作品一覧

  • サラの柔らかな香車
    3.7
    1~2巻528~638円 (税込)
    【第24回小説すばる新人賞受賞作】プロ棋士になる夢に破れた瀬尾は、毎日公園に一人でいる金髪碧眼の少女サラに出会う。言葉のやりとりが不自由な彼女に対し、瀬尾は将棋を教え込む。すると、彼女は盤上に映る“景色”を見る能力を開花させ――。棋界に新たな風を送るサラ、将棋に人生を捧げてきたスター・塔子、数多の輝く才能を持つ七海の三人を巡り、厳しくも豊かな勝負の世界を描く青春長編。
  • 奨励会 ~将棋プロ棋士への細い道~
    3.6
    1巻770円 (税込)
    「どうすればプロ棋士になれるのか?」 本書はプロ棋士養成機関「奨励会」の実像を描くことで、その問いに答えるものです。 プロ棋士という職業が多大な労力を払ってでも目指す価値のあるものかどうか、という問題から始まり、奨励会の制度、戦い方、勉強法が元奨励会員である著者本人の述懐を交えて語られます。 プロ棋士養成機関「奨励会」とはどんな場所か? どのくらい強ければプロ棋士になれるのか? 奨励会員の日常とは? 重要なのは努力か? 才能か? 夢破れた退会者のその後は? そこは青春を捧げる価値のあるところか? 天才少年、天才少女が淘汰される奨励会という沼でもがき苦しんだ姿がそこにはあります。 将棋界に現れた超新星・藤井聡太ですら6連敗を喫したこともある奨励会。 その世界を本書でぜひ覗いてみてください。
  • 覇王の譜(新潮文庫)
    4.4
    1巻825円 (税込)
    「お前は一流にはなれんよ」。七年間、C級2組から這い上がれない直江大に剛力英明王座はそう言い放つ。旧友との目も眩むような格差。だが、天才少年との邂逅、“孤剣”の異名を持つ師の特訓が、燻っていた直江を覚醒させる。彼の進む道の先には運命の対局が待ち受けていた。元奨励会会員、将棋を深く知る著者が青年棋士の成長と個性あふれる棋士群像を描く。魂震わす将棋エンターテインメント。(解説・西上心太)
  • 銀将の奇跡―覇王の譜2―(新潮文庫)
    4.3
    1巻880円 (税込)
    四冠を誇る絶対王者、北神仁。底辺から駆け上がった直江大はその牙城に挑む。剛力英明は旧友との新たな関係に踏み出し、トップ女流棋士の江籠紗香は奨励会で苦悩する。そのような中、“孤剣”の異名で知られる直江の師匠、師村柊一郎が棋風を変え、ファンをどよめかせた。師村もまた北神からタイトルを奪おうとしていた。文学賞二冠に輝く前作を凌駕する史上最強の将棋エンターテインメント。(解説・村上貴史)
  • もの語る一手
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    将棋は、決断のゲームである。無数の選択肢から、一手を選ぶ。 将棋は、明快なゲームである。残酷なまでに白黒がはっきりとつく。 しかし、単純な「結果」にたどり着くまでの間に、無数の思いが凝縮されている。 だからこそ、将棋は物語の宝庫なのだーー。 超豪華執筆陣による「決断」をテーマにした傑作将棋小説アンソロジー。 青山美智子「授かり物」 「俺、東京に行く。漫画家になるんだ」 二十歳の天才棋士と同じ日に生まれた、平凡な我が子。初めて知る息子の夢に戸惑う芳枝だったが――。 葉真中顕「マルチンゲールの罠」 将棋の強さにだけは自信があった。 思い出話をきいてくれ。 あの日、俺は頼まれたんだ。 「天才」かもしれない少年を、この道場から追い出してほしいと――。 白井智之「誰も読めない」 名人戦、第五局。一日目の対局が終わり、ひと息ついた挑戦者が、 拉致された。連れ去った人物は、挑戦者に頼んだ。 ある殺人事件の犯人を見つけてほしい――、と。 橋本長道「なれなかった人」 元・天才棋士の青柳は、アマチュアとしてプロ棋戦を勝ち上がってきた段という男と対局する。彼は、青柳が三十年前に奨励会から蹴落とした相手だった。因縁の再戦を前に、二人がした約束とは。 貴志祐介「王手馬取り」 「両家の父が結婚式に来なかった」 井上家で未だに残る謎を解決するのは、元真剣師を名乗る老人で―― 芦沢央「おまえレベルの話はしてない(大島)」 奨励会員の息子を持つ男性が自己破産申請にやってきた。担当する弁護士の大島は自分も元奨励会員で事情もよく分かり、あと一歩のところまで順調に手続きが進んでいたが――。 綾崎隼「女の戰い」 「朱莉さんって銀みたいな人ですよね」 数少ない女性奨励会員として奮闘する倉科朱莉の、苦悩と成長の日々。 奥泉光「桂跳ね」 菅原香帆の日録に記された、将棋を通じた友との交歓の日々。 桂跳ねに込められた、友人の悲愴な決意とは。

