国内小説 - 中央公論新社作品一覧

  • 増補版 ぐっとくる題名
    3.3
    ●第1章 ロジック篇  【助詞の使い方】「ゲゲゲの鬼太郎」「無能の人」「僕が泣く」 【韻とリズム】「ヤング島耕作」「勝訴ストリップ」「噂の刑事トミーとマツ」 【言葉と言葉の距離(二物衝撃)】「天才えりちゃん金魚を食べた」「部屋とYシャツと私」 【題名自体が物語である】「脳手術の失敗」「お勢登場」「海へ出るつもりじゃなかった」 【濁音と意味不明な単語】「しだらでん」「少年アシベ」「ディグダグ」 【アルファベット混じりの題名】「D坂の殺人事件」「M色のS景」 【古めかしい言い方で】「ツァラトストラかく語りき」「されど孤にあらず」 【命令してみる】「大工よ、屋根の梁を高く上げよ」「メシ喰うな」 【パロディの題名】「長めのいい部屋」「百年の誤読」 【関係性をいわない】「隠し砦の三悪人」「11人いる!」 ●第2章 マインド篇  【先入観から逸脱する】「淋しいのはお前だけじゃな」「サーキットの娘」 【日本語+カタカナの題名】「少年ケニヤ」「三人ガリデブ」 【いいかけでやめてみる】「光ってみえるもの、あれは」「飼い犬が手を噛むので」 【いいきってしまう】「これからはあるくのだ」「幸せではないが、もういい」 【長い題名】「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」「おそうじをおぼえたがらないリスのゲルランゲ」「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」 【題名同士が会話する】「今夜わかる」シリーズ「買ってみた。」「それが本当なら」 【洒落の題名】「屁で空中ウクライナ」「ザ・先生ション!」 【人気歌人に学ぶ】「どうして長嶋有さんは枡野浩一なんかとつきあってるの?」「日本ゴロン」「世界音痴」「にょっ記」
  • あの人が好きって言うから… 有名人の愛読書50冊読んでみた
    3.7
    1巻1,320円 (税込)
    赤江珠緒『羆嵐』 芦田愛菜『ABC殺人事件』 安倍晋三『海賊とよばれた男』 阿部寛『巨大隕石が地球に衝突する日』 有村架純『悪夢の観覧車』 安藤サクラ『花鳥風月の科学』 石田ゆり子 『なまけ者のさとり方』 稲垣吾郎『うたかたの日々』 上野樹里『青空のむこう』 宇垣美里『春の雪』 宇多田ヒカル『荒野のおおかみ』 有働由美子『父の詫び状』 大坂なおみ『OPEN』 大谷翔『チーズはどこへ消えた?』 加藤シゲアキ『キャッチャー・イン・ザ・ライ』 川島明(麒麟)『ベイブルース』 北川景子 『塩狩峠』 黒木華『ミシン』 小池百合子『失敗の本質』 河野太郎 『ツバメ号とアマゾン号』 カルロス・ゴーン『愛と心理療法』 堺雅人 『謎解き『ハムレット』』 坂上忍 『真昼の悪魔』 佐藤健『四月になれば彼女は』 菅義偉『豊臣秀長』 貴乃花『横綱の品格』 高橋一生『檸檬』 滝川クリステル『星の王子さま』 田中圭『新装版 毎日が冒険』 田中みな実 『落下する夕方』 土屋太鳳『自分の中に毒を持て』 出川哲朗 『成りあがり』 ドナルド・トランプ『西部戦線異状なし』 中居正広『葉桜の季節に君を想うということ』 長澤まさみ 『わたしが・棄てた・女』 中谷美紀『シッダールタ』 中村勘九郎 『私の消滅』 のん『氷の海のガレオン』 長谷川博己『道草』 BTS・RM『死にたいけどトッポッキは食べたい』 ビートたけし 『次郎物語』 藤井聡太『深夜特急』 ディーン・フジオカ『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』 フワちゃん『マリアビートル』 星野源『小川未明童話集』 メーガン・マークル 『四つの約束』 吉岡里帆 『戯曲 吸血姫』 米倉涼子『太陽の王ラムセス』 米津玄師『スノードーム』 渡部建『イニシエーション・ラブ』
  • 僕と彼女の左手
    4.0
    幼い頃遭遇した事故のトラウマで、医者になる夢が断たれた僕。そんな時に出会ったのは、左手だけでピアノを奏でるさやこだった。天真爛漫な彼女にいつしか僕は恋心を抱くようになるが、彼女の行動は振り返ると「嘘」ばかり。さやこは何の目的があって僕のところへ来たのだろうか? 繊細な心理描写&精密なミステリが融合する辻堂ゆめの傑作! 《解説》逸木裕
  • ウマし
    3.3
    ウマし、マズしと味わって、咀嚼し、ハマる、懐かしむ。 うなぎ、スナック菓子、エナジードリンク。チーズ、きのこ、マーマイト、山椒。あんこの甘さ、地ビールの苦み。 食の記憶、異文化の味。そして、卵へのただならぬ愛着。 「あたしは、カリフォルニアロールである」。 海をまたいだ往来の果て、母/妻/娘の役目をいよいよ終えて、詩人の言葉がほとばしる。 胃の腑をゆさぶる本能を賞味すべし。滋養あふるる偏愛のエッセイ。
  • 芭蕉
    -
    芭蕉の没年から一八〇年後の一八七四年に虚子が生まれた。本書は近代俳句の巨匠虚子が近世の巨人芭蕉の著作を論じる。まずは入門者向けに芭蕉の句を紹介、芭蕉の句を談林風の句(第一種類)、主観句(第二種類)、客観句(第三種類)に分け、時間軸に沿った芭蕉の作風の変化を分析し、さらに芭蕉と門人の俳句を評釈する。 各章の初出は明治三十六年から昭和十年にわたる。それぞれの章が書かれた時期が虚子にとってどのような時であったかを考えながら読むと興味深い。
  • 神を統べる者(一) 厩戸御子倭国追放篇
    5.0
    1~3巻990~1,056円 (税込)
    崇仏派の蘇我馬子と排仏派の物部守屋が対立する、六世紀の倭国。天才と噂される少年・厩戸御子は仏典を読み漁っていた。仏教導入の切り札として、馬子から期待されていたのだ。ある日、守屋の邸を訪れた御子は、彼が所蔵する膨大な数の経典を披露される。排仏派の守屋が一体なぜ!? 一方、時の帝は厩戸の異能を危険視し、ある決断を下した――。
  • 最高のアフタヌーンティーの作り方
    4.2
    1巻1,760円 (税込)
    老舗・桜山ホテルで、憧れのアフタヌーンティーチームへ異動した涼音。夢にまで見た職場で初めて提出した企画書は、シェフ・パティシエの達也に却下される。 悩む涼音だが、お客様、先輩、そして達也の隠れた努力を垣間見ることで、自分なりの「最高のアフタヌーンティー」企画を練り直し……。 頑張りたい。だからこれは、自分への最高のご褒美! 「マカン・マラン」シリーズが大ヒット 心に染みると評判の著者待望の新作!
