作品一覧

  • 風俗画入門
    5.0
    1巻1,375円 (税込)
    古代から近代まで、人々の暮らしや心情を映し出す風俗画は、壁画、絵巻、屏風、浮世絵、漫画、落書など、様々な形で残されてきた。中国の影響から独立、展開し、近世に花開くその歴史は、高松塚古墳壁画から鳥獣戯画、洛中洛外図屏風、見返り美人図、北斎漫画までをも包み込む。古代の落書の精神は平安時代の絵巻に昇華し、仏教的な厭世観(憂世)は刹那主義的な現世肯定の精神(浮世)に受け継がれている。 日本美術史の第一人者が語り尽くす、類いまれな戯画全史。カラー図版多数掲載! 【目次】 第一章 風俗画の東西 第二章 唐美人の移入 第三章 やまと絵の風俗画 第四章 鎌倉、室町時代 第五章 戦国から桃山へ 第六章 桃山風俗画の満開 第七章 初期風俗画の爛熟 第八章 風俗画としての浮世絵 あとがき 学術文庫版あとがき 参考文献
  • 江戸の春画
    5.0
    1巻1,045円 (税込)
    色事、濡れ事、笑ひ事――。「枕絵」であり「笑い絵」。公然の秘密であり縁起物。春画には、江戸のイマジネーションと絵師の技がなす、斬新、艶美、愉快な遊びが溢れている。何が描かれ、どう面白いのか。何が仕掛けられているのか。世界を虜にした浮世絵春画の軽さと深さを、豊富な図版とともに解き明かす。日本の春画への偏見を覆した名著にして、最良の入門書! (解説・辻惟雄)
  • 奇想の系譜 ――又兵衛-国芳
    4.5
    1巻1,320円 (税込)
    意表を突く構図、強烈な色、グロテスクなフォルム―近世絵画史において長く傍系とされてきた岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳ら表現主義的傾向の画家たち。本書は、奇矯(エキセントリック)で幻想的(ファンタスティック)なイメージの表出を特徴とする彼らを「奇想」という言葉で定義して、“異端”ではなく“主流”の中での前衛と再評価する。刊行時、絵画史を書き換える画期的著作としてセンセーションを巻き起こし、若冲らの大規模な再評価の火付け役ともなった名著、待望の文庫化。大胆で斬新、度肝を抜かれる奇想画家の世界へようこそ! 図版多数。
  • よみがえる天才1 伊藤若冲
    4.3
    1~9巻880~990円 (税込)
    私は理解されるまでに1000年のときを待つ――。生前、名声をほしいままにしながら、その後、幾世紀にもわたり忘れ去られた存在であった若冲は、代表作《動植綵絵》のうち一五幅を描き上げたとき、この謎めいた言葉を残した。そこに込められた秘密とは? 若冲研究の第一人者がはじめて明かす、知られざる若冲像。
  • 若冲
    値引きあり
    4.3
    1巻1,155円 (税込)
    《動植綵絵》全30幅をはじめ有名作品を網羅した図版150点以上! 今回増補した《象と鯨図屏風》には文庫ならではの仕掛けが。若冲の魅力を世に知らしめた第一人者による伝記、画歴から画論、若冲派まで、一冊で丸ごと網羅。好きにならずにいられない、若冲の秘密に迫る作品解説。ファンにはうれしい印譜解説(新発見の印譜を増補)、年表まで、小さな判型にメガ盛「若冲」! (講談社学術文庫)
  • 奇想の発見―ある美術史家の回想―
    4.3
    1巻1,936円 (税込)
    ギロリと眼を剥く曾我蕭白の雲龍図、岩佐又兵衛の血みどろ絵巻、そして大ブームを巻き起こした伊藤若冲の白い象──。花鳥風月を優雅に愛でる日本美術史の片隅ですっかりキワモノ扱いされていた「奇特な」画家たちを発掘し、ニッポンの美に禍々しき愉楽を与えた立役者。その自由な精神を育んだ生涯を綴る、初めての自伝。※単行本に掲載の図版・写真の一部は、電子版には収録しておりません。
  • 十八世紀京都画壇 蕭白、若冲、応挙たちの世界
    値引きあり
    -
    1巻1,270円 (税込)
    蕪村や応挙、若冲、蘆雪に蕭白。ほぼ同時期、同じ地に豊かな才能が輩出した。旧来の手法から抜けだし、己の個性を恃んで、奔放に新しい表現を打ちだす。十八世紀の京都は、まさにルネサンスの地であった。「奇想」の美術史家・辻惟雄は、彼らの作品に向き合い、多数の論考を遺している。それらを抜粋し、作品の解釈から時代背景や人物像にも迫ってゆく。あの時代の京都を、彩りをもって甦らせる試みである。

