"DXとは何か?"
この問いに「企業をITでデジタライズして新しいビジネスを生み出すこと」とだけ答えた人は、大切なポイントを大きく見逃しています。
もしITで企業をDXできるのなら、もっとずっと以前に日本はデジタル国家になっていたはずです。なぜ、今の日本は世界にデジタルという環境で大幅に出遅れて
...続きを読むいるのか?
そこには単なるITの導入だけででDXは完遂できないという最も本質的な問題が隠れています。
本書は、ここに気づくことのできないエセDX推進者達に読んで頂きたい逸冊です。
■目次
第1章 爆発的な成長を生み出す革命的なビジネスとDXの本質
第2章 今後20年のトレンドを読む上での大前提
第3章 「魔のデッドロック」を乗り越えるDX推進のアプローチ
第4章 「境目」を「データ」でつないで「全体最適」を実現する方法
第5章 DXの影の王「データ」が切り拓く新しいビジネスの世界
第6章 業界を問わないデジタルな新規事業の事例
第7章 DXからCX、そしてSXへ
■感想
タイトルにもある「DX CX SX」にもある通り、DXはいち企業が事業を維持するためだけにあるものではなく、DXで会社そのものを変えて(CX)、日本全体の生産性を上げられるよう社会を変えなければ(SX)日本に未来はないという強い使命感のようなものをひしひしと感じました。
本書を通してあらためて大切だなと感じたことは、クラウドにも通ずる考え方ですがやはり「オープンマインド」です。自分たちがDXで得たナレッジを基盤化しオープンにすることで他の事業者に活用してもらい業界全体の底上げを図ったり、そこで得られたデータや分析結果を自社に閉じず他社に開放し別事業に活用してもらう。これは自社事業のビジネスモデルや知見の根幹をあけすけにしろと言っているのではなく、DXによって得られたもので新たなビジネスを生み出しながらも、それらを他の人にも共有していかなければ、この先の日本ではただの「狭い領土での潰し合い」になるだけで、30年後にはインフラの維持もままならないレベルになってしまうということです。それぐらい、この国の人口減少のインパクトは大きい。これは由々しき事態です。
DXの事例もたくさんあり、何を目的で行い何を得たのか、具体期なDXの本質を理解するのに役立ちます。
いずれにしても本の到着と前後する感じて八子さんにセミナーをしてもらったこともあり、信じられないくらいに理解が深まりました。ありがとうございました。
「DXをわかった気になっている」
そんな人たちに是非読ませたい逸冊。
私はこの本で新しいライフワークのテーマを見つけました。