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「辻惟雄」の「江戸の春画」「奇想の系譜 ――又兵衛-国芳」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「辻惟雄」の「江戸の春画」「奇想の系譜 ――又兵衛-国芳」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
奇想の系譜
又兵衛-国芳
著:辻 惟雄
出版社:筑摩書房
ちくま学芸文庫 ツ-7-1
奇想とはなにか、奇抜な発想とある
本書は、安土桃山時代から江戸末期に向けて、日本画の変遷を、6名の画家をキーとして説明している書です。
そしてその6名を奇想といっている。奇想とは異端ではなく、主流の中のある特異な存在、卓越という意味だ。
そして、日本画の流れをその6名が変えてきたと語っています。
江戸とは、日本画が、武家から商家へ庶民へと普及する時代だったと思います。
それらの潮流の中で、歴史の中に埋もれていた、6名の天才画家を拾い上げ、光を当てたのが、「奇想の系譜」です。
安土桃山時代から江戸の初期は、狩野派や、長谷川等伯、そして、琳派。
武家が中心に、襖や屏風を中心とした絵画、加えて絵巻などの芸術作品が加わる。岩佐又兵衛、狩野山雪はこの時代だ。奥絵師、表絵師といった家元制を中心に、徒弟制を中心とした技術者集団が形成される。
まさに、ドイツでいうギルドだ。ギルドの中で、特異な立場にいたのが、狩野山雪らだ。
江戸中期は、武家から商家へ、対象が変わっていく。広告の意味を含めて庶民を相手にするようになっていく
円山応挙、池大雅、司馬江漢などの時代、伊藤若冲、曽我蕭白らだ。博物誌、いろいろな動植物に関心が向くようになり、それらをどう表現するかが、本書のテーマになっている。若冲は琳派だとずっとおもっていたが、自分の勘違いだった。図鑑は、絵巻物となり、また、屏風らにも書かれているが、山水画からははなれ、個々の生命を表現するための技法が磨かれていく
江戸の後期、長沢蘆雪、歌川国芳らの時代だ。
絵草紙、歌舞伎や、旅行記などの浮世絵が主流となっていき、日本画は庶民の元へと降りてくる。
北斎、写楽、広重らの時代であり、絵とは広告をかねる媒体となっていく。売れないものは出さない。
博物誌はますます洗練されていき、それらをどう差別化するのか、あるいは、浮世絵をどう表現するのか。
西洋技術の導入、人物のデフォルメ化がおきていく。
目次
憂世と浮世―岩佐又兵衛
桃山の巨木の痙攣―狩野山雪
幻想の博物誌―伊藤若冲
狂気の里の仙人たち―曽我蕭白
鳥獣悪戯―長沢蘆雪
幕末怪猫変化―歌川国芳
ISBN:9784480088772
判型:文庫
ページ数:288ページ
定価:1300円(本体)
2004年09月10日 第1刷発行
2009年02月10日 第11刷発行
Posted by ブクログ
春画について知りたいという人がいたら、この本をファーストチョイスにおすすめしたい。読みやすくてかなりの知識が付く。
二部構成になっていて、第一部では主として春画を外面的にみた特徴を、それを受けて第二部では表現内容に踏み込んで風俗的なテーマが語られている。読んでいると、白倉氏が相当な数の実作品に当たっていることが感じられ、「量が質に転化する」という言葉を思わずにはいられない。
そしてなにより「序」の文が素晴らしい。ここで白倉氏は「春画は芸術か、ポルノか?」という不毛な議論に引導を渡す。歴史的なものを現代人の意識で評価してはならないということも表明し、本文の中でもその姿勢は一貫している。その誠実さはリスペクトに値する。
Posted by ブクログ
日本の絵画に見る暮らしの描写の美術史で、初めて知ることも多かった。録音から起こしたということもあり、柔らかな文体で、門外漢にもわかりやすかった。
ほとんど同時代の唐の様式を映しながら、表情には我々と同じ感性を感じる高松塚古墳壁画から、安政地震を伝える安政見聞録に描かれた浮世絵師による挿し絵までをとりあげている。洛中洛外図に代表される桃山時代の屏風絵から江戸初期の浮世絵が誕生する頃までの絵が、表現が生き生きしていて面白かった。美人画の自分の好みが、松浦屏風などに見られる女性たちにある理由もわかった。
副流として、奈良時代の工人の落書きから、平安時代の「をこ絵」やその変種の「おそくづの絵」、院政期の絵巻物や戯画を経て、江戸期の鳥羽絵、枕絵、鯰絵に至る戯画の系譜にも触れている。先人のユーモアには脱帽した。