  • ほろよい味の旅
    3.0
    とくべつうまいものを、なんて考えるようでは、うまいものが食えるわけがない――。好きなものはお粥、酎ハイ、バスの旅。タマゴに馬鈴薯、市場あるき。家で、外で、旅先で。飲んで食べて、また飲んで……。「味な話」「酔虎伝」「ほろよい旅日記」の気ままで楽しい食・酒・旅エッセイ。〈解説〉角田光代
  • 窓辺の風 宮城谷昌光文学と半生
    -
    中国歴史小説の大家はいかにして古代中国史と出会い、それを舞台した小説を書くに至ったのか。生い立ちから若き日の文学修業、そしてデビューまでの長い道のりを描く『読売新聞』連載「時代の証言者」に、自身が補遺した「おまけの記」、書き下ろし特別エッセイ「私見 孔子と『論語』」を収録する。
  • おじさんはどう生きるか
    3.5
    1巻1,650円 (税込)
    ピンチばかりの毎日に。 夫婦の冷戦、うす毛問題、時代とのズレ…… 迷える日常が楽しく化けるマナー考! ジェーン・スーさんとのナルホド対談収録 サインペンで胸毛を書いた10代。 バンド活動に苦心した20代。 おしっこをちびるようになった30代。 そして、生まれて初めて 母にプレゼントを贈った60代――  何度もの赤っ恥体験の末、今こそ綴る “意地を張らずに生きる” ヒント
  • 楽しい終末
    4.0
    核兵器と原子力発電、フロン、エイズ、 沙漠化、人口爆発、南北問題…… 人類のおかしてきた数々の「失策」 その行き着く先は?  未来の現実を見透かす予見的思索エッセイ
  • 春を恨んだりはしない 震災をめぐって考えたこと
    3.0
    〈あの時に感じたこと〉が本物なのだ。記憶を、感覚を、薄れさせてはいけない。 東日本大震災発生後間もなく、自ら車を駆って被災した各地をめぐり、見て、語らい、思考した、唯一無二のリポート。
  • ヤー・チャイカ
    -
    シングルファーザーの文彦と不思議な外国人との交流。 宇宙を行く無人探査機を思う父、草を食む太古の生物を愛でる娘。 詩的感性に科学と自然を織り込んで描くのは、 誰にも訪れる巣立ちの時。 ふくよかで秀逸な短篇小説
  • 受難華
    4.0
    1巻968円 (税込)
    井の頭公園で〈秘密の結婚〉をする照子、道ならぬ恋に胸を焦がす寿美子、結婚後に夫の秘め事を知る桂子。女学校の仲良し三人組の恋愛と結婚に、思いもよらぬ試練が次々とふりかかる――。 「低級でも善良」な夫を愛せるか? 自分を欺いた夫を許せるか? 怒濤の昼ドラ的展開で読者を魅了し絶大な人気を博した、『真珠夫人』をしのぐ大正エンターテインメントの傑作。 〈解説〉酒井順子
  • 孟嘗君と戦国時代
    4.0
    古代中国の大国、斉に生まれた孟嘗君は「鶏鳴狗盗」の故事で名高い。多様な力が国と人とを動かす波瀾の時代に、智慧と誠実さを以て燦然と輝く存在であった孟嘗君を通して戦国時代を読み解く。書き下ろしエッセイ「回想のなかの孟嘗君」を付す。〈中公新書『孟嘗君と戦国時代』改版〉
  • 任侠浴場
    3.9
    1巻792円 (税込)
    日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、小さいながらも人情味溢れる昔ながらのヤクザ。人望の篤い親分・阿岐本雄蔵の元には一風変わった経営再建の相談が次々持ちかけられる。今度の舞台は古びた銭湯!? 乗り気な組員たちの一方、不安でいっぱいの日村。こんな時代にどうやって……。そして阿岐本組は銭湯の勉強と福利厚生(?)を兼ねてなぜか道後温泉へ――。大好評「任侠」シリーズ第四弾!  〈解説〉関口苑生
  • 異常探偵  苺さん殺人事件
    3.0
    スーパーのレジ打ち主婦とへっぽこ美青年の捜査劇!? ある夜、禁忌の性癖を抱えた女性「苺さん」の遺体が発見された。警察は自殺と処理する中、異常事件専門のプロ(?)達が動き出す。被害者、犯人、追っ手もみんな〝異端者〟で……笑いと背徳の先に、優しく涙が胸を打つ、新しい探偵物語。『異常探偵 宇宙船』より改題。短篇「街のお墓」収録。 「無職ということですか?」 「無職? バカな。無職の少年探偵なんて居ないでしょ? 少年探偵なんだから、仕事は少年探偵ですよ。だから無職じゃないでしょ?」 (本文より)
  • 君と、君がいる彼方
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    相原孝之は一級建築士で、妻の貴美子と中学1年生の娘・美加、小学2年生で料理好きの息子・康文の4人家族だ。ある日、息子が車にはねられ意識不明の重体に陥るが、時を同じくして、孝之の不倫や娘が学校でいじめられていることが発覚し、家族は瓦解寸前に。そんなとき、認知症の老人が相原家の前に何度も現れ、孝之の心にさざ波が立つ。孝之には幼い自分と母を捨て駆け落ちした父親がいたのだ。一方、康文の意識が戻らない中、老人とのふれあいを重ねるうちに、貴美子と美加の2人は驚くべき事実に気づくことに……。 不倫、いじめ、交通事故、そして認知症老人の作る手料理――崩壊寸前の家族に訪れた奇蹟の13日間。江戸川乱歩賞作家が満を持して贈る書き下ろし感動長編小説
  • 疼くひと
    3.4
    1巻1,760円 (税込)
    脚本家・唐沢燿子は古稀をむかえ、日に日に「老い」を感じていた。しかしSNSで年下の男と出会い、生活が一変する。70歳から始まった、身も心も溺れた恋の行方は……。大人の恋愛小説。
  • 優しいおうち 古民家再生物語
    -
    1巻1,760円 (税込)
    仕事人として年月を重ねるほどに、日本独自の建築法へと回帰する――。 体にやさしい建材を使った環境に負荷の少ない住まい。 木材の地産地消と、木組みの技術の継承。 住み手が愛着の持てる家づくりを目指して、全国の大工、建築士ら八人が、日本独自の建築法を活用しようと各地で奮闘する。実話をもとに彼、彼女たちの来し方を精緻に綴った「古民家再生物語」第二弾。
  • 古民家再生物語 古材を生かす、未来を建てる
    -
    1巻1,760円 (税込)
    仕事人として円熟するにつれ、「住宅の真価」が見えてきた 百年かけて、木材がその強度を増すように―― 体にやさしい建材を使った環境に負荷の少ない住まい。 木材の地産地消と、木組みの技術の継承。 住み手が愛着の持てる家づくりを目指して、住宅建築の現場で奮闘を続ける九人が 古い民家に未来を見出すまで。実話にもとづく物語  古い家を解体した際に出た古材を、早速新築やリフォームの現場で使ってみた。 するとどうだろう。家全体に生気が宿ったように感じられる。直線的な材木ばかり の空間に、ごつごつとした木肌や、うねりのある古材を入れることで、それまでな かった動きが生まれる。こんなに面白いものを使わない手はない。(本文より)
  • 嘘ばっか 新釈・世界おとぎ話
    4.0
    自己プロデュースに長けた野心的なシンデレラ、きりぎりすの奏でる音色に心動かされるあり、おじいさんのこぶを愛するおばあさん……。誰もが知っているおとぎ話が、佐野洋子一流のユーモアと毒がたっぷり加わって様変わり。面白くてちょっぴり怖い、二十六篇の絵入りパロディ集。 【目次】 シンデレラ/ありときりぎりす/浦島太郎/おおかみと七ひきの子やぎ/白雪姫/羽衣/くらげとさる/ヘンゼルとグレーテル/マッチ売りの少女/つるの恩がえし/マリアの子/こぶとりじいさん/花咲かじいさん/親指姫/ラプンツェル/かちかち山/ブレーメンの音楽隊/眠り姫/養老の滝/かえるの王さま/星のターラー/あほうどり/三びきの子ぶた/舌切りすずめ/ハーメルンの笛吹き/赤ずきん 「きれいごと」が嫌いな人 岸田今日子/「思い込み」を壊された 村田沙耶香