ユーザーレビュー

  • 銀将の奇跡―覇王の譜2―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    熱く、面白かった。

    将棋に少しでも知見があれば、一読をお勧めしたい。
    若者の生き方や成長。
    若手棋士としての姿。求める場所へ到達するための努力・葛藤。心の揺れ動く様の書き方が上手く、のめり込んで読まされてしまう。

    実力者と呼ばれる程になっても更に上を目指す生き方。神に沿うのか抗うのか、どうすれば頂上へ近づけるのか。そこに師匠や弟子はどう作用するのか。

    もう、様々な人の様々な状況があるが、とまれも無駄な事なくとても面白い。

    将棋に詳しく無くてもいいです、少しでも知ってるならぜひ読んだほうがいい。
    ただ、しょを全く知らないのであれば読んでも魅力はなかなかつたわらないかもと思いました。

    0
    2025年11月30日
  • 覇王の譜(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    棋士の頭の中に入り込めるような小説。
    一手の重み。AIには勝てないが、人間だからこそ感情と思考を混ぜた対決が奥深く面白い。
    中々勝てない。勝つための思考と苦悩が書かれていてクライマックスは手に汗を握るような感覚になりこの世界に引き込まれた。

    0
    2025年11月30日
  • もの語る一手

    Posted by ブクログ

    (この本自体は読んでなくて『小説現代』を読んだのですが、備忘録として登録)

    将棋を観るのが好きなので読んだのだけど、どれもこれも面白くて驚いた!
    人生で読んだ短編集でベストかも。
    将棋しばりなので中には面白くないものもあってもおかしくないのに。
    理由は書き手を見れば一目瞭然で(と言っても私は知らない人もいたんだけど笑)、人気作家ばかり。
    将棋好きな作家さんて多いんですよね。観戦記を書かれてる方もいらっしゃったり。

    私は将棋はほとんど指せないので、将棋難しそう…という方でも楽しめると思います。

    0
    2025年04月11日
  • 覇王の譜(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    落ち目の将棋棋士の再生への道のり。
    最近あまり知らないくせに将棋の話を選ぶ様になってる。3月のライオンで知ってる程度。
    はじめ、生意気な拓未がメインとなり直江が支えていくものだと思っていたら直江の再起の話に。
    中々将棋用語がついていけずわからない所もあるがそれにしても熱い展開でそれも関係なしに楽しめた。
    剛力ははじめは小物感があり嫌な奴だったが棋聖戦から、黒いなりに大物に変貌して印象が良い方へと変わっていった。簡単に仲良くならず当人同士しかわからない関係性が男らしく、いかにも勝負師だ。
    最後の一番の終了後、互いの心理描写が細かく出し切った感が迫ってきたが、やはり続編も期待したくなる作品だった。

    0
    2024年09月07日
  • 覇王の譜(新潮文庫)

    Posted by ブクログ


    最後の対局の場面は手に汗握る…
    個人的にはひとにお勧めしたいし、もうちょっと話題になってもいい作品なのでは?とも思う。

    展開が読めちゃう…というところはあれど、逆に時々冷静に読めるようになって個人的にはそんなに気にならなかった。

    "何者でもなく伸び悩んでいた将棋棋士が覚醒し、何者かに化け、トップへと至る遠い道のりへの第一歩を記した作品"(解説より)

    ライバルや師匠、弟子も全部キャラが濃く、それぞれのサイドストーリーもみたいくらい。
    また、対局の描写が丁寧だけど読みやすくて、臨場感があった。
    日本将棋連盟の政治も…
    これはフィクションだけど、いろんな連盟でこんないざこ

    0
    2024年05月28日

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