革を漸進的に進める思想であることを理解できた。

    理想と現実、改革と伝統のバランスについて深く考えさせられる一冊。現代の政治や社会問題を考える上でも色褪せない古典だと思う。

    0
    2026年06月16日
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

    Posted by ブクログ

    エドマンド・バーク
    (英: Edmund Burke、1729年1月12日 - 1797年7月9日)は、アイルランド王国生まれのイギリスの政治思想家、哲学者、政治家。「保守思想の父」として知られる。フランス革命の源泉となったルソー主義を激しく非難し、1765年から1794年までイギリス庶民院(下院)議員を務めた。

    「私は革命というものが好きではない。しかるに革命が生じる兆しは、しばしば演壇の上から発せられてきた。変革を待望する発想は世間に広まりつつある。フランス人諸君は、伝統的な社会機構など、自分たちの都合や気分次第で全否定しても構わないと思っているようだが、イギリスでもいずれ同じ風潮が台頭するかもしれない。  だとすれば、わが国の法制度がどのような原則のうえに成り立っているか再確認しておく必要があろう。フランスの友よ、君もこれについて学んだほうがよい。イギリス人は長年の原則を捨て去るつもりなどないのだ。  サギ師同然の連中は、革命精神なるものをフランスへとこっそり輸出したあと、もう一度イギリスに密輸入しなおすつもりのように見受けられる。ドーバー海峡のどちら側でも、われわれはかかるインチキ商品に取り合ってはならない。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「 イギリス人は、試着もせず流行のファッションに追随するようなことはしないし、試着してみて着心地の悪かったファッションをあらためて引っ張り出すこともない。世襲による王位の合法的継承は、わが国の欠点ではなく美点なのだ。  それは腹立ちのタネならぬ自慢のタネであり、隷従のしるしどころか自由を保障するものにほかならない。われわれは自国のあり方を、現状のままでたいへん素晴らしいと考える。そして王位が確実に継承されることは、国家全体が安定して続いてゆくことを象徴的に示すものなのである。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「賢明な者は、事態の深刻さを検討して決断を下すだろう。短気な者は、圧政への反発に駆られて。気高い者は、王たる資格のない者が権力を濫用することへの怒りから。勇敢な者は、大義のために名誉ある戦いをすることを望んで。  何にせよ、思慮深く善良な者にとって、革命はほんとうに最後の手段なのだ。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「 近年のフランスがパッとしない面々によって治められてきたというのなら、彼らを飛び越し、より古い時代の英雄たちに手本を求めても良かったのだ。祖先を敬うことは、正しい自尊心を持つことに等しい。そうすれば「解放の年たる一七八九年まで、フランス人は時代の流れに取り残された、卑しい奴隷の集まりだった」などと見なすこともなかっただろう。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著


