田中美知太郎の作品一覧
「田中美知太郎」の「戦争と平和 田中美知太郎 政治・哲学論集」「読書と思索」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「田中美知太郎」の「戦争と平和 田中美知太郎 政治・哲学論集」「読書と思索」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
田中美知太郎は昭和を代表する西洋古典研究の碩学である。『古代哲学史』は多くの人によって書かれており、加藤信朗や納富信留の『ギリシア哲学史』はそれぞれに、その思想家たちのエッセンスと思想史の全体像とを示してくれるものである。しかし田中美知太郎による『古代哲学史』は著者の他の著作がそうであるように異彩を放っている。國分功一郎の解説も話題を呼んだ本書は一冊の本として、入門でありかつ到達点たるべき深層を読者に提示するものである。
本書は一見、様々な媒体に書かれた文章を一つにまとめただけのものに思われてしまうかもしれない。それに、本書の大半を成す「古代哲学 二」は著者が執筆したある時点までの文献案内
Posted by ブクログ
私たちは戦争の時代を生きているのかもしれない。いま私たちの生活が直接に脅かされるという現実を目の当たりにしていなくとも、いつこの生活がなくなるとも知れないことを、各地で起こっている戦争の出来事を通してふと思わされるのである。田中美知太郎のエッセイ集『戦争と平和』を読んでいてその感をますます強くした。この本は昭和の保守の論客として知られていた田中美知太郎の姿を垣間見させてくれる一冊である。田中美知太郎の文章はエッセイであれ、講演であれ、古典研究であれ、読者をはっとさせる哲学的洞察に満ちている。本書もまた、時事的な内容を掘り下げていきながら、読者の思考を揺さぶる一冊である。
本書には、こんな一
Posted by ブクログ
ソクラテス=無知の知 ぐらいの知識で読み始めたけど無知の知が生まれた壮絶な背景に胸を打たれた。
政治家になっていい暮らしがしたい、際限なく欲を満たしたい、と言う動機で弁論術を学ぶ事が流行するが、弁論術ってただのおべっか人気取り術じゃん、偉い人の機嫌を取ることと市民の票を獲得する事だけが目的になってるじゃん。
私たちが一番知識があって国をいい方向に運べますって顔してるだけで、実力や矜持は一切伴ってないじゃん。
というソクラテスの指摘がアテナイ全体に刺さりすぎたせいでソクラテスの存在は権力者達から疎まれるようになっていく。
作中でゴルギアスのアテナイでは知っているという事よりも知っていると周りに思
Posted by ブクログ
この政治・哲学論集には、「サルディス陥落」(1941年)や「ソクラテスの場合」(1942年)、「公共体国家としてのポリス」(1942年)が収録されている。いずれも諸々の理由で発表中止となっている。そして終戦を挟む形で、「自由と独立」(1947年)、「理想国家について」(1946年)、「自主性の問題」(1946年)、「今日の政治的関心」(1947年)の発表へと続く。
私がある意味感動したのは、田中美知太郎の論調が、戦前と戦後とでまったく変わっていないことだ。つまり、戦後教育を受けた私たちは、戦時中の言論がいかに抑圧されていたであるとか、戦後の論壇がいかに転向者であふれ返っていたかとかについて、
Posted by ブクログ
初期プラトンまとめ読みの3番目。で、一応、文庫本で読めるのはこの程度だと思うので、最後のはず。
「弁明」と「クリトーン」は相当昔に読んだものの再読。「パイドーン」は初めて。
この3作で、ソクラテスの裁判から獄中、死刑執行までを一気に読める。
おそらくは「弁明」は、多くの人が最初に読むプラトンであろう。ここに描かれるのは、自分の魂の声に忠実に生きた勇気の人ソクラテスである。多くの人は、その姿に感動するとともに、なぜ、こんな人を死刑にしてしまうのか、と政治の不条理に憤りを覚えるに違いない。
が、「プロタゴラス」「ゴルギアス」を先に読んで、この「弁明」に到達した私には、なんとなくソク