  • 雪の階(上)
    4.0
    1~2巻880~946円 (税込)
    昭和十年。華族の娘、笹宮惟佐子は、富士の樹海で陸軍士官とともに遺体となって発見された親友の心中事件に疑問を抱き、調べ始める。富士で亡くなったはずの寿子が、なぜ仙台消印の葉書を送ることができたのか。寿子の足どりを追う惟佐子と探偵役の幼馴染、千代子の前に新たな死が……。柴田錬三郎賞、毎日出版文化賞をダブル受賞、「週刊文春」「このミステリーがすごい!」「ミステリを読みたい」のベスト10入りを果たした傑作。
  • 晩夏 少年短篇集
    5.0
    1巻946円 (税込)
    「敵はおみかん食べている」 男と女が二人だけで山の中で蜜柑を食べている以上、きっと何事か始まるに違いないと思った――。(「白い街道」より) 若い男女を「敵」と見なして偵察するたわいない遊び、美しい少女への憧れ、そして覚えず垣間見た大人の世界……。誰もが通り過ぎるが、二度と帰れない〝あの日々〟の揺らぐ心を鋭敏な感性でとらえた、叙情あふれる十五篇。表題作ほか「少年」「帽子」「赤い実」など教科書名短篇を含む、文庫オリジナル・アンソロジー。〈巻末エッセイ〉辻 邦生・椎名 誠 【目次】 少年/蜜柑畑/滝へ降りる道/晩夏/投網/帰郷/黙契/白い街道/颱風見舞/ざくろの花/ハムちゃんの正月/馬とばし/帽子/魔法壜 〈巻末付録〉赤い実/少年に与える言葉(随筆)
  • 雪の階(上下合本)
    -
    1巻1,826円 (税込)
    親友の死は本当に心中だったのか。天皇機関説をめぐる華族と軍部の対立、急死したドイツ人ピアニストと心霊音楽協会、穢(けが)れた血の粛正をもくろむ「組織」(グルッペ)……。謎と疑惑と陰謀が、陸軍士官らの叛乱と絡み合い、スリリングに幻惑的に展開するミステリー。柴田錬三郎賞、毎日出版文化賞をダブル受賞、ミステリー各誌ベストテン入り!〈解説〉加藤陽子
  • 片隅の人たち
    3.5
    翻訳者はみんな変っていて、それに貧乏だった――。直木賞受賞作『遠いアメリカ』と同時期を背景に、出版界の片隅でたくましく生きる個性豊かな面々を、憧れに満ちた青年のまなざしからとらえた自伝的連作集。巻末にエッセイ「二十代の終わりごろ」他一篇を付す。〈解説〉青山 南 【目次】 翻訳の名人/若葉町の夕/線路ぎわの住人/四月の雨/初夏のババロワ/黒眼鏡の先生/喫茶店の老人/新しい友人/夜明けの道/引越し/夏の一日  * 〔エッセイ〕昔のアパート/二十代の終わりごろ
  • もちじゅわ 中華まんの奇跡 ひぐまのキッチン
    3.5
    学業優秀なリケジョだったが、融通がきかず就活を連敗していた「ひぐま」こと樋口まりあ。そんな彼女が秘書として食品商社「コメヘン」に入社して2年目の冬――。持ち前の生真面目さが愛され、徐々に周囲の協力も得られるようになった。10歳年下のイケメンバーテンダーと結婚していて、妙に鋭い総務部の山本梢や、かわいいのになぜかモテない営業部の野島樹実香と食べる弁当ランチも楽しい。本業の秘書業務に加え、社長の来客にふるまう手料理にも、少しずつだが自信をつけてゆく。そして、「奇跡の小麦粉」と呼ばれるキタノカオリで調理するうちに、初めての恋の予感も!? ほっこりおいしい、だけじゃない。名作『100年たったら』の著者が贈る心癒やすごほうび小説。 【目次】 小松菜の元気なきな粉和え ボルシチは祖母の味 恋と起業のにんじんケーキ 米良し、水良し、出会い良し イケメンシェフの和風ニョッキ もちじゅわ 中華まんの奇跡
  • 獅子座、A型、丙午。
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    いつだったかドラマの演出家の男性に言われたことがある。「有名な旦那さんがいて、お子さんも育てて、女優もやって、すべて手に入れてますね、完璧じゃないですか」 びっくりした。私ってそう見えるんだ。外から見えるものを数えたら、確かにそうかもしれないな。でもね。私にも事情がある。やりたいことができなくて眠れないほど悔しいことも、逆立ちしたって手に入らない憧れも、自分の不甲斐なさにのたうちまわる夜更けもある。そう反論するのはわがままだろうか。――本書より
  • 架空の犬と嘘をつく猫
    3.8
    空想の世界に生きる母、愛人の元に逃げる父、その全てに反発する姉、そして思い付きで動く適当な祖父と比較的まともな祖母。そんな家の長男として生まれた山吹は、幼い頃から皆に合わせて成長してきた。だけど大人になり彼らの《嘘》がほどかれたとき、本当の家族の姿が見えてきて――? これは破綻した嘘をつき続けた家族の、とある素敵な物語!
  • クラゲ・アイランドの夜明け
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    クラゲが好きだったあの子は、どうして死んだんだろう? 殺人、傷害、交通事故、違法薬物、違法労働、虐待、自殺者がゼロの海上コロニー――通称《楽園》。 その七つのゼロをはじめて「自殺」で破った少女・ミサキ。 彼女の死に疑問を抱いた僕は、彼女の行動を探りはじめる。そこには、七日前に現れた新種のクラゲが関係していた? 気鋭作家・渡辺優の描く、新世界。
  • 真昼のプリニウス
    4.2
    頂上で、わたしの世界に何かが起こる――情報過多の社会で自らの生き方に疑いを覚え、女性火山学者は火口を目指した。自然をそのままに見つめることで、紡ぎだされる物語の美。静かに心を打つ稀有の小説世界。
  • すばらしい新世界
    4.0
    1巻1,361円 (税込)
    ヒマラヤの奥地へ技術協力に赴いた主人公は、 現地の暮らしに触れ、深く人々に惹かれてゆく―― 人と環境との関わりの先に 新しい世界への光を予感させる長編小説
  • 捨てきらなくてもいいじゃない?
    3.5
    思い切ってモノ減らし!でも捨てられない?心と体の変化によりモノに向き合い、ポスト・ミニマリズムの立場から持ちつつも小さく暮らせるスタイルを提案。
  • 新装版 久遠(上下合本版) 刑事・鳴沢了
    -
    1巻1,650円 (税込)
    「最大の報復、それは刑事としてのプライドを奪うこと」。 堂場瞬一史上売上NO.1シリーズ、衝撃の最終巻。 突如、了の自宅を訪れた青山署の刑事たち。了が前夜会っていた情報屋の岩隈が殺害され、その容疑をかけられたのだった。次々と狙われていく関係者たち、残された謎の符号「ABC」――。背後に潜む復讐者の正体とは? 刑事として生まれた男、最大にして最後の事件。
  • 屋根裏博物館の事件簿
    3.4
    1巻748円 (税込)
    渋沢栄一の孫・敬三が作った私設博物館では民具の蒐集、研究と「日本民俗学」の研究が新たに進められていた。山形の奇妙な婚礼絵馬、南伊豆の不穏な正月行事を調査するのは、幼い頃、敬三に拾われた記憶喪失の少女・あづみ。相棒の林常彦とともにこの博物館に持ち込まれる謎を解く中で、あづみ自身の封印された記憶が蘇る――。
  • 私の彼は腐ってる
    4.0
    1~2巻748~792円 (税込)
    祖父の死で天涯孤独になった揚羽。その時、約束通り迎えにきてくれた許婚の伊織と同居するが、なぜか彼は広い洋館で姿を見せない。執念で探し出し問い詰める最中、伊織の腕がぼとりと落ちた。「じつは私、ゾンビなんです」まさかのカミングアウトと、スライム、吸血鬼たちに実は囲まれていた揚羽の運命と恋愛成就は!?