    「私は「人間の権利」という概念を否定したいのではない。人々が自分たちの真の権利を行使するにあたって、邪魔立てする気も(そんな力が私にあるとしてだが)毛頭ない。人権主義者の振る舞いは、われわれの真の権利を完全に破壊するものにほかならず、彼らのデタラメを批判することと、権利を守ることは矛盾しないのだ。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「政治にたずさわる者は、人間の本質は何か、人間は何を欲するかについて、深い知識を持たねばならない。さらに政策を実現するうえで、何がプラスで何がマイナスかもわきまえねばならない。「人間は食べ物を得る権利がある」とか「人間は医療を受ける権利がある」とか、抽象的に論じて何になる!  重要なのは、食糧や医療を実際に提供することなのだ。ここでは哲学の教授連ではなく、農民や医師の手を借りたほうが良いのは明らかだろう。  国家を構築したり、そのシステムを刷新・改革したりする技術は、いわば実験科学であり、「理論上はうまくいくはずだから大丈夫」という類のものではない。現場の経験をちょっと積んだくらいでもダメである。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「 かかる政治手法は、きわめて好ましくない副作用をもたらす。非常事態においては、ときに非情な振る舞いも必要となるが、世の中をつねに非常事態と見なしたがる革命派は、人間を冷酷なものにしてしまうのだ。  こういった連中は、人権をめぐる理屈をこねるのに忙しくて、人間のあり方そのものを見失っている。新たな英知を切り開くつもりで、じつは心を閉ざしただけ。われわれの胸中に宿っているはずの優しさや共感は、すっかり歪められる結果となる。  陰謀、虐殺、暗殺も、それで革命が成就されるなら安いものにすぎない。犠牲や流血沙汰を回避して改革を実現するとか、死体の山を築かずに自由を獲得するのは生ぬるいようなのだ。革命派は物事をとことん変えないことには納得しない。芝居でいえば、舞台装置の大転換による派手なスペクタクルを観たくて仕方ないのである。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「プライス牧師(訳注 =イギリスにおける革命支持派。フランスを見習おうという趣旨の説教を行った。プロローグ〜第二章を参照)にとり、フランス革命はまさにそんなスペクタクルだった。説教のしめくくりで、彼は感極まってこう述べる。「いまは何と偉大な時代であることか!  この革命を目の当たりにできて満足だ。『神よ、もう死んでも悔いはありません。あなたのもたらす救いをしかと見届けました』──ほとんどこう言いたくなる。英知は世に広まり、迷信と錯誤をくつがえした。人権はかつてなく理解されるに至り、自由を忘れかけていたかに思えた国々は、それを取り戻すべく立ち上がっている。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「権力を持つ者、あるいはプライドの高い者は、とかく尊大に振る舞いやすい。これを自然にやわらげてくれるのが騎士道である。君主は人々に敬愛されるべく勝手な真似を慎み、頑迷な権威は優美なものに変わる。法律に頼らないかぎり物事が仕切れない社会より、誰もが礼節を知るがゆえに物事が丸く収まる社会のほうが望ましいのは明らかだろう。  ところが、すべては変わらねばならない。騎士道のもとでは、権力は穏健であり、人々は自由の精神を保ちつつ支配を受け入れた。かくして社会の各階層は調和し、政治にも気配りや思いやりが見られた。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「慣習が消滅するとき、社会秩序は根底より揺らがざるをえない。しかしその場合でも、権力は何らかの形で存在しつづける。そして慣習という支えが失われた以上、秩序を維持するには、もっと露骨な手段──暴力に訴えるほかなくなる。伝統的なシステムをひっくり返すべく、伝統的な慣習を破壊したことのツケは、こうやって回ってくるのである。  封建制を起源とする騎士道は、忠義の精神を社会にもたらした。忠義が重んじられるかぎり、反乱が生じる恐れはない。反乱の恐れがなければ、圧政を敷く必要もなく、王と国民の双方が安心していられる。だが忠義の精神が失われたら最後、王は陰謀や暗殺の恐怖にさいなまれたあげく、不穏分子の処刑や財産の没収といった、残酷で血なまぐさい手を使い出すだろう。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著


