今東光の作品一覧
「今東光」の「お吟さま」「奥州藤原四代 大合本」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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婆子焼庵
タイトルをそのままとらえれば、仏が衆生を済度するために様々な形態で出現する時の姿を、登場人物に仮託していると思われる。出家しても俗なものから抜け出せないのは、男女ともに若い設定であるので、さもありなんと思わせられる。
通俗小説として切り捨てるには、作品の後半に出てくる婆子焼庵という言葉が意味深長に響いてくる。
当時、勝新太郎主演で映画化されたそうなので、いつかそちらも見てみたい。
また、随所に作者の博覧強記が披露されていて、天台のこと、仏教史のこと、寺門経営の内幕から近代絵画や河内・大阪文化に渡るまで、小説の合間に挿入される場面では、物語の本筋を忘れるほど興味深い。
特に尼寺の後継者問題の暴露
基衡、秀衡
奥州藤原氏は清衡、基衡、秀衡と平泉、中尊寺の三代のミイラしか知らなかったのですがビジュアライズしてくれてよかった。だがふりがなに間違いがあったりして印刷する前に誰か通してよまなかったのかなあ。平治の乱で源義朝にやられる藤原信西を「ふじわらのぶにし」とか信じられないな。
奥州藤原氏
前九年、後三年の役と奥州藤原氏の興亡は興味があるところなんですが安倍貞任が自分達のことを蝦夷と言っているのは変です。蝦夷、俘囚という呼び名は中央の朝廷が力の及んでいない地域に住む部族を蔑んでつけただけなのに話を分かりやすくするとはいえ余りに不自然な描き方は止めて欲しいな。