  • わが青春無頼帖 増補版
    4.0
    虚無的な孤高の剣士「眠狂四郎」を生んだ苛烈な戦争体験、多彩な女性遍歴、師・佐藤春夫との交流――。 故郷出奔から直木賞受賞までの無頼の日々を豊富なエピソードとともに綴る回想録。 表題作のほか、私小説的短篇五篇を併録する。 新たに随筆「文壇登場時代」「わが生涯の中の空白」を増補。〈解説〉縄田一男 【目次】 わが青春無頼帖 色 身 蜃気楼 北の果から 落 花 先生と女と自分 〈巻末付録〉 文壇登場時代 わが生涯の中の空白
  • 眠れない夜は体を脱いで
    4.2
    自分の顔がしっくりこない男子高校生。五十過ぎに始めた合気道で若い男の子とペアを組むことになった会社員。恋人の元カノの存在に拘泥する女子大生。妻も部下もなぜ自分を不快にさせるのかと苛立つ銀行支店長。彼らは「手の画像を見せて」という不思議なネット掲示板に辿り着く……。「私」という違和感に優しく寄り添う物語。〈解説〉吉川トリコ
  • 燃える波
    3.7
    〈ライフ・スタイリスト〉の傍らラジオ番組を持ち、多忙な日々を送る帆奈美。夫と猫との静かな暮らしは、同級生だったカメラマン・澤田炯との再会を機に崩れてゆく。想いを抑える帆奈美を逆にけしかけ、大抜擢する女優の瑤子。輝きを増してゆく妻を、しかし夫は束縛し始めて……。自由と自尊心を賭けた帆奈美の闘いが始まる。〈解説〉中江有里
  • 千の扉
    3.7
    築四十年、三千戸を超す都営住宅の一室で、夫・一俊と暮らし始めた千歳。その部屋の主である一俊の祖父に頼まれ、千歳は「高橋さん」という人物を探し始めるが……。存在も定かでない「高橋さん」を探すうち、ここで暮らす人々の記憶と、戦後から七十年の土地の記憶が緩やかにひもとかれていく。〈解説〉岸政彦
  • 素子の碁 サルスベリがとまらない
    4.0
    『ヒカルの碁』をきっかけに、四十歳を過ぎてから夫婦で始めた囲碁。子供の頃から親しんでいれば直感的に理解できただろう定石や用語に頭を悩ませつつ、上達していく喜びを綴るエッセイ。初心者にもよく分かる囲碁コラムも満載! 「祝 還暦! 夫婦対談」を巻末に付す。
  • スティル・ライフ
    3.5
    しなやかな感性と端正な成熟が生み出した唯一無二の世界。 生きることにほんの少し惑うとき、 何度でもひもときたい永遠の青春小説。芥川賞受賞作品。
  • 夏の朝の成層圏
    4.4
    漂着した南の島で否応もなく始まった孤絶の生活。 文明世界を脱した青年は、自然と一体化する至福を刻々と体感していく――。 この上なく鮮烈な長篇デビュー作。
  • アクセス
    3.3
    親友の自殺は自分のせい。悲しみに暮れる可奈子の携帯が着信した。悪意に満ちた声が言う、「お前が殺したんだよ」と――。すべての始まりは、誰かを勧誘すれば無料となるプロバイダ「2mb.net」。登録した高校生たちに襲いかかる殺人の連鎖。仮想現実を支配する「極限の悪意」を相手に、生き残りを賭けた壮絶な戦いが始まった!
  • ずんずん!
    3.6
    毎日、コツコツ。宅配だから出会える笑顔がある―― どんな日もお客様に牛乳を届けてきた纒ミルク浜町店。若き四代目・亮介は、ベテラン配達員・田代らとともに宅配に勤しむ中、デザイン会社で活躍する玉枝と出会う。顧客宅での事件や切ない恋に遭遇したことで、亮介は単調に見える仕事の壁に直面してしまい……〝届ける人〟の尊さが胸に染み入る宅配物語
  • 神様
    4.0
    くまにさそわれて散歩に出る。川原に行くのである――四季おりおりに現れる、不思議な〈生き物〉たちとのふれあいと別れ。心がぽかぽかとあたたまり、なぜだか少し泣けてくる、うららでせつない九つの物語。デビュー作「神様」収録。ドゥ マゴ文学賞、紫式部文学賞受賞短篇集。 〈目次〉 神様 夏休み 花野 河童玉 クリスマス 星の光は昔の光 春立つ 離さない 草上の昼食 あとがき
  • 光ってみえるもの、あれは
    3.7
    ああ、やっぱり僕は早く大人になりたい--友がいて、彼女がいて、ちょっぴり規格はずれの「家族」がいて……生きることへの小さな違和感を抱えた、江戸翠、十六歳の夏。みずしい青春の物語。
  • 星になれるか
    完結
    3.0
    全1巻968円 (税込)
    『傷痕の街』で作家デビューした越路玄一郎。野坂昭如との出会い、吉行淳之介、長部日出雄とのバンコク旅行、そして直木賞受賞。その後訪れた睡眠薬中毒と小泉喜美子との離婚。自身が再起へ向かう姿と、一九六四年~七八年の綺羅星のような作家たちの活躍を描く、ハードボイルド作家の自伝的長篇小説完結編。 〈解説〉郷原 宏 ■目次 星になれるか/面白き罪/バンコク有情/ドリアンの謎/モンスターの尻尾/独り砂漠を/甘美なる腐敗/回帰への終章
  • 浪漫疾風録
    3.8
    二十三歳の越路玄一郎が入社したのは、個性派揃いの梁山泊のような出版社だった。部長の田村隆一に仕事を叩きこまれ、都筑道夫の後を受けて『EQMM』編集長を務め、そして作家に。一九五六年~六四年の疾風怒濤の編集者時代と戦後ミステリの草創期を活写する、ハードボイルド作家の自伝的長篇小説。 〈巻末エッセイ〉河合 靖/〈解説〉郷原 宏 ■目次 地獄へようこそ/悪戦苦闘/汗みどろの日々/粋で貧乏で/色やら恋やら/走り出す人々/ミステリ戦国時代/さらば編集者/あとがき
  • 浪漫疾風録/星になれるか(合本)
    -
    1巻1,936円 (税込)
    翻訳ミステリ雑誌『EQMM』編集長を経て日本におけるハードボイルド小説の先駆者となった直木賞作家の自伝的実名小説。 一九五六~六四年の疾風怒濤の編集者時代を描いた『浪漫疾風録』と、『傷痕の街』でのデビュー後、六四~七八年の綺羅星のような作家たちの交遊を描いた『星になれるか』の合本。 ■目次 ◎『浪漫疾風録』 地獄へようこそ/悪戦苦闘/汗みどろの日々/粋で貧乏で/色やら恋やら/走り出す人々/ミステリ戦国時代/さらば編集者/あとがき ◎『星になれるか』 星になれるか/面白き罪/バンコク有情/ドリアンの謎/モンスターの尻尾/独り砂漠を/甘美なる腐敗/回帰への終章
  • 踊る星座
    3.0
    ダンス用品会社で働くセールスレディのわたしは、ヘンな顧客、重たい家族、痴情の縺れた上司に次々絡まれ、ぶちギレ寸前。今すぐここから逃げ出したい! 泥々に疲れた一日はしかし、幼き日の記憶と結ばれ、生の切なさと可笑しみ溢れる星座を描く――踊り出したら止まらない“笑劇”の連作短編集。〈解説〉小山田浩子
  • 大阪弁おもしろ草子
    3.0