    「こういった忌まわしくもおぞましい状態へと、フランスが突っ走っていないことを願う。国民議会や、革命指導者たちの動向を見ると、発想の貧困や、粗野で下卑た姿勢といった特徴がすでにうかがわれる。彼らの説く自由には寛大さがない。彼らの科学なるものは無知な思い上がりにすぎない。彼らの人間性は冷酷で粗暴である。  イギリスはつねに、フランスから多かれ少なかれ影響を受けてきた。そのフランスで、文化や慣習の水源が枯渇したり、汚染されたりするならば、イギリスでも同じことが生じかねない。いや、あらゆる国に余波が及ぶ恐れすらあろう。ゆえに私は、同国で起きている事態について、ヨーロッパ全体が深い関心を持たねばならないと考える。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「人間はいつでも善いことをするとはかぎらないものの、望ましい固定観念に支えられれば善行をする習慣が身につく。つまりは社会にたいする義務を、本能的に果たすようになるのである。  フランスのインテリや政治家たち、ついでにわが国の「啓蒙主義」一派は、こういうことがさっぱり理解できないらしい。彼らは他人の英知に敬意を払おうとせず、そのかわり自分の英知を絶対視する。古くから続いてきた制度は、ただ古いというだけで否定されてしまう。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「 政府の形態など、ファッションのごとくコロコロ変わって構わないことになる。憲法への愛着にしても、とりあえず都合が良ければ、という程度。それどころか彼らは、祖国すらほんとうには愛していない。自分たちが好きにいじり回せる間だけ、愛国心を抱いているような気になるだけの話。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「聞くところによると、フランス国内では、今回の革命はイギリスの事例を手本にしたなどという説が出回っているとか。断言させてもらうが、目下そちらで起きている騒動は、わが国の政治のあり方とは似ても似つかない。革命派の唱える理念にしても、大多数のイギリス人の考え方とはおよそ異なる代物にすぎない。  ついでに言えば、われわれはフランス革命から何かを学ぶつもりも毛頭ない。事態のなりゆきに無関心でいられないのは事実だが、それは影響が及んだりしないよう、距離を取らねばならないと用心しているのだ。  かりにこの革命が、あらゆる社会問題を解決する万能薬だったとしても、われわれは真似したいとは思わない。必要のない薬を服用するのは、決して良い結果をもたらさないからである。ましてこの革命は、とんでもない疫病かもしれない。その場合は厳重な隔離措置によって、わが国への蔓延を阻止しなければなるまい。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「フランスの革命派は、宗教を迷信と片付けているようだ。しかし宗教こそは文明社会の基盤であり、あらゆる善と幸福の源である。これは観念論ではなく、われわれの実感にほかならない。  人間とは不合理なものなので、長い年月が過ぎるうち、宗教も少々サビついて迷信じみてくることはありうる。けれどもイギリス人は、宗教自体の必要性については揺るぎない確信を持っている。「迷信を一掃すべく、宗教そのものを否定せよ」などという主張には、一〇〇人のうち九九人までが反対するに違いない。システムに生じた腐敗や欠陥を正し、完璧なものにしようとこだわるあまり、システム全体をぶち壊してしまうのはバカげたことではないか。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「民衆の行動は、世論によって必ず支持される。世論とは民衆の意見なのだから、これは当然であろう。完璧な民主主義こそ、もっとも恥知らずな政治形態なのだ。そして恥知らずということは、とんでもないことを平然としでかすことを意味する。  やりすぎのせいで罰せられるのではないかと恐れる者はいない。いや、民衆はそんな不安を抱く必要がないのだ。刑罰とは本質的に、民衆全体を保護するための見せしめとしての性格を持つ。裏を返せば、民衆全体を罰することなど誰にもできない。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「だからこそ「民意はつねに正しい」という発想を許容してはならないのである。好き勝手に権力を行使してはいけない点では、君主も民衆も同じだ。しかも民衆の横暴は、君主の横暴と比べても、社会に大きなダメージを与える。  民主主義が機能するためには、民衆はエゴイズムを捨てねばならない。宗教の力なくして、これはまったく不可能と言える。国家は聖なるものであり、権力は神の御心に沿うべく行使されるとき、はじめて正当なものとなる──かかる認識が定着しないことには、粗野で無能な連中が政権の座についてしまうだろう。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「時代の風潮やら流行やらに流されて、国家のあり方をコロコロ変えてしまうなら、社会の本質である連続性が破壊される。世代間のつながりは失われ、われわれは夏の間だけブンブン飛んでいるハエ同然の代物となるに違いない。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「ところが世の中には、老いた親を八つ裂きにするかのごとく、祖国をズタズタにして平気な者たちも存在する(訳注 =第三章でバークは、革命派による共和制の導入により、フランス各地に自治体が乱立、国家としてのまとまりがなくなったと批判している)。こういう手合いは黒魔術を信奉しているらしい──バラバラになった親の死体、もとへ国家の残骸を、「改革」という名の大釜に放り込み、毒草を加えて呪文を唱えるだけで、すべてが元通りに復活すると思っているのだ。ゾッとする光景としか言いようがない。  既存の秩序の全否定を正当化しうるもの、それは「他にいかなる選択の余地もない」という絶対的な必要性のみである。革命とは「したいからする」ものではなく、「否応なしにせざるをえない」ものでなければならない。熟考とか、議論とか、客観的証拠といったレベルを超えて、誰もが革命の必要性を肌で実感するまで待つべきなのだ。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「知識人一派はかなり前から、キリスト教を否定するための大計画とも呼ぶべきものをつくり上げ、これにカルト的な情熱を注ぎ込んだ。まずは「誰であれ合理主義に改宗すべし」という信念に取り憑かれ、やがて「教会はあらゆる方法で攻撃すべし」という信念にも取り憑かれたのだ。  直接的な行動で教会をすぐ倒すのは無理でも、宗教を否定する方向へ世論を導くことはできる。そのためには世論にたいする影響力を掌握しなければならない。自分たちの仲間でなければインテリとして評価されないよう、知識人一派は周到に画策していった。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「代表者が増えることで、金持ちはメリットを得るどころか、ますます立場が弱くなってしまうのだ。富裕な地域ほど、金持ちへの逆差別は激しくなる。また地域ごとの格差をこんなふうに容認することが、国家全体のバランスや安定にどう寄与するのか、私には理解できない。  個人の場合と同じく、地域と地域の間でも、おのれの利害に固執したり、いがみ合ったり、嫉妬したりという事態が続発するだろう。それどころか地域レベルの対立は、個人レベルのものより深刻になりうる。下手をすれば、内乱一歩手前の状態に陥るのではあるまいか。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「「一七八九年七月(あの永遠に記念されるべき時)、市の財政はまだ健全だった。歳出と歳入は釣り合っており、銀行には一〇〇万リーブル(四万ポンド)の金が預けられていた。だが革命勃発いらい、市が負担しなければならなかった支出金額は二五〇万リーブルに上る。自主納税や献納にも大幅な落ち込みが生じた。パリは『一時的に金がない』状態にあるのではない、『まったく金がない』状態に置かれているのだ」  パリには過去一年間、財政を維持するために莫大な金がつぎ込まれた。フランス各地から吸い上げられた金である。にもかかわらず、結果はこんな具合。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