ユーザーレビュー

  • 江戸の春画

    Posted by ブクログ

    春画について知りたいという人がいたら、この本をファーストチョイスにおすすめしたい。読みやすくてかなりの知識が付く。

    二部構成になっていて、第一部では主として春画を外面的にみた特徴を、それを受けて第二部では表現内容に踏み込んで風俗的なテーマが語られている。読んでいると、白倉氏が相当な数の実作品に当たっていることが感じられ、「量が質に転化する」という言葉を思わずにはいられない。

    そしてなにより「序」の文が素晴らしい。ここで白倉氏は「春画は芸術か、ポルノか?」という不毛な議論に引導を渡す。歴史的なものを現代人の意識で評価してはならないということも表明し、本文の中でもその姿勢は一貫している。その誠

    0
    2025年10月02日
  • 風俗画入門

    Posted by ブクログ

    日本の絵画に見る暮らしの描写の美術史で、初めて知ることも多かった。録音から起こしたということもあり、柔らかな文体で、門外漢にもわかりやすかった。
    ほとんど同時代の唐の様式を映しながら、表情には我々と同じ感性を感じる高松塚古墳壁画から、安政地震を伝える安政見聞録に描かれた浮世絵師による挿し絵までをとりあげている。洛中洛外図に代表される桃山時代の屏風絵から江戸初期の浮世絵が誕生する頃までの絵が、表現が生き生きしていて面白かった。美人画の自分の好みが、松浦屏風などに見られる女性たちにある理由もわかった。
    副流として、奈良時代の工人の落書きから、平安時代の「をこ絵」やその変種の「おそくづの絵」、院政期

    0
    2025年09月27日
  • 若冲

    Posted by ブクログ

    私が近世絵画のことを勉強しはじめた10年ほど前には、若冲の評伝といえばこの本が押しも押されもせぬベストであった。その後、若冲愛に溢れた方々が続々と評伝を世に出し、私も全ては追い切れないので現在のポジションは分からない。でも、私にとっては辻先生の格調高い文体で綴られた本書は、今も変わらず若冲本の揺るがぬベストなのである。

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    2025年09月25日
  • 奇想の発見―ある美術史家の回想―

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    2014年刊の自伝。
    日比谷高校から東大へ進学。医学部をめざしたものの、2度留年し、結局進んだ先は文学部の美術史。日本の美術に目覚めはしたものの、道を定めあぐねる辻青年。若き日の江藤淳、小田実、畑正憲、若桑みどり、加古里子、高畑勲も出てくる。
    分水嶺は大学院博士課程、1週間ほど沖仲士の仕事を体験する(臨時のエリック・ホッファーか!)。これで迷いを吹っ切り、あとは余計なことを考えずに向こう側に降りる。そこには『奇想の系譜』の画家たちが待ち構えていた。
    カンニングをして見つかったこと、ストリップをよく見に行ったこと、エキセントリックな求愛エピソードなど、とくに書かなくてもよいことも出てくる。少々露

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    2025年05月07日
  • よみがえる天才1 伊藤若冲

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    半世紀と少し前、伊藤若冲はほとんど知られていなかった。端緒になったのは1970年刊の辻惟雄『奇想の系譜』。その後、何度かの若冲フィーバーを経て、いまやメジャー。絵や生涯についても、かなりのことが明らかになった。本書は、それらを余すところなく伝える。カラー図版も多く、話しかけるような書きぶり。入門書として充実の1冊。
    若冲特有の「裏彩色」や「升目画」が詳しく解説されている。後半生の空白の20年間についての最近の研究も紹介されている。ただ、コラム――若冲の絵にフラクタルや進化論的思想が見てとれるといった指摘や、若冲が自閉症スペクトラムだった可能性――は、書き過ぎのような気がする。読者のなかには、若

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    2025年05月07日

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