    時代とともに標準語風に変容していくものの、大阪弁の精神には、なお不変の表情がある。「そこそこやな」「ぼつぼついこか」……。こうした言葉が人生のキャリアを積んだオトナの口からこぼれるとき、大阪弁はより生彩を帯び、迫力を増す。味わい深い大阪弁を通して、上方文化を考察する好エッセイ。〈解説〉國村 隼
  • 大阪弁ちゃらんぽらん 〈新装版〉
    3.0
    「ああしんど」「あかん」「わやや」……。大阪弁独特のこうした言い回しのなかには、大阪人のどんな真情がひそんでいるのか。千年もの間、磨き抜かれた社交技術の粋ともいえる京の言語文化と、三百年の伝統ある商都の知恵を併せ持つ大阪弁。その魅力と、大阪弁を育んだ精神風土を明らかにするエッセイ。〈解説〉長川千佳子
  • 軍旗はためく下に 増補新版
    4.3
    1巻1,100円 (税込)
    歴代直木賞受賞作中の白眉である(浅田次郎『コレクション戦争と文学11 軍隊と人間』解説より) 敵前逃亡・奔敵、従軍免脱、司令官逃避、敵前党与逃亡、上官殺害。陸軍刑法上、死刑と定められた罪により、戦地で裁かれ処刑された兵士たち。戦争の理不尽を描いた直木賞受賞作に著者の自作再読エッセイを収録した増補版。 〈解説〉五味川純平 〈巻末エッセイ〉川村湊
  • 周極星(上)
    完結
    4.0
    全2巻586~649円 (税込)
    世界中の野望、金、人を強烈な引力で引き寄せる巨大市場・中国。その磁場の中心に自ら飛び込んでいく若きファンドマネージャーと美貌の投資会社社長。桁外れのビジネスチャンスに懸ける二人の野心と燃えたぎる復讐心は強力な渦となり、邦銀支店長らを巻き込んで混迷する未来に突き進む。既に10年以上前に、中国経済に真っ向から取り組んだ著者渾身の経済小説。
  • 夜の公園
    3.9
    「申し分のない」夫と、二十五年ローンのマンションに暮らすリリ。このまま一生、こういうふうに過ぎてゆくのかもしれない……。そんなとき、リリは夜の公園で九歳年下の青年に出会う――。寄り添っているのに、届かないのはなぜ。たゆたいながら確かに変わりゆく男女四人の関係を、それぞれの視点で描き出し、恋愛の現実に深く分け入る長篇小説。
  • これでよろしくて?
    3.8
    些細なことでもよくってよ。日々の「?」をまな板に載せ老若女女が語らえば――女たちの不思議な集まりに参加することになった主婦菜月は、奇天烈な会合に面くらう一方、日常をゆさぶる出来事に次々見舞われて……。幾多の難儀を乗り越えて、菜月は平穏を取り戻せるのか!?夫婦、嫁姑、親子、同僚。人とのかかわりに、ふと戸惑いを覚えてしまう貴女に好適。コミカルなのに奥深い、川上弘美的ガールズトーク小説。
  • スケープゴート 金融担当大臣・三崎皓子
    3.3
    テレビの経済コメンテーターとしても活躍する大学教授の三崎皓子51歳は、「昔の男」矢木沢からの20年ぶりの電話をきっかけに、政界へ入ることになる。民間人として金融担当大臣に就き、地方銀行の取り付け騒動を鮮やかに解決した後、故郷・京都で選挙を戦って参議院議員にトップ当選。そして山城総理から官房長官に抜擢される。しかし、この活躍を快く思わない古老たちが裏で結託し、皓子を陥れようと暗躍する。選挙活動中に死去した父との因縁に思いをはせる皓子に、矢木沢の不可解な行動が影を落とす。そしてある日、山城総理が倒れてしまう。権力、欲望、嫉妬が渦巻く永田町。日本初の女性総理大臣の期待が掛かる皓子は〝生贄〟となってしまうのか、それとも〝ジャンヌ・ダルク〟になれるのか?
  • 周極星(合本)
    -
    1巻1,235円 (税込)
    世界中の野望、金、人を強烈な引力で引き寄せる巨大市場・中国。その磁場の中心に自ら飛び込んでいく若きファンドマネージャーと美貌の投資会社社長。桁外れのビジネスチャンスに懸ける二人の野心と燃えたぎる復讐心は強力な渦となり、邦銀支店長らを巻き込んで混迷する未来に突き進む。既に10年以上前に、中国経済に真っ向から取り組んだ著者渾身の経済小説。解説は児玉清さん。
  • デンジャラス
    4.1
    美しい妻は絶対的な存在。楚々とした義妹は代表作の原点。そして義息の若い嫁は、新たな刺激を与えてくれる……。大作家をとりまく魅惑的な三人の女たち。嫉妬と葛藤が渦巻くなか、翻弄される男の目に映っているものは――。文豪「谷崎潤一郎」を題材に、桐野夏生が織りなす物語世界から炙り出される人間たちの「業」と「欲」。<解説>千葉俊二
  • ファイト
    -
    世界で最も有名なボクサー、モハメド・アリ。彼が対峙していたのは最強の対戦相手だけではなかった。ヘビー級王者、人種差別、戦争、老い……彼が闘っていたのは、近代アメリカにおけるすべての理不尽。ゴングが鳴った瞬間からどちらかの身体がリングに沈むまで、試合の一分一秒がいま鮮明に蘇った。世界中を震撼させた伝説の四試合、いざ刮目せよ! <解説>角田光代
  • 夏の迷い子
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    あのテレビ番組にお祭りの屋台、ほしかった玩具、胸躍らせたプロ野球、町並み、音楽、車、バブル。そして友達、初恋の人……。二度目の東京オリンピックを迎える、60年生きてきた定年世代の男達にあの日々が帰ってくる!? 過去の出来事・思い出と現実が交錯する、全7編収録の心にじわっと染み入る小説集。登場人物の中に、きっとあなたもいるはずです。【収録作品】アイドルを探せ/バス運転士/バブルの頃/テレビ男/聖火/ステイン・アライブ/夏の迷い子
  • 小鳥、来る
    4.5
    1巻1,870円 (税込)
    夏休みが始まった。9歳のおれは、父を倒す日をじっと待っている―― 勉強ができるまーちゃん、毎日万引きするしらとり兄弟、 学年一強い女子のしまだ、何度も車にはねられるたけし。 動物園には誰よりも賢そうなゴリラがいた。 小さくてもタフな子どもたちの物語。 ブレイディみかこ氏、推薦! 「大人より賢くてタフな生き物のおかしくて悲しいさえずり。 ファックな世でも子は育つ!」
  • 出張料亭おりおり堂 ほこほこ芋煮と秋空のすれ違い
    3.0
    ついに山田澄香は、仁にプロポーズされた――はずなのだが、ふたりの関係はその後も深海生物の進化ほど変化がなかった。一方、店には澄香を追い出すため暗躍する孝、記憶喪失の虎太郎、更には仁を狙う(?)謎の美女・エリカが現れ、澄香は置き去りに。ずっと仁を信じ待っていた澄香は、ここである決断をするが……。 シリーズ第六弾は波乱の展開に!?