    「 自由には道徳が不可欠なのだ。頭が空っぽのくせに「自由、自由」と叫びたがる連中は不愉快きわまりない。思い上がりもいい加減にしろと言いたくなる。  高らかに自由を謳うこと自体を否定しているのではない。そこには胸を熱くするものがある。われわれは大きな心で寛大に行動するようになるし、争いの場では勇気をかき立てられる。」

    —『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)』エドマンド・バーク著

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    2026年04月18日
  • [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

    Posted by ブクログ

    英国人からフランス革命への強い批判がなされる本書は、保守主義のバイブルとも言われ、時代を超えて読み継がれてきた名著です。

    改革とか変革なんていう言葉はいつの時代も持て囃されますが、急激な変化は副作用もとても大きい。
    フランス革命といえば、高邁な理想を掲げ圧政を打ち破った民衆の戦い、という理解が一般的かもしれません。
    しかしながら、その急進主義は社会に様々な混乱や弊害をもたらし、10年後にはナポレオンによるクーデターで終焉を迎えることとなります。
    著者のバークは、革命の終焉を見届けることなく没するのですが、本書で述べられる革命への批判は非常にインパクトの強いものです。
    現代社会にも当てはまる教訓が、そこかしこに散りばめられています。

    この新訳版は、原著の全訳ではなく抄訳ではありますが、ダイナミックかつ読みやすい翻訳のおかげで、急進主義的な改革が内包する問題点がよく理解できました。
    社会の問題はどうやって解決されるべきか、という点において、現代社会にも警鐘を鳴らす一冊だと思います。

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    2025年11月28日
  • 新自由主義と脱成長をもうやめる

    Posted by ブクログ

    経済学者の対話本。政治と経済の話が多い。菅内閣の大学改革を継承した岸田内閣について批判的に語られる。ウクライナについても触れられている。
    しかし雑多で散漫な感じはやはりする。タイトルの内容について深めて語るということはない感じだ。

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    2025年01月29日
  • 新自由主義と脱成長をもうやめる

    Posted by ブクログ

    新自由主義のようなリベラルな考え方が、実は同じような価値観を押し付ける帝国主義的な考え方ではないか?と言う視点は面白いと思いました。
    とは言え、世界で盛り上がりを見せているナショナリズムが単純に正解と言うわけはなさそうですし、それぞれの国の文化や習慣と言った内的なものと、地政学など外的なものを、その国にとってベストな政策を選んでいく必要があると理解しました。

    個人レベルの話としては、グローバル化により株価は上がっても、実際に多くの国民は苦しんでおり、一人一人は弱い国民が団結して中間団体を形成し、資本家や国に立ち向かうと言う形が必要なのかもしれませんが、それも今やなかなか難しそうです。
    地域や業界など、人々の連帯と言うのはこれからの時代の一つの鍵になると考えていきたいと思います。

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    2024年06月02日

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