西谷修の作品一覧
「西谷修」の「アメリカ 異形の制度空間」「NHK「100分de名著」ブックス ロジェ・カイヨワ 戦争論 文明という果てしない暴力」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
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要するに、「国民」というのは、国家の保護枠から放り出されて、グローバル経済に参画するさまざまなグループや法人の、使い捨ての資材とか売り物になっている。けれども、それをあからさまにはできないから、うまくごまかして国家と国民の繋ぎをしてくれるようなイデオロギーは大歓迎というわけです。
…(中略)…
経済原理によって「解放される」ということは、結局、個々人がバラバラに分断されて、そのことが「自由」だと言いくるめられる状況です。役立たずとなると「個人」としてさえ認められません。こういうことから分かるように、「個人」として認められるというのは同時に「人権」を認められるということ(が必要になるはず)なんですね。
それ(=人権)を主張すると、今度は、自由な体制なんだから何があっても自己責任だ、ということにされる。そういう論理が用意されています。「民営化」の下ではみんな「個人事業主」、体一つ以外に資産がなくても自営業者なんだ、と。「民営化」(privatization)という単語はほんとうは「私物化・私権化」であって、翻訳でうまくごまかしています。
----------------------------(本文68頁より)
Posted by ブクログ
当時は教会が政治との結びつきが強く、政治扇動の書として誤解されることを防ぐため、友人のモンテーニュがラ・ボエシの死後も発表を躊躇したという書籍。
人は力や謀略により強制的に服従することはあっても、強制されずとも自ら進んで権威に服従するのは何故か。この自発的隷従のメカニズムついて様々な考察を示し、最も唾棄すべき悪徳として痛烈な批判を浴びせている。翻訳の絶妙さなのか、ラ・ボエシの批判的な文章が妙に強烈なのが印象的だった。
【一部引用】
彼らは強制されもせず、いかなる必要もないのに、圧政者に身を委ねた。私はこの民の歴史を読むと、きわめて大きな恨みの念を覚えずにはいられない。われながらまるで人間らしさを失って、それ以後彼らに訪れたかくも様々な災厄を喜びたい気持ちになるほどだ。
私は勇壮な人でも、高貴な生まれの人に語っているのでもない。ただ普通の常識ある人、さもなくばただ人間の顔を持つ人に対して語っている。こんなふうに生きるより悲惨なことがあるだろうか。自分では何も持たず、自分の幸福も自由も、身体も命も他人にゆだねるとは。
もう隷従はしないと決意せよ。逃れたいならば逃れたいと望むだけでよい。敵を突き飛ばせとか、振り落とせと言いたいわけではない。ただこれ以上支えずにおけばよい。
臆病と呼ばれるにも値せず、それにふさわしい卑しい名が見あたらない悪徳、自然がそんなものを作った覚えはないと言い、ことばが名づけるのを拒むような悪徳とは。
Posted by ブクログ
「日本の状況が他人事と思えなくなる」の帯がついていましたが、一人の圧政者に云々という下りは、北朝鮮を思い起こさせました(著者はモンテーニュと刎頸の交わりがあったとのことで、引用はギリシア・ローマが多いのですが)。
圧政者一人が4〜5人を追従者として周りにつけ、徐々にそれを広げて権力基盤を固めていくというのは、企業でも似たところありかとも思いました。
本文は80ページほどの短いものですが、最後の西谷修氏の解説が圧巻です。対米追随の日本の現状を分析し、これを権力基盤としている政党や追随者の話は、別に一冊書いて欲しいと思うほどの内容です。これを読むと、「日本の状況が他人事と思えなくなる」というのも頷けました。