作品一覧

  • アムネジア
    4.4
    1巻660円 (税込)
    「すべてを覚えている」理絵はそういった。 でも、僕たちはすべてを覚えていることなどできない。 すべては消えていく、墜ちていく── 僕が巻き込まれた、数千億もの金が動くという闇金融の世界。その暗がりから朧に立ち現れてくる、チョコレート・ケーキ、かみのけ座、殺人、奇妙な機械……触れてはいけないものによって優しく、そして残酷に侵食されていく現実の中で、僕がついに見出す“本当の物語”とは?鬼才・稲生平太郎が放つ究極の幻想ミステリ。
  • 何かが空を飛んでいる
    4.3
    UFO現象や神秘体験を明快に論じた奇跡的名著がついに復刊! あわせて西洋近代オカルティズム略史、ジョン・ディーの精霊召喚、ナチズムとオカルト、柳田國男・南方熊楠の山人論争など、他界に魅せられし人々の、影の水脈をたどるオカルティズム・民俗学エッセイ・評論を一挙集成。 自序 第一部 何かが空を飛んでいる   まえがき 1 私は前科者である 2 踊る一寸法師 3 小人たちがこわいので 4 虐げられた人々 5 セックスと針とフライング・ソーサー 6 私を涅槃に連れてって 7 空飛ぶレイシズム 8 妄執の格納庫18 9 陰謀の泉 10 キャデラックの中の三人男 11 黒い哄笑 12 空を飛んでいるのは何か? 13 光に目が眩んで あとがき 附録 泥の海――あるいは円盤文献瞥見   * 「純」円盤映画を求めて 不思議なセルロイド――怪奇幻想映画オールナイト全五夜 第二部 影の水脈   影の水脈――西洋近代オカルティズム略史 シオンの顕現――アーサー・マッケンと〈オカルト〉 天の影――チャールズ・ウィリアムズの場合 想像力という「呪い」――シャーロット・ブロンテ「ヴィレット」 異界の言葉――テオドール・フルールノワ「インドから火星へ」  地底への旅――カフトン=ミンケル「地下世界」 ログフォゴあるいは『岩の書』――リチャード・シェイヴァーについてのノート 水晶の中の幻影――ジョン・ディーの精霊召喚作業 物語としての同祖論の《起源》 妄想の時空――木村鷹太郎とウィリアム・カミング・ボーモント 獣人と神人の混淆――アドルフ・ランツとフェルキッシュ・オカルティズム ヒトラー、ナチズム、オカルティズム 第三部 他界に魅せられし人々 他界に魅せられし人々―― 『妖精の誘惑』のためのノート 夢と光り物――アナ・キングズフォード、佐々木喜善、泉鏡花 「心界幽玄」のこと――南方熊楠とフレデリック・マイアーズ 先住異民族の「残存」――南方熊楠、柳田國男の山人論争における隠された文脈 牛涎的博士――坪井正五郎をめぐって 家に憑く――『四谷雑談』 平田翁の「夏休み」――『稲生物怪録』をめぐって 後記 索引

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  • アクアリウムの夜
    4.0
    1巻660円 (税込)
    ザザーッ ザーッ ザザーッ…… 聞こえるかい? ホワイト・ノイズの彼方からぼくたちを呼ぶ、せつなくおぞましい声が── 春の土曜日の昼下がり、親友の高橋と行った奇妙な見世物、〈カメラ・オブスキュラ〉。そこに映し出された水族館には、絶対にあるはずのない地下への階段が存在した。恋人の良子に誘われて試したこっくりさんは不気味に告げる。「チカニハイルナタレカヒトリハシヌ」! 〈霊界ラジオ〉から聞こえてくる謎めいたメッセージに導かれ、ぼくたち3人のせつなく残酷な1年が始まる……。伝説の青春ホラー・ノベル、電子書籍版で登場!

ユーザーレビュー

  • アムネジア

    Posted by ブクログ

    これはいいですね。何も分からないが、現実の理解できる世界に裂け目ができて、その向こうに広がるまったく未知で不可解な世界を垣間見る、そういった感覚を味わえる。こういうのをもっとください。

    0
    2025年08月25日
  • アクアリウムの夜

    ネタバレ 購入済み

    悪夢に似た光景。

    ラジオドラマ、青春アドベンチャーを聞いて初めて知ったお話です。ラジオの最終回を聞いたあと、原作小説を読みました。
    はじめの方はほとんど普通の日常で、見世物小屋で見た地下への階段が気になる、というくらいでしたが、そこから徐々に非日常が忍び寄ってきます。おかしくなった友達、まともだと思っていた人が怖い人かもしれないという気づき、そして終盤の夢か現実かわからない光景の数々。。。
    脈絡のなさや、原因不明の恐怖のような感覚が、悪夢を見た時の感覚そのもので、凄いと思いました。
    すっきりとは終わりません。不気味な余韻を引きずりながら、後味の悪いまま終わってしまいますので、人を選ぶかもしれませんが、あの

    #怖い #ダーク

    0
    2022年09月29日
  • アムネジア

    Posted by ブクログ

    『入り混じった記憶の中で、彷徨い続ける』

    個々の出来事は鮮明に語られるが、出来事同士の繋がりは不鮮明で、所々、現実離れした出来事が起きるため、全体を通して何が事実で何が夢なのか、最後までわからなかった。なんとも不思議なミステリーでした!

    0
    2021年08月15日
  • 何かが空を飛んでいる

    Posted by ブクログ

    人はなぜUFOや宇宙人を見るのか。
    著者は実際の報告事例を丁寧に解きほぐし、アブダクション、黒衣の男、UFOカルトなど現代社会に怪しくうごめくオカルト事例を分析してゆく。
    妖精伝説などとの類似性を引きつつ、その時代のオカルト的言説が生まれ、伝播してゆく背景が明快に解き明かされていく過程は爽快。
    しかし一方、事例から余計な言説の尾鰭が剥ぎ取られていくことで、そこにはどうしても既知の概念では説明できない何かが残る…そう、我々の知らない「何か」が空を飛んでいるのでは?
    というのが著者の見解。なんだこれは。

    泥沼のようなジャンルに果敢に挑み、デタラメと切って捨てられるような資料にも誠実に向き合った一

    0
    2015年11月08日
  • 何かが空を飛んでいる

    Posted by ブクログ

    奇跡的に復刊されたUFO本の名著。「人はなぜ円盤を見るのか」という疑問に取り組んだ復刊部分の真摯で軽やかな姿勢が好感が持てる。西洋オカルティズムや日猶同祖論、柳田國男・南方熊楠の山人論争などの他界に魅せられた人々に、民俗学的視点で切り込むエッセイや論考もスリリングで興味深い。懐疑派、否定派、肯定派を問わず、全ての人にお薦めしたい一冊。

    0
    2013年12月17日

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