  • コミックス作家 川村リリカ
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    三十歳の美しいコミックス作家・川村リリカと、同い年の敏腕編集者・野崎百合子。「俺」「お前」と呼び合う可憐な二人が、喫茶店で、イタリアンで、カツカレーの店で、新作の打ち合わせをする。「それはそのままタイトルになるね」「なるね。メモしとこう」。物語はどのように生まれるのか。創作の秘密が垣間見える連作集。 〈挿画〉牛久保雅美 【目次】 きみはミステリーだよ いまのような密会の時間 荒野は誘惑する スクランブルド・エッグス二個をかきこむ 苦手なものはありますか 豆腐とケチャップで微笑する 梨を切ろうとしたとき オーガズムと自分の現在 裸でプッタネスカ 青い色にからめ捕られて フレンチフライドポテト 雨のコカコーラ
  • 新装版 膠着 スナマチ株式会社奮闘記
    3.3
    1巻726円 (税込)
    老舗の糊メーカー・スナマチ株式会社は創業以来の大ピンチ。社運をかけて新製品開発を行うも、できあがったのはなんと“くっつかない糊”!? そんなもの売れるのかと頭を抱える新入社員の啓太と、「俺に売れない物はない」と豪語するベテラン社員の本庄。窮地に陥った会社を救うべく、ふたりの営業マンの闘いが始まった! 今野敏が贈る、ユーモアたっぷりのサラリーマン応援小説。 ※本作は、『膠着』(2010年10月刊、中公文庫)にサブタイトルをつけた新装版です。
  • 炎冠 警視庁捜査一課七係・吉崎詩織
    3.0
    警察小説界、大激震!  驚愕の新人ここに現る。 2019年、夏。渋谷ハチ公像の目の前で、女性が爆死する異常な殺人事件が発生した。被害者の頭部には時限爆弾。指定されたコースを走り、時間内に目的地に辿りつかなければ、爆破するように設定されていた。陸上経験者である刑事・吉崎詩織は特捜の一員として事件を追う。 だが犯人の魔の手は、東京五輪マラソン代表候補であり、かつて詩織のライバルであった樋口舞子の元に迫る――。 警察の威信にかけて異常事件を食い止めろ。 空前のスケールで放つ警察小説!
  • 愛して生きて 宇野千代伝
    3.0
    数多の文豪たちと恋した作家の宇野千代。女性の憧れとして輝く、千代の奔放人生。大正、昭和、平成をまたにかけて活躍し、すぐれた作品を残したほか、尾﨑士郎、東郷青児、北原武夫ほか、梶井基次郎、青山二郎など数多の文豪・文化人たちと恋し、奔放に生きた女としても知られる。今も憧れの女性として輝く宇野千代の人生とは何かを探る。『婦人公論』連載中から話題を呼んだ人物ノンフィクションの待望の文庫化。
  • 愛の色いろ
    3.4
    1巻1,760円 (税込)
    このシェアハウスで暮らす条件はただ一つ。 複数愛者(ポリアモリスト)であること。 ポリアモリーとは、性別を問わず、複数の人を同時に、誠実に愛するライフスタイルのこと。 一つ屋根の下で暮らす四人の男女。彼らが選択する生き方の先に見つけた新しい愛の形。愛とはなにかを問う書き下ろし小説。
  • おいしい給食
    3.7
    映画化決定! 市原隼人主演で人気の笑って泣ける学園グルメエンタメ! ハンサムだが無愛想な数学教師・甘利田幸男。彼の唯一の楽しみは「給食」だ。鯨の竜田揚げ、ミルメーク、冷凍ミカン、ソフトメン――。構成を見極めバランス良く味わう甘利田に対し、彼を挑発するように斬新な方法で給食を食す生徒が現れた。甘利田はその生徒・神野をライバル視し勝手に勝負を仕掛けるが……。
  • 富士日記を読む
    4.0
    『富士日記』はどのように読まれてきたか。小川洋子、平松洋子、苅部直、村松友視の書き下ろしエッセイと、書評で読み解くロングセラーの魅力。
  • さよなら獣
    3.8
    美しく野性的な野々花、聡明でプライドの高い阿佐、繊細ゆえに孤絶しがちな咲。 小学5年生の春、三人はそれぞれの理由でクラスで浮いてしまう。 共通点も一切ない彼女たちだったが、二十歳になり、 それぞれモデル、大学生、ショップ店員と大きくなり、ふしぎな交流をもつ。 三人は少女時代の獣道をくぐりぬけながら、 野々花は〝ヤリマン〟とメディアで叩かれ、 阿佐は恋愛経験ゼロの自分を恥じ、性と生をこじらせていく。 そこで、不器用な咲が意外な行動を起こし…… 『少女は花の肌をむく』より改題。
  • 愛しいひとにさよならを言う
    4.0
    生まれたときから父親はいない。絵画修復家の母と、近所に住む母の年上の友人・ユキさんに育てられた。幼い日のわたしは、わたしたち3人が家族だと知っていた。家族という言葉は知らなかったのに。わたしは愛に飢えることもなく、3人のしあわせな日々がいつまでも続くと信じて疑わなかった。あの日がくるまでは―――。18歳の少女が辿ってきた様々な出会いと別れを描く、切なくも瑞々しく心ふるえる長篇小説。日本経済新聞〈目利きが選ぶ今週の3冊〉で☆☆☆☆☆の名作、待望の電子書籍化。
  • 奔る男 小説 金栗四三
    3.8
    1巻1,650円 (税込)
    1912(明治45)年7月14日、ストックホルム五輪のマラソン競技スタート直前から、物語は始まる。日本初のオリンピック代表選手である金栗四三は、以後、1920(大正9)年アントワープ大会、1924(大正13)年パリ大会にも出場する一方、1920年の第1回箱根駅伝開催にも尽力。その他、現在のマラソンシューズの源流ともいえる「金栗足袋」を開発し、初めての女子連合競技大会を開催する。「日本初のオリンピック代表選手」にして「箱根駅伝の父」――進取の気性に富んだ「伝説のアスリート」が三度のオリンピックで刻んだ、不屈の軌跡。読売新聞人気連載、待望の電子書籍化。
  • 洋菓子店アルセーヌ ケーキ作りは宝石泥棒から
    3.7
    1~2巻748~792円 (税込)
    恋人の浮気発覚でボロボロの陽咲は、その傷を癒してくれたケーキの美味しさに感動し洋菓子店「アルセーヌ」で働くことに。だがこの店、どこか怪しい? ガタイのいい焼き菓子担当、見た目美少女の男子高校生バイト、腕はピカイチだけど口が悪いパティシエの大空と、三人のイケメン店員には、実は《裏稼業》があり……。
  • 出張料亭おりおり堂 月下美人とホイコーロー
    3.8
    「おりおり堂」に仁が戻り、山田澄香はまさかの「喪女」卒業か――と思われたが、今度はおじゃま虫が現れた。仁の弟で橘グループ総帥候補・孝だ。会社へ戻るよう仁を説得するため「料理を教えてほしい」と店に乗り込んできたのだ。しかしこの男、全く料理をしたことがなくて……。 孝&虎之介の料理修業開始!?
  • 賢者の愛
    3.9
    高中真由子は、編集者の父と医師の母のもとで、何不自由なく育てられてきた。真由子が小学生のころ、隣家に二つ年下の百合の家族が引っ越してきて、二人は急速に仲良くなっていく。しかし、真由子が21歳になった冬、百合は真由子が幼いころからずっと思いを寄せてきた澤村諒一の子どもを妊娠したと告白した。その日から、真由子の復讐が始まる――。  諒一と百合の子どもの名付け親になった真由子は、『痴人の愛』の「ナオミ」から、二人の息子に「直巳」と名付け、彼を「調教」していく。直巳が二十歳の誕生日を迎えた日、真由子は初めて、直巳に体を許す。それが最初で最後となるとも知らず……。  主演・中山美穂のテレビドラマも大きな話題を呼んだ、絢爛豪華な愛憎劇!
