西欧人が語る大殿(シニョーレ)織田信長は、きっとこのような人物だったのだろうと思わせる。
好奇心高く芸術家を敬い西洋の技術に深く関心を持ち、道理を求め「事が成る」ことをもって自身の道を貫くために非情となり、それは周囲の理解を得られず孤立していく。
宣教師らには人なつこく冗談に笑うほど心を許したと言う
...続きを読むのも安土城下にその城郭と同じ青瓦のセミナリオを建立させた事からも本当だったのだろう。
宣教師ヴァリニャーノがヨーロッパに帰国する事になった際、見送る為に催した夜の祭典で、安土城が一斉の篝火で浮かび上がった情景は素晴らしく、黒装束で信長自らがたいまつを掲げ宣教師に言葉を送ったと言うのも、西洋の宣教師らに対する深い思いが伝わってくる。
信長の時代がもっと続いたらどうだったかななど思いを巡らせながら歴史が現在につながっている事を痛感するから史実は面白い。
豪華絢爛な安土城が現存していないのが本当に残念です。