  • アンダスタンド・メイビー(上)
    3.8
    1~2巻775~796円 (税込)
    中三の春、少女は切ない初恋と未来への夢と出会った。それは愛と破壊の世界への入り口だった――。恋愛小説の枠を超えた、恋愛小説の最高傑作。著者デビュー10周年を飾る書き下ろし作品。
  • 二人の親を見送って
    3.0
    介護がすんで、 看取りも終えて、 気がつけば老いの入口。 これからどう生きていこう。 老いの途上で、親の死は必ず訪れる。介護や看取りの日々を経て、カラダとココロの構えや交友や旅、食事に対する趣も変わる。また、どう見送っても、自分を責める気持ちや後悔を抱えていくのではあるが、親亡き後は、その先の人生に重みと安定を与えるはず。両親を見送った人気エッセイストが、生と死や人と自然のつながりを優しくみつめ直す感動のエッセイ
  • 果てしなき追跡(上)
    -
    1~2巻836~858円 (税込)
    「百舌」シリーズの次はこれだ! 逢坂剛が満を持して送るエンタメ超大作。 元新撰組副長・土方歳三は新政府軍の銃弾に斃れた――はずだった。頭部に被弾した土方を救った時枝ゆらは、敵軍の目をかいくぐり、米国へと密航する。だが意識を取り戻した土方は、記憶を失っていたのだった。全てを無くしたサムライは、果たしてどこへ向かうのか? 海を、大地を駆けめぐる、壮大なる旅がここにはじまる。
  • ダイエット物語……ただし猫
    4.0
    夫と愛猫が糖尿病予備軍? 何とかダイエットは成功するが、今度はまさかのリバウンド?? 「ダイエット物語……ただし猫」「ダイエット物語……こんどはヒト」に加え、自身の体験を書いた「大腸ポリープ物語」を収録。文庫化にあたり書き下ろした「リバウンド物語」、夫婦対談「素子さんの野望」をプラスした、新井素子ファン必読の一冊。
  • 人生教習所(上)
    3.8
    1~2巻649円 (税込)
    新聞に不思議な広告が掲載された。「人間再生セミナー 小笠原塾」。実態は謎だが、そうそうたる企業が後援し、最終合格者には必ず就職先が斡旋されるという。再起をかけて集まってきた人生の「落ちこぼれ」たちは、期待と不安を胸に抱き、はるか小笠原諸島へと出航する! 迷える大人たちのための、新たなエール小説。
  • おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are
    3.8
    追いつめられた現代人のもとへ、おばちゃん(幽霊)たちが一肌脱ぎにやってくる。失業中の男に牡丹灯籠を売りつけるセールスレディ、 シングルマザーを助ける子育て幽霊、のどかに暮らす八百屋お七や皿屋敷のお菊……そして、彼女たちをヘッドハントする謎の会 社員・汀。嫉妬や怨念こそが、あなたを救う!? 胸の中のもやもやが成仏する愉快な怪談集。
  • 新・東海道五十三次
    4.5
    1巻1,012円 (税込)
    妻の運転する車の助手席に乗りこみ、東海道を行き来して見聞した五十三次の風景は――。変わらぬ名所旧跡や土地の名物、そして猛烈なスピードで変わりゆく日本の風景を、ユーモアを交え綴る弥次喜多夫婦道中記。自作解説「東海道五十三次クルマ哲学」、武田花の書き下ろしエッセイ「うちの車と私」を収録した増補新版。
  • 廉太郎ノオト
    4.2
    1巻1,925円 (税込)
    廉太郎の頭のなかには、いつも鳴り響いている音があった―― 最愛の姉の死、厳格な父との対立、東京音楽学校での厳しい競争、孤高の天才少女との出会い、旋律を奏でることをためらう右手の秘密。 若き音楽家・瀧廉太郎は、恩師や友人に支えられながら、数々の試練を乗り越え、作曲家としての才能を開花させていく。そして、新しい時代の音楽を夢みてドイツ・ライプツィヒへと旅立つが……。「西洋音楽不毛の地」に種を植えるべく短い命を燃やした一人の天才の軌跡を描き出す。 時代小説家最注目の俊英が、ついに新境地・明治へ!
  • 夏なんてもういらない
    4.0
    1巻858円 (税込)
    「私はあなたが好きです」 日本語の例文みたいな告白だった。 彼に告白する言葉は、もっと別のものにするつもりだった。 十二年に一度の秘祭「潮祭」が開かれる夏。高校生の深冬は片想い相手の優弥とともに、彼の故郷・潮見島へ向かう。普通の大学生だと思っていた優弥は、皆から慕われる祭司という、深冬の知らない顔を持っていた。そして島には、絶対にかなわない恋敵がいた。恋に、将来に囚われる少女がとった、全てをぶち壊す選択とは? 夏が好きになれないあなたに捧ぐ〝反〟青春小説 『潮風エスケープ』を改題。
  • ドナ・ビボラの爪 (上) 帰蝶純愛 篇
    4.7
    1~2巻968円 (税込)
    美濃の斎藤道三の娘・帰蝶。親譲りの胆力と才覚を備え、父に愛されて育った彼女は、尾張の織田信長の元へ嫁ぐ。お互いの器の大きさと夢を認め、愛し合う二人は、共に尾張平定に乗り出した。だが、道三の息子・義龍が叛旗を翻す。信長は美濃へ援軍を送るが間に合わなかった。道三の死は、帰蝶と信長の関係にも影を落とすことに。
  • 富士日記(上) 新版
    4.3
    1~3巻1,034~1,056円 (税込)
    夫、武田泰淳と過ごした富士山麓での十三年間を、澄明な目と無垢な心で克明にとらえ、天衣無縫の文体で映し出す日記文学の白眉。田村俊子賞受賞作。巻末に関連エッセイ、大岡昇平の「山の隣人」と、武田泰淳の「山麓のお正月」を収録する。
  • 完全版 若き日と文学と
    -
    1巻1,320円 (税込)
    青春の日の出会いから敬愛する作家、自作まで。親友の二人が闊達に語り合う。ロングセラーに単行本未収録を含む五篇を増補、全対談を網羅した完全版。 Ⅰ 若き日と文学と  まえがき 北杜夫  若き日を回想しながら/トーマス・マンを語る/いささか人生論風に  あとがき 辻邦生 Ⅱ ぼくたちを作ってきたもの トーマス・マンについての対話/長篇小説の主題と技法/『星の王子さま』とぼくたち ぼくたちの原風景/文学が誘う欧州旅行 旧版解説 篠田一士 〈巻末エッセイ〉辻邦生と北杜夫 辻佐保子
  • から揚げの秘密 ひぐまのキッチン
    3.4
    人見知りの性格が災いしてか、就活をことごとく失敗していた「ひぐま」こと樋口まりあが、米、粉、砂糖などを扱う小さな食品商社「コメヘン」に入社して9か月――。 大学で学んだ応用化学とはまったく結びつかない社長秘書の仕事に四苦八苦。加えて、ろくにキッチンに立ったことなどなかったのに、社長を訪ねてくる友人や取引先を相手に、料理をふるまわなければならないこともあり……。 「はいよ」が口癖の社長・米田をはじめ、自称「倉庫番」の管理部長・安藤、嫁ぎ先からときどき電話をかけてくる元先輩秘書の吉沢など、心温かな人々に囲まれ順調な日々を送りつつ、「自分にはなにか足りない」とも感じていたまりあの頭のなかで、あるアイデアがふくらんでいく。 新人キマジメ秘書が奮戦する、ほっこり美味しいお仕事小説。 【目次】 筍はいちはやく 一一一個のフォーチュンクッキー 恋と野心とギムレット 冷やし葛うどんにあったか赤飯 そばのおいしい時期 から揚げの秘密
  • レイテ戦記(一)
    3.0
    1~4巻1,320円 (税込)
    戦争は勝ったか、負けたかというチャンバラではなく、その全体にわれわれの社会と同じような原理が働いている――。太平洋戦争の天王山・レイテ島での死闘を、厖大な資料を駆使して再現した戦記文学の金字塔。毎日芸術賞受賞作。巻末に講演「『レイテ戦記』の意図」を付す。 (目次より) 第一巻 一 第十六師団 昭和十九年四月五日 二 ゲリラ 三 マッカーサー 四 海軍 五 陸軍 六 上陸 十月十七日―二十日 七 第三十五軍 八 抵抗 十月二十一日―二十五日 九 海戦 十月二十四日―二十六日 十 神風 十一 カリガラまで 十月二十六日―十一月二日 巻末付録 講演「『レイテ戦記』の意図」
  • レイテ戦記(全四巻合本)
    -
    1巻5,280円 (税込)
    中公文庫『レイテ戦記』全四巻を合本したものです。既刊電子版と内容に変更はありません。 太平洋戦争最悪の戦場・レイテ島での死闘を、厖大な資料を駆使し、鎮魂の祈りを込め描く戦記文学の金字塔。毎日芸術賞受賞作。巻末に、講演「『レイテ戦記』の意図」、インタビュー「『レイテ戦記』を語る」、大西巨人との対談「戦争・文学・人間」、エッセイ「『レイテ戦記』を直す」を付す。 一 第十六師団 昭和十九年四月五日 二 ゲリラ 三 マッカーサー 四 海軍 五 陸軍 六 上陸 七 第三十五軍 八 抵抗 九 海戦 十 神風 十一 カリガラまで 十二 第一師団 十三 リモン峠 十四 軍旗 十五 第二十六師団 十六 多号作戦 十七 脊梁山脈 十八 死の谷 十九 和号作戦 二十一 ブラウエンの戦い 二十二 オルモック湾の戦い 二十三 オルモックの戦い 二十四 壊滅 二十五 第六十八旅団 二十六 転進 二十七 敗軍 二十八 地号作戦 二十九 カンギポット 昭和二十年一月二十一日―四月十九日 三十 エピローグ  連載後記  あとがき  改訂版あとがき  補遺  講演「『レイテ戦記』の意図」  インタビュー「『レイテ戦記』を語る」(聞き手・古屋健三)  対談「戦争・文学・人間」(大西巨人・大岡昇平)  エッセイ『レイテ戦記』を直す 付録  太平洋戦争年表  レイテ島作戦陸軍部隊編成表  書誌
  • よこまち余話
    4.7
    1巻726円 (税込)
    【各紙誌で話題を呼んだ哀しくも愛しい物語】 その人は、もういないかもしれない。 もういなくても――確かにここにいた。 お針子の齣江や向かいの老婆トメさんが、 いつ、どこから来て棲み始めたのか、 長屋の誰も知らない。 正体不明の男「雨降らし」が門口に立つとき、 そこには必ず不思議が起こる。 少しずつ姿を変える日々の営みの中に、 ふと立ち上る誰かの面影。 時を超え、降り積もる人々の思い。 路地にあやかしの鈴が響き、 彼女はふたたび彼と出会う――。 「いつかの人々」が囁きかけてくる感動長篇。
  • ZI-KILL 真夜中の殴殺魔
    3.7
    1巻792円 (税込)
    多摩地方で起こった連続殺人事件。どの被害者も顔を〈壊された〉状態で発見される。事件を捜査する夢川時勇は、ある朝、自分の身体に妙な傷と痣があるのに気づく。そして殴殺魔による新たな被害者が――。「あいつがやったのか?」実は時勇は、深夜数時間だけ別人格に入れ替わるのだ。犯人は《ハイド》と名付けたこの人格なのか。その目的とは?
  • 虎の道 龍の門 (上) 新装版
    -
    1~2巻792円 (税込)
    極限の貧困の中、シベリアに売られた青年・南雲凱は帰国後、些細なことをきっかけに新格闘技団体に入門。自身の強靭さを手段として一攫千金を夢みる。一方、裕福な家庭に育ち、空手道場に通う大学生、麻生英治郎は流派への漠然とした違和感の中で、フルコンタクト空手師範の黒沢と出会い、空手の真の姿を探し始める……。果たして対照的な二人の目指す先には何が待ち受けるのか。そして、「真の強さ」とは何か……。
  • 言わなければよかったのに日記
    4.0
    小説『楢山節考』で異色の文壇デビューを果たした著者が、正宗白鳥、武田泰淳、井伏鱒二ら、畏敬する作家たちとの奇妙でおかしな交流を綴る抱腹絶倒の文壇登場日記。他に「思い出の記」「十五のポルカ」を収める。
  • 歴史を応用する力
    4.0
    中国歴史小説の第一人者が、光武帝と呉漢、項羽と劉邦、商の湯王と周の文王の生涯をたどりながら、ビジネスや人間関係における考え方のヒントを歴史からどう学ぶかを、具体的に平易な語り口で解説する。伊藤忠商事元会長、丹羽宇一郎氏との対談も収録。文庫オリジナル
  • 彼女に関する十二章
    4.1
    〈五十歳になっても、人生はいちいち驚くことばっかり〉 息子は巣立ち、夫と二人暮らし。会計事務所でパート勤務の宇藤聖子が、 ふとしたことで読み始めたのは、六十年前にベストセラーとなった「女性論」。 一見古めかしい昭和の文士の随筆と、 聖子の日々の出来事は不思議なほど響き合って……。 どうしたって違う、これまでとこれから。 人生の新たな段階を迎える世代ならではの感慨と、思いがけない新たな出会い。 セクハラ、LGBT、貧困――身近な社会問題を織り込みながら、 くすりと笑える読み心地のよさ。 ミドルエイジを元気にする上質の長編小説
  • 出張料亭おりおり堂 夏の終わりのいなりずし
    3.2
    「必ず戻る」その言葉を残し、仁が京都へと旅立ってから一年半。彼を待ち続けた山田澄香はついに仁を探しに行くことを決意する。だが仁は京都ではなく大阪、それもなぜか大衆演劇一座の賄いを作っていた!? 澄香は仁を「おりおり堂」に連れ帰ることができるのか。謎の新キャラも登場し、シリーズは新章突入へ。
  • エッセイの書き方 読んでもらえる文章のコツ
    3.7
    言葉の選び方、書き出しの心得、起承転結の「転」を利かし、書き手の「ええーっ」を読み手の「へえーっ」に換える極意とは? しなやかに感じて、したたかに描く奥義を伝授。エッセイ道30年の岸本んが、スマホ時代の文章術を明かします。単行本『エッセイ脳 800字から始まる文章読本』を改題。待望の文庫化。 第一章 テーマは連想の始動装置―「私」と「公共」の往復運動 第二章 頭にはたらきかける文、感覚にはたらきかける文―無意識を意識する 第三章 リスク回避と情報開示―「自分は他者でない」宿命を超えて 第四章 文を制御するマインド―「筆に随う」はエッセイにあらず 終章 ひとたび脳を離れたら

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